70代女性です。3年ほど前から階段の昇り降りや椅子からの立ち上がりで膝が痛むようになりました。整形外科で変形性膝関節症と言われ、ヒアルロン酸の注射を続けていますが、最近は効果がすぐ切れてしまい趣味の旅行にも行けません。
先生からはそろそろ人工膝関節の手術を考えた方がいいと言われましたが、周りで手術後に痛みが残ったという話を聞き、失敗するのが怖くて手術に踏み切れません。できれば手術はしたくないのですが、このような状況で手術以外の選択肢は残されているのでしょうか?
痛みが強くレントゲンで関節の隙間が無くなってしまっている患者さんには、一般的に人工関節置換術が提案されますが、実際にはリハビリや減量で痛みが緩和されるケースもあります。これは膝の負担や炎症が改善することによるものです。
また再生治療によって関節の炎症が鎮まり改善する方もおられます。ただこれらは一概に効果が期待できるというものではなく、個々の状態によっても異なってきます。その判断の為には関節の中の損傷や炎症が詳しく把握できるMRI検査が重要となります。
まず押さえるポイント
人工関節の手術を受けたくないという方は多くいらっしゃいますし、決断に迷いが生じることはごく自然なことです。今後の治療方針の選択で迷われる際は、まずは無料でんわ相談からお気軽にお問い合わせください。
考えられる原因
ヒアルロン酸の注射の効果が短くなってきた原因として、以下のことが考えられます。・変形性膝関節症の進行:年齢とともに軟骨がすり減り、骨同士が直接ぶつかるようになると、炎症が起きやすく痛みが持続しやすくなります。
・半月板の損傷:膝の衝撃を和らげる半月板の損傷が進むと動作時の痛みが強くなることがあります。
・滑膜(かつまく)の炎症:関節を包む膜が炎症を起こし、関節液が過剰に分泌されることで痛みが悪化したり水がたまりやすくなっている可能性も考えられます。
今すぐできる対処
手術の決断に迷っているときも、日常生活で以下の工夫を取り入れてみてください。1. 杖の使用:歩行時に杖を使うことで、膝にかかる負担を減らします。
2. 体重のコントロール:体重が1kg増えると歩行時に膝に約3kgの負担が増えると言われています。無理のない範囲で体重管理を心がけてください。
3. 太ももの筋力トレーニング:椅子に座ったまま膝を伸ばして5秒キープするなど、体重をかけない運動で膝を支える筋肉を鍛えましょう。
4. 膝の保湿:サポーターやひざ掛けを利用し、血流を保つことで痛みが和らぐことがあります。
5. 正座や階段を避ける:膝を深く曲げる動作は負担が大きいため、洋式トイレやエレベーターを積極的に活用してください。
受診の目安
人工膝関節の手術を決断しきれず、迷ってる場合も、以下の目安を参考に受診をご検討ください。今すぐ受診
足を着いて体重をかけられない、強い腫れや熱を持っている、膝がロックして動かない(ロッキング)、発熱があるなどの場合は、感染症や強い損傷のサインかもしれませんので、早急に保険のきく医療機関へ受診してください。近日中に受診
痛みが強くなってきている、安静にしていてもズキズキ痛む場合は、早めにご相談ください。様子見
痛みが一定で日常生活に支障がない範囲であれば、無理のない運動を続けながら様子を見ていただくことでも良いかと思います。検査で分かること・治療の選択肢
レントゲンは骨の形状を調べるのに適していますが、関節内の炎症や、軟骨や半月板、靭帯の損傷状態を評価するためにはMRI検査が適しています。変形性膝関節症の治療の選択肢としては、ヒアルロン酸注射やリハビリなどの保存療法、人工関節などの手術療法に加えて、ご自身の血液や脂肪を用いた再生医療という方法もあります。当院では、入院や手術を伴わない外来での再生医療を提供しており、膝の手術に踏み切れない方の一つの選択肢となる可能性があります。
次の一歩
膝の人工関節手術に不安を感じたまま無理に決断を急ぐ必要はありませんが、強い痛みを長期間我慢することは大変つらいことです。当院では、事前のMRI検査をもとに診察で膝の状態を詳しく確認し、手術やそれ以外にどのような治療選択肢があるか丁寧にご説明します。人工関節に限らず、手術治療を勧められ、受けるかどうか迷われている場合には、MRI検査により膝の状態を詳しく評価した上で他の治療法も再検討してみる事をお勧めします。
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