ヨガ継続を目標とした30代女性の左膝半月板損傷(KL2)治療例

更新日:2026.03.02

膝の症状は、強い痛みがなくても「違和感」や「ずれる感じ」から始まることがあります。
とくに、ヨガやピラティス、ウォーキングなど日常的に体を動かしている方では、
軽い症状の段階で原因を確認し、今後どう付き合っていくかを考えることが重要になります。
本症例は、左膝の違和感を主訴に受診された育休中の女性に対し、
画像検査で半月板損傷(KL2相当)と評価され、
非手術治療として培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)を実施し、6か月時点まで経過を確認した一例です。

患者情報

年代・性別
30代女性
主な症状
膝を深く曲げたときの違和感や痛み(あぐらの姿勢などで曲げ切ると痛みが出る)ずれているような違和感(動かすと引っかかるように感じ、時々はまって楽になる感覚がある)育児動作での工夫が必要(抱っこや床での動作時に、膝の使い方を意識する必要があった)
既往歴
特記事項なし
手術歴
帝王切開(2020年、2023年)
アレルギー・内服
特記事項なし
運動・生活習慣
ヨガピラティス(自宅で動画視聴)ウォーキング(約2km/20〜30分)
生活状況
育休中(小さなお子さまの育児あり)
来院時の状況
お一人で来院、独歩可能
初診時の意向
まずは膝がどうなっているのか原因を知りたいすぐに治療を決断するつもりはなく、状態を把握したいできればヨガやピラティスを今後も続けたい

※本ページは症例の一例です。※症状は日々の活動量や膝への負荷によって変動する可能性があります。※治療の適応・経過には個人差があります。※治療方針は診察結果に基づいて判断されます。

来院時の状態

これまでの経過

2024年2月頃から左膝の違和感を自覚。
ヨガやピラティスを継続していたこと、また育児による膝の使用頻度が高いことから、
膝に負担が蓄積していた可能性が考えられました。
これまで整形外科を受診したことはなく、今回が初めての医療機関での精査となりました。

診察・画像所見

診断
左膝 半月板損傷
KL分類
グレード2相当
MRI所見(左膝)
内側半月板損傷(断裂しきっていない可能性)内側軟骨の菲薄化関節液貯留(通常よりやや多い)骨挫傷(伸展時に負荷がかかる部位)
靱帯(ACL・PCL)
保たれている

これらの所見から、変形が強く進行する前の比較的早期の段階と評価されました。

KL分類とは(変形性膝関節症の重症度)

KL分類(Kellgren–Lawrence分類)は、レントゲン画像で変形性膝関節症の進行度を評価する指標です。関節裂隙の狭小化や骨棘形成などから0〜4の5段階で評価され、
KL2は初期〜軽度の段階とされています。

医師による診断と治療方針の検討

診断名
左膝 半月板損傷(KL2相当)
検討された治療選択肢
経過観察保存療法(筋力強化、運動内容の調整、ヒアルロン酸注射など)手術療法(縫合・切除)再生医療を含む非手術治療

本症例では、

  • 半月板が完全断裂には至っていない可能性があること
  • 強いロッキング症状がみられないこと
  • 育児中で手術や長期リハビリが現実的でないこと

を踏まえ、非手術治療として培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)を選択しました。
※治療効果には個人差があり、期待した効果が得られない可能性がある旨も含めて説明されています。

実施した治療内容

治療名
培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)
治療方法
局所麻酔下で脂肪を採取幹細胞を培養後、患部へ注入手術・入院は行っていません
治療スケジュール
(概要)
2024/09/23:初診2024/10/14:血液検査・採血2024/11/11:脂肪採取2025/01/10:ASC注入2025/02/14:1M経過診察2025/04/18:3M経過診察2025/07/04:6M経過診察+左膝MRI評価

※治療回数・間隔は、診察および画像所見に基づき医師が判断しています。

治療後の経過

経過の概要(6か月時点)

日常生活での痛みは認められていない違和感は徐々に軽減階段昇降時の違和感も消失一方で、小走りや自転車走行については、不安感が残る場面がありました。

画像所見(6か月時点)

関節液貯留:減少内側半月板:損傷は残るが、ずれを生じるような動きは認めにくい炎症所見:コントロールされている状態

※画像の評価は、症状や診察所見と合わせて総合的に判断されます。

客観的指標

VAS(疼痛評価)
初診:0/30 → 6M:6/6
TUG(歩行機能指標)
治療前:8.34秒 → 6M:7.2秒

※VAS・TUGは本症例における経過観察指標であり、治療効果を保証するものではありません。※疼痛や機能は、活動量、負荷、体調などにより変動する場合があります。

費用について(自由診療)

本症例で実施した治療は自由診療です(公的医療保険は適用されません)。

費用

培養幹細胞治療(2V):1,287,000円(税込)

※治療内容・回数・部位・状態により費用は異なります。※診察・検査結果により、治療を行わない場合があります。

主なリスク・副作用

注射部位の疼痛腫れ、内出血一時的な炎症反応感染症(まれ)

※治療に伴うリスクが完全にゼロになることはありません。

医師の総合的見解

本症例は、左膝半月板損傷を伴うKL2相当の初期例であり、
画像上は軟骨や靱帯が比較的保たれている状態でした。
症状、画像所見、育児や運動習慣といった生活背景を総合的に評価し、
非手術治療として培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)を実施しました。
再生医療は、関節を元の状態に戻す治療ではなく、
炎症を抑え、組織の状態を整えながら進行を緩やかにすることを目的とした治療です。
治療後の経過には個人差があり、
活動量の調整やセルフケアを継続しながら経過をみていくことが重要となります。

同様のお悩みをお持ちの方へ

  • 膝に強い痛みはないが、違和感が続いている
  • 運動や育児を続けながら、膝の状態を整えたい
  • 手術は避けつつ、今の段階でできる治療を知りたい

このような場合は、医師による診察と画像評価を受け、
現在の膝の状態を正確に把握することが大切です。
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