ひざ痛治療のコラム

膝のヒアルロン酸注射はいつまで続けるべき? 効かないときの対処法

公開日:
更新日:2022.01.11

変形性膝関節症の治療法の代名詞とも言える、ヒアルロン酸注射。ひざの痛みや炎症を抑える効果があり、保存療法として最も頻繁に提供されている治療法の一つです。
しかし、効果を持続させるには定期的に打ち続けなければならないという難点も。こうしたことから、ヒアルロン酸注射をいつまで続けるべきか、漫然と続けてしまって良いものかとお悩みの方も少なくないと思います。
今回はそんなお悩みにお答えするとともに、ヒアルロン酸注射が効かなくなった場合の治療法をご紹介します。

情報提供医師

大鶴 任彦 医師

大鶴 任彦 医師(大宮ひざ関節症クリニック 院長)

日本整形外科学会認定 専門医

ヒアルロン酸注射とは

ヒアルロン酸ナトリウムという薬剤をひざ関節に注射する治療法です。
ヒアルロン酸注射の最大の目的は、膝関節の潤滑(滑りを滑らかにすること)です。そもそも、関節内の空洞を満たしている滑液(かつえき)にはヒアルロン酸が含まれています。しかし、加齢によって関節内のヒアルロン酸は徐々に減少していきます。骨と軟骨のこすれ合いを防ぐヒアルロン酸が減ることで膝への負担が増え、膝関節の動きも悪くなり、その結果、痛みが生じてしまうのです。
ヒアルロン酸注射は、膝にヒアルロン酸を補充することで、潤滑効果によって痛みを緩和し、膝の動きを改善します。

日本整形外科学会の変形性膝関節症診療ガイドラインでも、ヒアルロン酸関節内注射は膝 OA 患者において有用な場合がある[1]として、推奨強度は87%と位置づけられられています。

ヒアルロン酸注射はいつまで打ち続ければいいのか

ヒアルロン酸注射は、週1回の投与を5週続け、その後は効果に応じて2〜4週に1回というペースで行われるのが一般的です。
痛みに対する効果が得られている間は、治療を継続して良いでしょう。しかし、ヒアルロン酸注射は、変形性膝関節症の初期には有効ですが、進行するにつれて徐々に効果が得にくくなります。変形性膝関節症が進行し、ヒアルロン酸注射で痛みをコントロールできなくなった場合、感染や神経損傷のリスクがあるため、注射を繰り返すことはおすすめしません。

ヒアルロン酸注射とステロイド注射の違いは?

ヒアルロン酸注射に並び、ひざの痛みを緩和する保存療法として知られるステロイド注射。どちらも注射による治療法ですが、効果は大きく異なります。
ステロイド注射は、抗炎症と鎮痛作用に優れた治療法です。1回の投与で効果期間は2~4週間程度とされ、炎症が原因で膝に強い痛みがある場合に有効な手段とされています。ただし、ステロイド注射は続けて複数回投与すると、軟骨の新陳代謝を悪化させたり、軟骨損傷を引き起こす可能性があります。このような副作用を防ぐためにも、治療間隔や回数には充分に注意し、必要な時だけのスポット的な治療として使用するのが良いでしょう。

一方、ヒアルロン酸注射は先にも触れたように、関節の動きをよくすることで痛みを緩和する治療法です。変形性膝関節症の症状が軽度の場合に適応されるため、ひざの炎症や痛みが強い場合は鎮静作用のあるステロイド注射の方が有効とされています。
どちらの治療が適用になるかは、ひざの状態によって異なるため、整形外科医に正しく判断してもらう必要があります。

ヒアルロン酸注射 ステロイド注射
作用 膝関節の潤滑作用
関節の動きをよくすることで、痛みを緩和
抗炎症と鎮痛作用
炎症を抑えることで痛みを鎮める
痛みへの効果 初期の変形性膝関節症には長期に作用する可能性あり 強い痛みや水が溜まった状態に有効
治療のおススメ度 初期には〇
初期の変形性膝関節症の痛み緩和には効果的
進行期以降は効果は見込みにくい

急性の炎症や強い痛みに用いるケースが多い
軟骨破壊や感染のリスクあり

 

もし、ヒアルロン酸注射が効かなくなったら?

変形性膝関節症のステージがある程度進行すると、ヒアルロン酸注射が効かなくなってくることがあります。このような時、保険診療で次に検討するのは、骨切り術や人工関節に代表される手術療法です。しかし、手術による体への負担や入院のこと、リハビリのことなど、様々な不安から決断できない人は少なくありません。加えて年齢や既往歴から、手術ができない人もいます。これまでは、こういった患者様に対して、漫然とヒアルロン酸注射を続けるしか方法はありませんでした。
近年、この状況に変化をもたらしたのが2015年に厚生労働省が認可した、再生医療等安全性確保法に規定される新しい治療法です。そのうちの一つである「バイオセラピー」と呼ばれる第三の注射を当院では専門的に行っています。
バイオセラピーとは一般的には再生医療とよぼれるものです。自身の細胞や組織を活用して、損傷した組織や臓器の修復を試みる医療分野で、とりわけ、変形性膝関節症の治療にはPRP療法や幹細胞治療が用いられます。

変形性膝関節症治療の新たな選択肢バイオセラピー(再生医療)

ヒアルロン酸注射が効かなくなってきたけれど手術は受けたくない方には、PRP療法培養幹細胞治療という方法があります。

血液を活用するPRP療法

PRP療法とは、ご自身の血液から血小板を多く含む成分を抽出し、患部に投与する治療法です。ひざの痛みや炎症を緩和する効果があり、ヒアルロン酸注射よりも持続的な効果が期待できるという報告もあります[2]
当院ではそのPRPを濃縮し、より効果を高めたPRP-FD注射を提供しています。傷の修復に作用する成長因子を多く含んでおり、変形性膝関節症の進行期の方にも効果的が期待できます。

当院でPRP療法を受けた方の治療効果

当院では、世界中で用いられている評価基準KOOS(クース)で、治療効果を調査しています。KOOSとは、42の項目で構成される質問票から、症状(Symptoms)、ひざの痛み(Pain)、日常生活動作(Daily living)、運動機能(Spo&Rec)、生活の質(Quality of Life)という5つの項目について点数をつけ、評価するものです[3]。それぞれ数値が高いほど良好な状態であることを示します。
調査の結果、注射前と比較してすべての経過観察時において有意に値が改善していることがわかっています。

皮下脂肪を活用する培養幹細胞治療

培養幹細胞治療は、自分の脂肪に存在する幹細胞を抽出し、ひざに投与する治療法です。抗炎症と疼痛抑制作用によって、ひざの痛みの軽減する効果があります。
人工関節など膝を切る手術を希望されない方でも、入院せずに治療を受けることができます。

こちらも当院で治療効果を調査した結果、すべての値で改善が確認されました[3]

痛みは我慢せず自分に合った治療法を選びましょう

ヒアルロン酸注射で痛みが緩和されている場合は、そのまま継続しても問題ありません。しかし、効果が感じられなくなってきたら、それは今の治療法を見直すサインかもしれません。

今回ご紹介したPRP-FD注射や培養幹細胞治療は、自由診療(保険外診療)での提供となるので、費用面では負担がかかります。しかしヒアルロン酸注射が効かなくなってしまった、手術は受けたくない、といった方にとっては十分選択肢になると思います。
治療にご興味がある方は、『ご来院予約』からお問い合わせいただき、ぜひ一度当院へご相談ください。

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