夜間痛と動き出しの痛みを伴う膝関節症の再生医療例
更新日:2026.02.24
変形性膝関節症が進行すると、歩行時痛だけでなく、立ち上がりやしゃがみ込み、階段動作など日常生活のさまざまな場面で痛みが生じることがあります。保存療法(ヒアルロン酸注射や装具、内服)を続けても十分な変化が得られず、外科的治療を含めた選択肢の検討が必要になるケースもあります。
本症例は、両膝の痛み(右>左)を主訴に受診された高齢女性に対し、外科的治療は行わず、PRP-FD療法と培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)を組み合わせた治療を段階的に実施した一例です。治療後は、診察所見と経過観察指標(VAS・TUGなど)を用いて、中長期的に状態を評価しました。
患者情報
- 年代・性別・職業
- 高齢女性(無職)
- 身長・体重
- 150cm/61kg
- 主な症状
- 右膝内側を中心とした疼痛(左膝にも所見あり)歩行時痛(休み休み歩く必要がある)立ち上がり、動き出し、屈伸で疼痛しゃがみ込み・正座が困難夜間は寝返り時に疼痛が出ることがある階段は昇<降で負担(2足1段)
- 既往歴
- 高血圧過活動膀胱すべり症
- 手術歴
- 子宮内膜症(手術歴あり)
- アレルギー歴
- 特記事項なし
- 内服
- 消炎鎮痛薬胃粘膜保護薬睡眠薬過活動膀胱治療薬外用薬など
- 同席者
- なし(単独来院)
※本ページは症例の一例です。※治療の適応・経過には個人差があります。※治療方針は診察結果に基づいて判断されます。
来院時の状態
これまでの経過
2018年頃から膝痛を自覚し、医療機関で投薬や装具療法を継続していました。2024年には右膝にヒアルロン酸注射を実施したものの、十分な症状変化が得られない状況でした。
診察・画像所見
- VAS(疼痛評価)
- 右70/左0
- ROM(関節可動域)
- 右 0–140、左 0–130
- 理学所見
- 内側関節裂隙(右)に圧痛鵞足部(右)に圧痛腫脹・水腫:明らかな所見なし跛行:明らかな所見なし
- MRI所見(右膝)
- 内側半月板:逸脱(関節外へ)・変性断裂所見内側関節裂隙の高度狭小化骨嚢胞(シスト)を認める(大腿骨内側顆)骨髄浮腫(BML):所見あり(周囲に強い浮腫がない所見もあり)骨棘:所見あり関節液貯留:所見なしACL/PCL:保たれている
これらの所見より、右変形性膝関節症(内側型)、KL分類:グレード4と診断されました。
KL分類とは(変形性膝関節症の重症度)
KL分類(Kellgren–Lawrence分類)は、レントゲン画像で変形性膝関節症の進行度を評価する指標です。関節裂隙の狭小化や骨棘形成などから0〜4の5段階で評価され、数値が大きいほど変形が進行している状態を示します。
治療方針はKL分類だけで決まるものではなく、症状やMRI所見、生活背景と合わせて総合的に判断されます。
医師による診断と治療方針の検討
- 診断名
- 右変形性膝関節症(内側型)右膝:KL4
- 検討された治療選択肢
- 経過観察保険診療(消炎鎮痛薬、ヒアルロン酸注射など)外科的治療(人工関節など)再生医療を含む非手術治療
本症例では、保存療法で十分な変化が得られていないこと、画像所見(KL4、半月板逸脱・断裂、骨嚢胞、骨髄浮腫など)と症状(歩行時痛・立ち上がり・屈伸時痛など)を総合的に評価し、再生医療を含む非手術治療を段階的に実施する方針としました。
※治療効果には個人差があり、期待した効果が得られない可能性がある旨も含めて説明されています。
実施した治療内容
- 治療名
- PRP-FD療法培養脂肪由来幹細胞治療(ASC)
- 治療方法
- 注射による治療手術・入院は行っていません脂肪採取を伴う工程を含む(培養後に注入)
- 治療スケジュール
(概要) - 2025/02/15:初診(右膝KL4)2025/03/13:PRP-FD①注入(血液検査・採血)2025/04/16:プラン変更(組み合わせ治療へ移行)、脂肪採取、PRP-FD②注入2025/05/21:PRP-FD③注入2025/06/26:ASC注入2025/07:1M経過2025/09:3M経過2025/12:6M経過+右膝画像診断
※治療回数・間隔は、診察・検査結果に基づき医師が判断しています。
治療後の経過
経過の概要(6M時点)
疼痛の程度は日によって変動があり、経過観察上は大きな変化が乏しい状態で推移自宅内歩行では問題ない日もある一方、外出時に疼痛が強くなる日がある夜間は中途覚醒はないが、寝返りで疼痛が出ることがある内服鎮痛薬は必要時に使用(頻度は限定的)
診察所見(6M時点の一部)
- 疼痛部位
- 右膝内側〜膝蓋骨下周囲
- エコー所見
- 水腫はあるが、穿刺を要する量ではない
※炎症が広がっている所見は明らかではない
画像診断(6M時点)
- 骨髄浮腫(BML)
- 部位により変化がみられ、縮小傾向の部位がある一方で、広がりが示唆される部位もある
- 大きな変形
- 明らかな進行は目立たない
- 骨嚢胞(シスト)
- 大きさは大きく変わらないが、濃度変化がみられる
- 水腫・軟骨
- 大きな変化は乏しい
※画像所見と自覚症状の変化は必ずしも一致しないため、診察所見や経過観察指標と合わせて総合的に評価します
客観的指標
- VAS(疼痛評価)
- 初診:70/06M:81/0(経過中:3M 75/1 など、変動あり)
- TUG(歩行機能指標)
- 注入前:10.0秒3M:12.0秒6M:11.3秒
※VAS・TUGは本症例における経過観察指標であり、治療効果を保証するものではありません。
費用について(自由診療)
本症例で実施した治療は自由診療です(公的医療保険は適用されません)。
費用
右膝トリプルショット(PRP-FD):627,000円(税込)右膝コンビネーションプレミアム(片膝):1,914,000円(税込)培養幹細胞治療(ASC・2V):1,287,000円(税込)
※治療内容・回数・部位・状態により費用は異なります。※診察・検査結果により、治療を行わない場合があります。
主なリスク・副作用
注射部位の疼痛腫れ、内出血一時的な炎症反応感染症(まれ)体質により、薬剤や物品でアレルギー症状が生じる可能性(まれ)
※治療に伴うリスクが完全にゼロになることはありません。
医師の総合的見解
本症例は右膝KL4の進行例であり、MRIで内側半月板逸脱・断裂、骨嚢胞、骨髄浮腫などの所見を認めました。症状と画像所見、生活背景を総合的に評価した上で、再生医療を含む非手術治療を段階的に実施し、診察所見と経過観察指標、画像診断により評価を行いました。
再生医療は、変形を元に戻す治療ではなく、関節内環境の調整や症状の進行を緩やかにすることを目的とした治療です。治療後の経過には個人差があり、リハビリや日常生活での負荷管理も重要な要素となります。
同様のお悩みをお持ちの方へ
- 保存療法(注射・内服・装具)で十分な変化が得られない
- 歩行や立ち上がり、階段動作で痛みが続く
- 手術以外の選択肢を含めて治療方針を検討したい
このような場合は、医師による診察と画像評価を受け、
現在の膝の状態を正確に把握することが重要です。
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