立ち上がりや初動時に強い痛みを伴う左膝関節症(KL3)に対する非手術治療例

更新日:2026.02.27

膝の痛みが強くなると、歩くことだけでなく、立ち上がりや動き出しといった日常の基本動作にも支障が出ることがあります。
特に、「できるだけ手術は避けたい」「今の状態でどこまで改善が見込めるのか知りたい」と考え、早期に治療を検討される方も少なくありません。
本症例は、左膝の痛みが強く、近所への外出も難しい状態で受診された方に対し、
再生医療を含む非手術治療を選択し、6か月時点まで経過を評価した一例です。

患者情報

年代・性別
高齢女性
主な症状
歩行時の痛み(痛みのため、近所のスーパーへ行くことも難しい状態)立ち上がり時・動き出しの痛み(立ち上がりと最初の一歩で強い痛みが出やすい)膝を曲げる動作の痛み(膝の屈曲、しゃがみ込み、正座が困難)階段動作の負担(昇り・下りともに痛みがあり、階段の使用が大きな負担)不安定感・腫れ(膝が安定しない感覚があり、腫れを伴うことがある)
既往歴
高血圧
手術歴
子宮筋腫
内服
高血圧治療薬
アレルギー歴
特記事項なし
来院時の状況
息子様と来院
初診時の意向
年齢的に手術はできるだけ避けたい。まずは現在の膝の状態を正確に把握したい可能であれば、痛みを抑えて歩ける状態を目指したい

※本ページは症例の一例です。※症状は日々の活動量や膝への負荷によって変動する可能性があります。※治療の適応・経過には個人差があります。※治療方針は診察結果に基づいて判断されます。

来院時の状態

これまでの経過

2024年11月頃から左膝の痛みが出現。
これまで長年にわたり、庭仕事や床の雑巾がけなど、しゃがみ込む動作を日常的に行っていたことが、膝への負担として考えられました。
整形外科での継続的な治療歴はなく、初めて精密検査を含めた評価を目的として受診されました。

診察・画像所見

診断
変形性膝関節症(内側型)
KL分類
グレード3
MRI所見(左膝)
軟骨は一部残存しているが、剥がれ始めている所見骨髄浮腫(大腿骨・脛骨内側)を認める半月板の逸脱ベーカー嚢腫(関節内の炎症に伴う水の貯留)
水腫
関節内に明らかな貯留を認める

KL分類とは(変形性膝関節症の重症度)

KL分類(Kellgren–Lawrence分類)は、レントゲン画像で変形性膝関節症の進行度を評価する指標です。関節裂隙の狭小化や骨棘形成などから0〜4の5段階で評価され、数値が大きいほど変形が進行している状態を示します。
本症例ではKL3と評価され、変形が進行しつつある段階に該当します。

医師による診断と治療方針の検討

診断名
左膝 変形性膝関節症(内側型)KL3、骨髄浮腫・ベーカー嚢腫を伴う状態
検討された治療選択肢
経過観察保険診療(鎮痛薬、ヒアルロン酸注射など)外科的治療(人工関節置換術など)再生医療を含む非手術治療

本症例では、まだ軟骨が一部残っていること
手術を強く希望されていなかったことを踏まえ、
再生医療を含む非手術治療を選択しました。
※治療効果には個人差があり、期待した効果が得られない可能性がある旨も含めて説明されています。

実施した治療内容

治療名
PRP-FD療法培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)
治療方法
注射による治療手術・入院は行っていません
治療スケジュール
(概要)
2024/12/04:初診(左膝KL3)2025/01/07:PRP-FD①注入2025/02/06:PRP-FD②注入+脂肪採取2025/02/28:PRP-FD③注入2025/04/09:ASC注入2025/10/02:6か月経過診察+左膝MRI評価

※両治療を組み合わせたコンビネーション治療※治療回数・間隔は、診察・検査結果に基づき医師が判断しています。

治療後の経過

経過の概要(6か月時点)

日常生活での痛みは大きく軽減し、鎮痛薬や湿布を使用せずに過ごせる状態となりました。立ち上がりや階段下りでは、痛みはないものの曲げにくさが残る場面があり、手すりを使用して対応しています。夜間痛は認められていません。

画像所見(6か月時点)

骨髄浮腫
軽減
水腫
著明に減少
ベーカー嚢腫
縮小
軟骨・半月板
大きな破綻所見なし

※画像評価は、症状や診察所見と合わせて総合的に判断されます。

客観的指標

VAS(疼痛評価)
初診:80/0 → 6M:2/28
TUG(歩行機能指標)
初診:20.5秒 → 6M:13.5秒

※VAS・TUGは本症例における経過観察指標であり、治療効果を保証するものではありません。※疼痛や機能は、活動量、負荷、体調などにより変動する場合があります。

費用について(自由診療)

本症例で実施した治療は自由診療です(公的医療保険は適用されません)。

費用

コンビネーションプレミアム(片膝):1,914,000円(税込)

※治療内容・回数・部位・状態により費用は異なります。※診察・検査結果により、治療を行わない場合があります。

主なリスク・副作用

注射部位の疼痛腫れ、内出血一時的な炎症反応感染症(まれ)

※治療に伴うリスクが完全にゼロになることはありません。

医師の総合的見解

本症例は、左膝KL3と評価され、骨髄浮腫やベーカー嚢腫を伴う進行例でした。
症状、画像所見、生活背景を総合的に評価し、外科的治療を行わず、再生医療を含む非手術治療を実施しました。
再生医療は、変形を元に戻す治療ではなく、関節内の炎症環境を整え、症状の進行を緩やかにすることを目的とした治療です。
治療後の経過には個人差があり、日常生活での負荷管理やセルフケアの継続が重要となります。

同様のお悩みをお持ちの方へ

  • 立ち上がりや動き出しで強い痛みがある
  • 近所への外出が難しくなってきた
  • 手術は避けつつ、今の状態に合った治療を検討したい

このような場合は、医師による診察と画像評価を受け、
現在の膝の状態を正確に把握することが大切です。
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