膝関節が痛い時の対処法を解説|ストレッチやマッサージなどのセルフケア、やってはいけないことを紹介

膝関節が痛い時の対処法を解説|ストレッチやマッサージなどのセルフケア、やってはいけないことを紹介

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「膝が痛むけどどうやって対処したらよいの?」
「そもそも自分で対処せず、病院に行くべき?」
と悩んでいませんか?
実は、膝が痛いときの対処は痛みの状態によって変わり、間違えるとかえって悪化を招くこともあります。本記事では、膝関節が痛いときの基本の対処法から、ストレッチや運動、マッサージといったセルフケアまでを整形外科の視点で解説します。あわせて、やってはいけないことや受診を考える目安も紹介します。

情報提供医師

黒木 健文 医師

黒木 健文 医師(福岡ひざ関節症クリニック 院長)

日本整形外科学会認定 専門医

膝関節が痛いときの基本の対処法

膝が痛いときは、まず痛みの状態を見極めて、温めるか冷やすかを正しく選ぶことが対処の第一歩です。慢性的にじわじわ続く痛みと、急に腫れて熱を持つ痛みとでは、適したケアが異なります。ここでは、自宅でできる基本の対処法を整理します。

慢性的な痛みは温めて血流を促す

はっきりとしたきっかけがなく、こわばりや重だるさを伴う慢性的な膝の痛みは、温めて血流を促すことが基本の対処法になります。膝まわりが冷えて筋肉がこわばると、血流が滞って痛みを感じやすくなる傾向があるためです。

入浴で膝までしっかり温める、蒸しタオルやホットパックを当てる、サポーターで保温するといった方法が手軽です。ただし、腫れて熱を持っているときに温めると炎症が強くなることがあるため、温めるのは熱感のない慢性的な痛みのときに限りましょう。

急に強く痛む・腫れたときは冷やして安静に

ひねった直後やぶつけた後など、急に強く痛んで腫れや熱感があるときは、冷やして安静を保つことが基本的な対処法です。炎症が起きている部分を冷やすと、痛みや腫れがやわらぎやすくなります。

保冷剤や氷のうをタオルで包み、痛む部分に10〜15分ほど当てて休ませましょう。冷やしすぎは凍傷の原因になるため、肌に直接当てず、感覚がなくなる前に外すことが大切です。なお、転倒やスポーツでのケガの直後で体重をかけられない場合や、強い腫れ・熱感が引かない場合は注意が必要です。自宅でのケアだけにとどめず、早めにお近くの整形外科を受診しましょう。

体重管理と無理のない範囲の運動

膝にかかる負担を軽くするうえで、体重管理は欠かせない対処の一つです。歩いたり階段を上ったりする動作では、膝に体重以上の負荷がかかるとされ、体重が増えるほど膝への負担も大きくなります

無理のない範囲で体を動かし、太ももの筋肉を保つことも痛みの予防につながります。膝に負担のかかりにくい水中ウォーキング、椅子に座って行う運動などがおすすめです。痛みが強い時期は休み、和らいでから少しずつ再開するなど、医療機関の指示のもとで進めると安心です。

市販の湿布・痛み止めの使い方

市販の湿布や塗り薬、飲み薬は、痛みや炎症を一時的にやわらげる目的で使う対処法です。貼り薬には温感タイプと冷感タイプがありますが、その違いは主に貼ったときの感覚で、効果に大きな差が出るとは限りません。腫れや熱感があるときは冷感タイプ、慢性的なこわばりには温感タイプを目安に選ぶとよいでしょう。

ただし、市販薬はあくまで痛みを抑える補助的な手段であり、痛みの原因そのものを取り除くものではありません。使っても痛みが繰り返す場合は、原因を確かめることが大切です。使用量や使用期間は説明書を守り、長く続く痛みを薬だけでしのぎ続けないようにしましょう。

膝の痛みを和らげるストレッチとマッサージ

膝の痛みには、太ももの筋肉をほぐすストレッチやマッサージに加え、膝を支える筋肉を保つ運動が、痛みを和らげ予防する対処法として役立ちます。筋肉が硬くなったり衰えたりすると膝の動きがぎこちなくなり、関節への負担が増えやすくなるためです。いずれも痛みのない範囲で行い、痛みが強い時期は無理に続けないことが前提になります。

太もも前側を鍛える運動

膝を支える太ももの前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を鍛えると、膝関節が安定して痛みの予防につながります。椅子に座ったままできるため、運動に不安がある方でも取り入れやすい方法です。

1. 椅子に深く腰かけ、背すじを伸ばします
2. 片方の膝をゆっくり伸ばし、足先まで水平になるように上げます
3. その位置で5秒ほど止め、ゆっくり下ろします
4. 左右それぞれ10回程度を目安に、1日2〜3セット行います

※反動をつけず、ゆっくりした動作で行いましょう。痛みが出る場合は中止し、回数や角度を医療機関に相談してください。

膝の曲げ伸ばしストレッチ

膝が動かしにくいときは、曲げ伸ばしのストレッチで関節の動く範囲を保つことが対処になります。動かさずにいると関節がこわばり、ますます動かしにくくなることがあるためです。

1. 椅子に浅く腰かけるか、床に脚を伸ばして座ります
2. 痛みのない範囲で、片方の膝をゆっくり曲げたり伸ばしたりします
3. 伸ばしきった位置と曲げた位置で、それぞれ数秒キープします
4. 左右それぞれ10回程度を、ゆったりした呼吸に合わせて行います

※引っ張られるような強い痛みが出るときは無理に伸ばさず、動かせる範囲にとどめてください。

膝まわりをほぐすマッサージ

太ももやふくらはぎの筋肉をほぐすマッサージは、血流を促して痛みを和らげる対処として取り入れられます。膝そのものではなく、膝を動かす筋肉が集まる太ももを中心にほぐすことがポイントです。

手のひら全体で太ももの前側や裏側を、下から上へやさしくさすり上げます。気持ちよいと感じる程度の力で、入浴後など体が温まったタイミングで行うと効果的です。強く揉みほぐすのは逆効果になりやすいため、あくまで軽い力で行いましょう。具体的な手順は、当院の動画付きコラムでも詳しく紹介しています。

【動画で解説】膝が痛いときに自分でもできる、おすすめマッサージ

膝が痛い方にはストレッチがおすすめ!寝ながら・座りながらの簡単ストレッチ4選

サポーターの選び方と使い方

膝のぐらつきや不安感があるときは、サポーターで関節を軽く支えることも対処の一つです。膝を安定させて動きをサポートし、冷えを防いで血流を保つ働きが期待できます

選ぶときは、自分の膝のサイズに合い、締めつけすぎないものを選びましょう。締めつけが強すぎると血流が妨げられ、かえって不快感が出ることがあります。サポーターはあくまで補助的に使うもので、つけたままにせず、症状に合わせて使う時間を調整することが大切です。

膝の症状・状態別の対処のしかた

膝の痛みは、同じ「痛い」でも腫れているのか、こわばっているのか、特定の動作で痛むのかによって、とるべき対処が変わります。ここでは、よく見られる状態ごとに対処のしかたを整理します。痛む場所ごとの原因や対処を知りたい場合は、こちらのコラムもあわせてご覧ください。

膝の痛みの場所【外側や内側など】から分かる!原因と痛い時の対処法

膝に水がたまって腫れているとき

膝がぱんぱんに腫れて重だるいときは、関節の中で関節液(かんせつえき)が増える関節水腫(かんせつすいしゅ:膝に水がたまる症状)が起きている可能性があります。これは関節の中で炎症が起きているサインで、冷やして安静にすることが基本の対処です。

水がたまる背景には、軟骨や半月板のトラブルなど何らかの原因が隠れていることが少なくありません。腫れが繰り返したり、数日たっても引かなかったりする場合は、整形外科を受診しましょう。

こわばって動かしにくいとき

朝起きたときや長く座った後に膝がこわばって動かしにくいときは、温めて血流を促し、軽く動かして関節をほぐすことが基本的な対処になります。動かさずにいるとこわばりが強くなるため、痛みのない範囲で曲げ伸ばしを行うとよいでしょう。

ただし、こわばりが毎朝のように長く続く、複数の関節がこわばるといった場合は、関節リウマチなどの病気が背景にあることもあります。こわばりがなかなか改善しないときは、自己判断で済ませず医療機関を受診しましょう。

特定の動作で強く痛むとき

階段の上り下りや立ち上がり、しゃがむ動作など、特定の動きで強く痛むときは、その動作の負担を一時的に減らすことが対処法が有効です。痛みを起こす動きを繰り返すと、炎症が長引きやすくなります

階段では手すりを使う、低い椅子を避けるなど、膝を深く曲げる場面を減らす工夫が役立ちます。動作のたびに痛みが強くなる、引っかかって動かせないといった場合は、関節の中にトラブルがある可能性があるため、早めに受診して原因を確認しましょう。

膝関節が痛いときにやってはいけないこと

膝が痛いときは、よかれと思って行った対処が、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。ここでは、痛みを長引かせないために避けたい行動を整理します。

痛みを我慢して運動を続ける

痛みを我慢したまま運動やスポーツを続けるのは、避けたい行動の一つです。痛みは体からの注意信号であり、それを無視して負担をかけ続けると、炎症が悪化して回復に時間がかかることがあります。

「動かしたほうがよくなる」と考えて無理を重ねる方もいますが、痛みが強い時期は休むことも大切な対処のひとつです。運動は痛みが落ち着いてから、無理のない範囲で再開しましょう。

自己判断で強くマッサージする

痛む部分を自己判断で強く揉んだり押したりするのも、控えたい行動です。強い力でのマッサージは、炎症のある組織をかえって刺激し、腫れや痛みを強めてしまうことがあります。

特に、腫れや熱感があるときに強くマッサージするのは逆効果になりやすいです。セルフケアとして行う場合は、太ももの筋肉をやさしくほぐす程度にとどめ、痛みが出る強さでは行わないようにしましょう。

症状に合わない温め方・冷やし方をする

温めるべきか冷やすべきかを誤ると、症状を長引かせる原因になります。腫れや熱感のある急な痛みは冷やし、慢性的なこわばりは温めるのが基本で、これを逆にすると炎症や血行不良を招くことがあります。判断に迷うときは、無理にどちらかを行わず、医療機関を受診すると安心です。

膝の痛みで受診する目安と何科

膝の痛みは、セルフケアで改善が期待できる場合もあれば、早めに医療機関を受診したほうがよい場合もあります。ここでは、受診を検討する目安や、どの診療科を受診すべきかについて解説します。判断に迷った際の参考にしてください。

すぐに受診すべきサイン

次のような症状があるときは、自己判断せず、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

✅ 膝が大きく腫れて、強い熱感や赤みがある
✅ 痛みが強く、体重をかけて歩くのがつらい
✅ 転倒やスポーツのあとに急に腫れて動かせない
✅ 発熱を伴う、または短期間で腫れが急に増した
✅ 膝が引っかかって、曲げ伸ばしができない

これらは関節の中で強い炎症やケガが起きているサインの可能性があります。特にケガの直後で歩けないほど痛む場合は、自宅でのケアにとどめず、速やかに整形外科を受診しましょう。

受診時に伝えておきたいこと

受診の際は、症状をできるだけ具体的に伝えることが大切です。痛みの様子を事前に整理しておくと、診察がスムーズに進み、医師が原因を把握しやすくなります

特に、いつから痛みがあるのか、膝のどの部位が痛むのか、どのような動作で痛みが強くなるのか、腫れや熱感の有無などを伝えましょう。また、これまでに受けた治療や現在服用している薬があれば、あわせて伝えることが大切です。痛みの経過や症状の変化をメモしておくと、限られた診察時間でも正確に情報を伝えやすくなります。

まとめ|膝の痛みは早めの対処と適切な受診が回復の鍵

膝が痛いときは、温めるか冷やすかを状態に合わせて選び、痛みのない範囲でのストレッチやマッサージを取り入れることが基本の対処になります。一方で、痛みを我慢して運動を続けたり、自己判断で強くマッサージしたりすると、かえって症状を長引かせてしまいます。セルフケアで和らがない、繰り返すといった痛みには、背景に病気が隠れていることもあります。

慢性的な膝の痛みの治療には、痛み止めやヒアルロン酸注射などの保存療法から、人工関節などの手術まで幅があります。保存療法だけでは改善が難しく、それでも手術は避けたいという方には、再生医療という選択肢もあります。これは、膝の関節内へ直接注射を行うことで、関節内の炎症や組織のダメージに伴う痛みの軽減を目的とした治療です。「もう歳だから」「手術しかない」と諦める必要はなく、ご自身の膝の状態を正確に知ることが、自分に合った対処を選ぶ出発点です。

当院では、待ち時間を抑えて膝の状態を詳しく確認できる「MRIひざ即日診断」をご用意しています。長引く膝の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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