ひざ痛治療のコラム

膝からミシミシ音が鳴ったら要注意! 見逃せない変形性膝関節症の兆候

公開日:
更新日:2021.12.27

変形性膝関節症の症状は”膝の痛み”だけと思ってはいませんか? 膝からミシミシ音が鳴る、水が溜まる、曲げ伸ばしづらい、こんな症状に心当たりがある方も変形性膝関節症の可能性があります。
この記事では、変形性膝関節症の様々な症状を解説した上で、早めに知っておきたいこの病気の特徴も、併せて掲載しています。病院を受診する前、治療を始める前の予備知識としてお役立てください。

情報提供医師

尾辻 正樹 医師

尾辻 正樹 医師(横浜ひざ関節症クリニック 院長)

日本整形外科学会認定 専門医

受診のきっかけとして最も多い症状は痛み

変形性膝関節症と診断を受けるきっかけとして多いのが、膝の痛みです。この病気のシグナルとも換言できるでしょう。痛みが気になったためインターネットで検索し、初めてこの病気を知ったという方もいらっしゃるかもしれません。中でも、初期の変形性膝関節症に特有なのが、スターティングペイン。これは動作開始時に感じる痛みのことで、筋肉や関節内の組織のこわばりが原因と考えられます。起き上がるとき、立ち上がるとき、歩き出すときなどに痛みを訴える方が多く、動いているうちに消失するのが特徴です。

ここで注意が必要なのが、変形性膝関節症の初期には「病院に行く必要がある」と感じさせるほどの痛みが生じにくいこと。当院でも膝の痛みで受診したところ、すでに進行期に差しかかっていたという患者さまも少なくありません。
変形性膝関節症は、このような痛みの他にも様々な症状を引き起こし、最終的には膝の変形に繋がります。痛み以外ではどんな症状が兆候とされるのかみていきましょう。

膝からミシミシ音が鳴る

「ポキポキ」「パキパキ」という音で、痛みがなければ特に問題ありませんが、何かが擦たり、ぶつかるような「ミシミシ」「ギシギシ」という音が鳴る場合は、変形性膝関節症の疑いがあります。

音が鳴る原因

膝関節は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)から構成されています。それらを覆い、外部からの衝撃から守ったり、関節内の動きをスムーズにする役割を担うのが軟骨。変形性膝関節症はその軟骨のすり減りから始まる疾患です。徐々に軟骨がすり減り、大腿骨と脛骨が直接ぶつかり合うようになると、膝を曲げたり伸ばしたりする際にミシミシ、ギシギシと音を立てることがあります。
このような症状を放置しておくと、さらに膝関節の変形がすすみ、変形性膝関節症が進行してしまうことも。「ゴリゴリ」「ガリガリ」という音が鳴る場合は、軟骨がすでに消失している可能性があります。

日常的に音が鳴る人は要注意

ちなみに、まだ診断を受けていないという人も、膝から鳴る音が変形性膝関節症のヒントになるかもしれません。アメリカ・テキサス州のベイラー医科大学が発表した研究結果によると、いつも膝が鳴る人は、ほとんど鳴らない人の3.0倍もこの病気の発症リスクが高い、というデータが出ているそうです[1]
変形性膝関節症かもしれないと疑っている段階で膝の音が頻発していたら、早めに病院を受診してみるのも一つの手段です。

膝を曲げ伸ばしづらい

起床時や起立時に膝の違和感、こわばりが生じるのが特徴的。はっきりとした痛みはなくても「何だかおかしい」といった感覚を覚えることが多いようです。
主な原因として考えられているのは、膝周辺の筋肉が固まる拘縮や、関節内の組織のトラブル。これらはスターティングペインとも近しい症状で、しばらく動いているうちに気にならなくなる場合も多いでしょう。ただ、違和感やこわばりに加えて他の症状も出てきたら、膝の曲げ伸ばしができる範囲が狭まる可動域制限に至る可能性も。例えば関節内の強い炎症によって水がたまり、膝を曲げ伸ばしづらくなることが考えられます。
日常生活では、膝を曲げる動作が頻繁に行われます。例えば歩行には60度、しゃがむには100度、正座には150度、膝が曲がることが必要です。これらの動作も困難になってしまうと、じっとしたままの不活動状態になり、変形性膝関節症の悪化も招きかねません。

膝に水がたまり、腫れる

変形性膝関節症が疑われる患者さまの訴えとして痛みの次に多いと感じるのが、膝に水がたまる症状(関節水腫:すいしゅ)です。水の量が多い場合、膝のお皿(膝蓋骨)周囲が腫れぼったくなり、お皿の輪郭が分かりにくくなることがあります。
この水は関節液と呼ばれ、健康な人の膝にも一定量は存在しています。膝関節は関節包という袋状の組織で囲われていて、その中を満たしているのが関節液。本来は骨同士の摩擦を軽減させ、膝がスムーズに動くように助ける重要な役割を果たしています。この関節液を作り出すのは、関節包の内側にある滑膜(かつまく)という組織。この滑膜が何らかの原因で炎症を起こしてしまった場合、関節液が異常に分泌され、水がたまるのです。すり減った軟骨片が滑膜を刺激することが炎症の原因と考えられており、炎症が強ければ膝に熱感を伴うこともあります。

膝がO脚変形する

変形性膝関節症という病名の通り、外見上の膝の変形が起こります。初期には目立ちませんが、進行に伴ってO脚やX脚が悪化。末期になると、見た目にも変形が顕著になってしまいます。

日本人では、膝の内側の軟骨がすり減る内側型(ないそくがた)の変形性膝関節症が9割を占める[2]とされ、その場合はO脚変形を呈します。外側の軟骨がすり減ることによるX脚変形は少数ですが、当クリニックの日々の診療において、X脚に変形している患者さまが来院されるケースは少なくありません。
O脚、X脚のいずれも、変形が顕著であればあるほど病気が進行している印となります。

症状の程度にかかわらず、早めの受診を

膝が鳴る、曲げ伸ばしづらい、水が溜まるなど痛み以外の症状でも、変形性膝関節症の疑いがあるということはお分かりいただけたでしょうか?
変形性膝関節症に関しては、ある程度の目安こそあれ、変形という見た目にも分かるもの以外には、様々な症状を伴う疾患です。というのも、患者さまそれぞれで、症状の出方が全く異なるため。
例えば、膝の腫れだけが気になり受診したところ、変形性膝関節症と診断された方がいらっしゃいました。また、これは前述しましたが、痛みが気になって病院を受診したところ、すでに変形性膝関節症が進行期に差しかかっていた、というケースも少なくありません。
変形性膝関節症は進行すると、歩くことすらままならなくなる疾患です。痛みを感じたときはもちろん、膝の音や日々の動作などで違和感を感じた時点で、早めに整形外科を受診するのが望ましいでしょう。
当院では、膝の痛みや違和感の原因をすぐに特定できる「MRI即日診断」を行っております。この記事を読んで、1つでも心当たりがある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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