社交ダンスを継続したい60代女性の膝関節症に対する再生医療例
更新日:2026.02.27
変形性膝関節症は、痛みの強さだけでなく、日常の動きや運動習慣によって膝への負担のかかり方が異なり、症状の現れ方にも個人差があります。
ヒアルロン酸注射や関節の水を抜く処置などの保存療法を受けても、十分な変化が得られず、次の治療選択肢を検討される方も少なくありません。
本症例は、両膝の変形性膝関節症(右膝が強い)と評価された60代女性に対し、
PRP-FD療法から治療を開始し、経過に応じて治療内容を調整しながら評価を行った一例です。
治療後は、診察所見に加え、VASやTUGといった経過観察指標を用いて、中長期的に状態を確認しました。
患者情報
- 年代・性別・職業
- 60代女性(主婦)
- 主な症状
- 立ち上がり時の違和感(椅子や床から立ち上がる動作で、膝に負担や軽い痛みを感じることがありました。)歩行時の違和感(日常的な歩行は可能ですが、状況によって膝に違和感を覚える場面がありました。)その他の症状(夜間痛、階段昇降時の強い痛み、安静時痛といった症状は、受診時点では目立っていませんでした。)
- 既往歴
- 高血圧
- 手術歴
- 帝王切開
- アレルギー歴
- 特記事項なし
- 運動習慣
- 社交ダンス:週1回(約1.5時間)ウォーキング:週3回(約1時間)
- 生活環境
- マンション
- 初診時の目標
- 社交ダンスを今後も無理なく続けられる状態を維持したい。
※本ページは症例の一例です。※症状は日々の活動量や膝への負荷によって変動する可能性があります。※治療の適応・経過には個人差があります。※治療方針は診察結果に基づいて判断されます。
来院時の状態
これまでの経過
2〜3年前から膝の不調を自覚し、医療機関を受診。
両膝の変形性膝関節症と説明を受け、関節穿刺やヒアルロン酸注射、電気治療などの保存療法を行っていましたが、症状の変化は一時的でした。
保存療法を続ける中で、他の治療選択肢としてPRP系治療に関心を持ち、当院を受診されました。
診察・画像所見
- 診断
- 内側型変形性膝関節症(左膝:KL分類 グレード2/右膝:KL分類 グレード3)
- 理学所見(抜粋)
- ROM:0–135/0–135水腫:右は軽度所見あり(±)
- MRI所見(左膝)
- 大腿骨内側顆の骨髄浮腫(BML)内側顆の軟骨損傷内側半月板損傷
KL分類とは(変形性膝関節症の重症度)
KL分類(Kellgren–Lawrence分類)は、レントゲン画像で変形性膝関節症の進行度を評価する指標です。関節裂隙の狭小化や骨棘形成などから0〜4の5段階で評価され、数値が大きいほど変形が進行している状態を示します。
治療方針はKL分類だけで決まるものではなく、症状やMRI所見、生活背景と合わせて総合的に判断されます。
医師による診断と治療方針の検討
- 診断名
- 内側型変形性膝関節症(左膝:KL2/右膝:KL3(右>左))
- 検討された治療選択肢
- 経過観察ヒアルロン酸関節内注射(保険診療)外科的治療(必要性がある場合に検討)再生医療を含む非手術治療(自由診療)PRP-FD療法培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)(必要に応じて)
本症例では、保存療法の経過と現在の症状、画像所見を踏まえ、再生医療を含む非手術治療の選択肢としてPRP-FD療法培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)を説明したうえで、段階的に治療を進めました。
※治療効果には個人差があり、期待した効果が得られない可能性がある旨も含めて説明されています。
実施した治療内容
- 治療名
- PRP-FD療法培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)
- 治療方法
- 注射による治療手術・入院は行っていませんASCは脂肪採取・培養後に注入
- 治療スケジュール
(ログに基づく概要) - 2024/03/14:初診(左膝KL2)PRP-FDシングルショット成約2024/04/12:左膝トリプルショットへ変更(FD①)2024/05/07:FD②2024/06/05:両膝トリプルショットへ変更(左FD③+右採血)2024/07/03:両膝コンビネーションプレミアムへ変更(右FD①、左経過確認)2024/08/07:右FD②2024/09/11:右FD③2024/10/08:両膝ASC注入2025/04/15:6M診察2025/07/08:9M+左膝ASC追加注入(2V)2025/10/09:追加注入後3M診察
※両治療を組み合わせたコンビネーション治療※治療回数・間隔は、診察・検査結果に基づき医師が判断しています。※治療期間中の他院処置(注射・穿刺等)の有無は、感染予防などの観点から事前に医療機関へ相談することが望ましいとされています。
治療後の経過
経過の概要(診察記録に基づく)
活動(社交ダンス・ウォーキング)を継続しつつ、疼痛動作や負荷状況を確認しながら経過観察を実施症状の変動がみられる時期もあり、活動量や負荷の影響を含めて評価追加注入後も含め、診察所見と経過観察指標を用いてフォロー
画像所見(6M時点の記録)
関節裂隙の変化、半月板(MM)所見、靱帯走行に関する記載があり、経過評価の材料として用いられました。
※画像の評価は、症状や診察所見と合わせて総合的に判断されます。
客観的指標(ログに記載の推移)
- VAS(疼痛評価)
- 初診:50/60両膝ASC後:0/06M:5/0左膝追加注入後:0/20追加注入後3M:0/20
- TUG(歩行機能指標)
- 左FD①:9.2 → 左FD③:7.11M:6.3 → 3M:6.8 → 6M:6.4左膝追加注入:6.5 → 追加注入後3M:7.5
※VAS・TUGは本症例における経過観察指標であり、治療効果を保証するものではありません。※疼痛や機能は、活動量、負荷、体調などにより変動する場合があります。
費用について(自由診療)
本症例で実施した治療は自由診療です(公的医療保険は適用されません)。
費用
PRP-FD療法(片膝シングルショット):297,000円(税込)PRP-FD療法(片膝トリプルショット):627,000円(税込)コンビネーションプレミアム(両膝):2,871,000円(税込)
※治療内容・回数・部位・状態により費用は異なります。※診察・検査結果により、治療を行わない場合があります。※左膝の追加注入(2V)を実施しているため、追加注入費用を掲載する場合は別途追記してください。
主なリスク・副作用
注射部位の疼痛腫れ、内出血一時的な炎症反応感染症(まれ)
※治療に伴うリスクが完全にゼロになることはありません。
医師の総合的見解
本症例では、左膝はKL2、右膝はKL3相当と評価され、
MRIでは骨髄浮腫(BML)、軟骨損傷、半月板損傷といった所見が確認されました。
症状の出方や画像所見に加え、社交ダンスやウォーキングといった日常の運動習慣を含む生活背景を踏まえ、
外科的治療は行わず、再生医療を含む非手術治療を段階的に実施し、経過観察を行いました。
再生医療は、変形した関節を元の状態に戻す治療ではなく、
関節内の環境を整え、症状の進行を緩やかにすることを目的とした治療です。
そのため、治療後の経過には個人差があり、活動量の調整や筋力の維持といった日常生活での工夫も、経過を考えるうえで重要な要素となります。
同様のお悩みをお持ちの方へ
- 保存療法(注射・穿刺・物理療法)で症状の変化が乏しい
- 趣味や運動を続けるために、負担を調整しながら治療方針を検討したい
- 手術以外の選択肢を含めて相談したい
このような場合は、医師による診察と画像評価を受け、
現在の膝の状態を正確に把握することが重要です。
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