発症早期の左膝半月板損傷に対する非手術治療例
更新日:2026.03.06
膝の痛みが出始めた段階で、「このまま進行させたくない」「早めにできる治療があるなら知りたい」と考える方も少なくありません。
特に、仕事や旅行などで日常的に膝を使う方では、初期の段階での対応が、その後の経過に影響することがあります。
本症例は、左膝の痛みを主訴に受診された方に対し、
画像所見ではまだ大きな変形に至っていない段階で、
再生医療を含む非手術治療を早期に実施し、6か月時点まで経過を確認した一例です。
患者情報
- 年代・性別・職業
- 60代女性(訪問介護(移動や自転車使用が多い))
- 主な症状
- 歩行時の痛み(時々、歩行中に膝の痛みを感じることがある)膝を曲げたときの痛み(膝の曲げ伸ばしで、違和感や痛みが出る場面がある)立ち上がり時の痛み(椅子や床から立ち上がる動作で、膝に負担を感じる)正座の困難さ(膝への負担が大きく、正座は難しい状態)階段下りの痛み(特に階段を下りる際に、痛みが出やすい)安静時痛(安静にしているときの強い痛みは目立っていない)
- 既往歴
- 特記事項なし
- 手術歴
- 骨盤手術(約24年前)
- アレルギー歴
- 特記事項なし
- 趣味
- 旅行
- 同席者
- なし
- 初診時の意向
- できるだけ手術は避けたい進行する前に、今の状態を把握し治療を検討したい
※本ページは症例の一例です。※症状は日々の活動量や膝への負荷によって変動する可能性があります。※治療の適応・経過には個人差があります。※治療方針は診察結果に基づいて判断されます。
来院時の状態
これまでの経過
1か月ほど前から左膝の痛みを自覚。
直前に旅行で長距離を歩いたことや、訪問介護の仕事、自転車の使用など、
膝への負担が重なった可能性を本人は感じていました。
整形外科を受診し、レントゲン検査とヒアルロン酸注射を受けましたが、
症状が続いたため、再生医療を含む治療選択肢を検討し当院を受診されました。
診察・画像所見
- 診断
- 左膝 外側半月板損傷
- MRI所見(左膝)
- 外側半月板の変性・水平断裂軟骨は保たれており、明らかな高度変形は認められない靱帯(ACL・PCL)は保たれている
- 水腫
- 明らかな所見なし
これらの所見から、変形に至る前の比較的初期段階と評価されました。
KL分類とは(変形性膝関節症の重症度)
KL分類(Kellgren–Lawrence分類)は、レントゲン画像で変形性膝関節症の進行度を評価する指標です。関節裂隙の狭小化や骨棘形成などから0〜4の5段階で評価され、数値が大きいほど変形が進行している状態を示します。
本症例では、明らかな高度変形には至っていない段階と判断されました。
医師による診断と治療方針の検討
- 診断名
- 左膝 外側半月板損傷(初期)
- 検討された治療選択肢
- 経過観察保険診療(消炎鎮痛薬、ヒアルロン酸注射など)外科的治療(ロッキングなどの症状が出た場合に検討)再生医療を含む非手術治療
本症例では、
- ロッキングなどの手術適応となる症状がみられなかったこと
- 画像上、初期段階と評価されたこと
- 本人が早期対応を希望されていたこと
を踏まえ、再生医療を含む非手術治療を早期に実施する方針としました。
※治療効果には個人差があり、期待した効果が得られない可能性がある旨も含めて説明されています。
実施した治療内容
- 治療名
- PRP-FD療法培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)
- 治療方法
- 注射による治療手術・入院は行っていません
- 治療スケジュール
(概要) - 2024/06/04:初診(左膝LM損傷)2024/07/02:PRP-FD①注入2024/08/06:PRP-FD②注入2024/08/27:PRP-FD③注入2024/09/24:ASC(2V)注入2024/10/22:1M診察2025/03/11:6M診察
※両治療を組み合わせたコンビネーション治療※治療回数・間隔は、診察および画像所見に基づき医師が判断しています。
治療後の経過
経過の概要(6か月時点)
歩行や立ち上がりなど、日常生活動作での支障は大きくありません。膝の腫れや水腫は認められず、診察上の大きな問題は確認されていません。リハビリやセルフケアを継続することで、状態の維持が図られています。
画像所見(6か月時点)
水腫:なし半月板損傷部位:大きな悪化所見なし
※画像の評価は、症状や診察所見と合わせて総合的に判断されます。
客観的指標
- VAS(疼痛評価)
- 初診:20/30 → PRP-FD後:0/0 → 6M:0/0
- TUG(歩行機能指標)
- 注入前:9.5秒(以降、大きな悪化所見なし)
※VAS・TUGは本症例における経過観察指標であり、治療効果を保証するものではありません。※疼痛や機能は、活動量、負荷、体調などにより変動する場合があります。
費用について(自由診療)
本症例で実施した治療は自由診療です(公的医療保険は適用されません)。
費用
コンビネーションプレミアム(片膝):1,914,000円(税込)
※治療内容・回数・部位・状態により費用は異なります。※診察・検査結果により、治療を行わない場合があります。
主なリスク・副作用
注射部位の疼痛腫れ、内出血一時的な炎症反応感染症(まれ)
※治療に伴うリスクが完全にゼロになることはありません。
医師の総合的見解
本症例は、左膝の外側半月板損傷を中心とした初期段階の病変であり、
画像所見では高度な変形に至っていない状態でした。
症状、画像所見、生活背景(仕事や旅行による膝への負担)を総合的に評価し、
早期の段階で再生医療を含む非手術治療を実施しました。
再生医療は、変形を元に戻す治療ではなく、関節内環境を整え、進行を緩やかにすることを目的とした治療です。
治療後の経過には個人差があり、リハビリの継続や日常生活での負荷管理が重要な要素となります。
同様のお悩みをお持ちの方へ
- 膝の痛みが出始めたばかりで、進行を防ぎたい
- 手術は避けつつ、早めに治療の選択肢を知りたい
- 仕事や旅行を続けながら、膝の状態を整えたい
このような場合は、医師による診察と画像評価を受け、
現在の膝の状態を正確に把握することが大切です。
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