膝の痛みは、加齢や運動不足、筋力低下などさまざまな原因で起こります。特に、日常的に体を動かす機会が少ないと膝関節を動かす時にはたらく筋肉の柔軟性が低下し、痛みを感じやすくなることがあります。
膝の痛みを和らげるには適度な運動が重要ですが、「痛みがあるのに動かして大丈夫?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、膝への負担を抑えながら自宅で簡単にできるストレッチを紹介します。寝ながら・座りながら行える方法を中心に、無理なく続けやすい内容を解説します。
目次
膝の痛み対策としてストレッチが取り入れられる理由


膝の痛みにおすすめの簡単なストレッチ
次に膝の痛みにおすすめのストレッチをご紹介します。寝ながら、座りながら手軽にできるものばかりなので、ぜひお試しください。無理のない範囲で、ご自身のペースで行いましょう。
もしストレッチを行って膝に違和感が出たり、痛みが強くなった場合は一旦中断して医療機関にご相談ください。
【寝ながら行う】膝の可動域を拡げるストレッチ
仰向けの状態で行うストレッチです。行うことで、膝の可動域を拡げる効果が期待できます。
1日あたりの目安:3セット
用意するもの:バスタオル
① 片足の膝を曲げ、タオルを使ってかかとをお尻に近づけるように引き寄せる。
② 止まったところで5~10秒間キープ。
③ ①②を連続で5~10回行い、反対の足も同様に行う。
※タオルが必要ない方は、手を使って足を引き寄せましょう。
【座りながら行う】膝のお皿ストレッチ
椅子に座った状態で行うストレッチです。運動不足だと膝のお皿が硬く動きにくくなっているので、お皿の動きを良くし、曲げ伸ばしをスムーズにすることを目指します。最初はなかなかお皿が動かないかもしれませんが、繰り返し行っていくことで少しずつ動くようになってきます。
1日あたりの目安:回数制限なし(適宜行いましょう)
① 膝のお皿の縁に両手の親指、または人差し指をあてるように置く。
② 指を使ってお皿を上下左右に向かって動かすように圧をかける。
③ ①②を反対の足も同様に行う。
※膝を曲げていたり太ももに力が入っていると動かしづらいため、伸ばした状態で脱力を意識して行いましょう。

【横になって行う】大腿四頭筋のストレッチ
大腿四頭筋は、膝を伸ばすときにはたらく太ももの前側の筋肉の総称で、歩く時や立ち上がる時など、膝を動かすすべての動作にかかわる筋肉です。ストレッチで柔軟性を高めることで、膝を伸ばす動作をスムーズにする効果が期待できます。
1日あたりの目安:3セット
① 体を横向きにして上側にある足の足首を手で持ち、かかとをお尻に近づけるように曲げる。
② 足ができるだけ体の後方に来るようにゆっくりと引っ張っていく。
③ 太ももの前側が伸びて心地よいところで20~40秒キープ。
③ ①~③を2~3回繰り返し、反対の足も同様に行う。
【座りながら行う】ハムストリングスのストレッチ
ハムストリングスは太ももの裏側の筋肉の総称で、膝を曲げるときにはたらきます。大腿四頭筋と同様、膝を動かす動作にかかわる重要な筋肉です。大腿四頭筋とあわせてストレッチしていくことで、膝の曲げ伸ばしをスムーズにする効果が期待できます。

1日あたりの目安:3セット
① 椅子に浅く腰掛けて片方の足を伸ばし、かかとを床につけたままつま先を上げる。
② 背筋を伸ばした状態で、上半身を前に倒し、太ももの裏側が伸びて心地よいところで20~40秒キープ。
③ ①~③を2~3回繰り返し、反対の足も同様に行う。
簡単なストレッチが膝の痛みに効くケース
ストレッチは膝の痛みの改善に有効ですが、すべての症状に適しているわけではありません。原因によっては、無理に動かすことでかえって痛みが悪化する可能性があります。ここでは、簡単なストレッチが膝の痛みに効くケースと効かないケース、可能性がある疾患について解説します。
筋肉由来の痛み
動かしたときに痛みがある、入浴で症状が軽くなる、押すと心地よいと感じる場合は、筋肉の緊張やこわばりが原因と考えられます。運動不足や同じ姿勢の継続などにより筋肉が硬くなると、膝関節の動きが制限され、痛みにつながることがあります。
こうしたケースでは、ストレッチによって筋肉の柔軟性を高め、血流を改善することで、症状の緩和が期待されます。無理のない範囲で継続的に行うことが重要です。
骨・軟骨由来の痛みはストレッチで悪化する可能性も
骨や軟骨が原因となっている膝の痛みの場合、無理にストレッチを行うことで症状が悪化する可能性があります。例えば、変形性膝関節症や半月板損傷などでは、関節に負担をかける動きによって炎症や痛みが強くなることがあります。
膝を曲げ伸ばししたときに鋭い痛みがある、引っかかり感や違和感があるといった場合は、自己判断でストレッチを続けず、医療機関での診察を検討しましょう。またストレッチを2週間続けても痛みが変わらない、あるいは悪化する場合もすみやかに医療機関を受診してください。

ストレッチで膝の痛みが改善しないときは医療機関へ相談を
ただ、ストレッチや運動をしても膝の痛みが良くならない、または痛みが強くなってきたという場合は、無理せず早めに医療機関で膝の検査をしてください。膝の痛みは、症状が続くと状態が悪化することもあるため、気になる場合は早期の段階で検査をしておきましょう。
膝の痛みについて、もっと詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
膝の痛みについて
当院ではMRIによる検査・診断を行っております。膝の状態を詳細に検査したい、という方はぜひお問い合わせください。

コラムのポイント
- 運動不足で膝に痛みが出る場合がある
- 膝のストレッチを行うことで、痛みの緩和が期待できる
- ストレッチで痛みが緩和しないときは、一度医療機関で検査を
よくある質問
膝がポキポキ鳴るのは、ストレッチで治せますか?
ストレッチによって疾患を根本的に治すことは、医学上はできません。ただし、痛みの緩和にストレッチが効果的な場合があります。
最もやりやすい方法をご紹介します。
1. まず、椅子に腰掛けた状態で太ももの筋肉を両手で押さえます。
2. 押さえたら、その手を左右にゆっくり揺らし、筋肉をほぐしていきます。
痛みのない範囲で、ぜひお試しください。
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