膝を伸ばすと痛みがあります。

情報提供医師

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尾辻 正樹 医師(横浜ひざ関節症クリニック 院長)日本整形外科学会認定 専門医

最近、膝を曲げて伸ばすときに強めの痛みがあります。どんな原因が考えられますか?

考えられる原因は、変形性膝関節症、関節リウマチ、半月板損傷、骨腫瘍、痛風などがあります。

膝を伸ばした時の痛み以外の特徴(原因別)

1 変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、60代以降の人に多い代表的な関節疾患です。膝関節の軟骨がすり減ることで、炎症を起こし膝に痛みが生じます。進行すると歩行や階段の上り下りなど、日常動作が困難な状態になることも。病状が進行する前に早期発見、治療を受けることが重要です。
伸ばした時の痛み以外で以下のような症状があれば、変形性膝関節症の可能性があります。
・膝の違和感がよくある
・動き初めの痛み、階段昇降での痛みがある
・正座ができない
・よく膝に水がたまって腫れる
・しゃがめない
・膝の曲げ伸ばしがしにくい
・膝の見た目が変形している
・膝の中で音がゴリゴリ、ミシミシ鳴るなど

2 関節リウマチ

関節リウマチとは、免疫の異常により関節に炎症が起こる疾患です。激しい痛みや腫れ、発熱などの症状があります。進行すると、軟骨や骨が破壊され、関節が変形して動かなくなることも。関節リウマチの症状には以下のような特徴があるため、当てはまる方は早めに診察を受けるようにしましょう。
・朝に手のこわばりがある
・腫れや痛みがあり、それが手などさまざまな関節にでている(初期は1か所の関節のときもあり)など

3 骨腫瘍

骨に発生する腫瘍で、膝を伸ばしたり動かすと痛みや腫れが生じます。骨腫瘍には悪性と良性に分類されます。ほとんどの場合は良性ですが、悪性の場合は骨に転移する恐れがあります。
以下の症状がないか確認してみましょう。
・ケガをしていないのに膝の痛みや腫れが続いている
・骨折を繰り返しているなど

4 痛風

膝関節や足の指、手関節などが突然激痛に見舞われる痛風。プリン体が多く含まれる高カロリーな食事やアルコール飲料を摂り過ぎることで起こりやすく、男性に多い病気として知られています。2~3日ほど歩けないほどの痛みが続きますが、徐々に緩和されることがほとんどです。心当たりがある方は、以下の症状がないかも確認してみましょう。
・突然膝が痛くなり、赤くなる
・足の親指の付け根が痛くなる
・耳に結節(直径1cm以上のふくらみ)ができる
・尿路結石ができるなど

5 半月板損傷

半月板とは、膝関節の内側と外側に存在する線維軟骨です。その半月板に何らかの衝撃がかかると、炎症を起こして痛みを感じるようになります。
加齢やスポーツ中の怪我が原因となることが多い疾患です。加齢による発症の場合、変形性膝関節症に発展する可能性もあるため注意が必要です。
・膝の曲げ伸ばしのときに引っ掛かり感がある
・膝が急に動かなくなることがある(ロッキング)など

膝を伸ばした際に痛みが続く場合は、原因を特定し早期に治療を受けることをおすすめします。
当院では、痛みの原因や膝関節の状態を把握し、治療法を診断するMRIひざ診断を受け付けております。
ひざの痛みでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
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