「あぐらをかくと膝の内側がズキッと痛む」
「最近、あぐらの姿勢がとりにくくなってきた気がする」
「正座はできるのに、あぐらだけが痛くて困っている」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
あぐらは日常的にとりやすい姿勢ですが、そのたびに膝が痛む場合は、膝関節やその周囲の組織に負担がかかっている可能性があります。
この記事では、あぐらをかくと膝が痛む主な原因と、症状別の対処法について解説します。
膝ではなく股関節の付け根だけが痛む場合や、音・しびれ・抜ける感じなど痛みを伴わない症状のみの場合は、当院の診察対象外です。整形外科で原因を確認しましょう。
一方、慢性的な膝の痛みが続いている場合や、整形外科で治療を受けても症状が改善しない場合には、関節内の炎症や痛みに対する治療選択肢の一つとして、再生医療が検討されることがあります。
なお、股関節の診療が可能な院については、当院までお問い合わせください。
目次
あぐら姿勢が膝に負担をかけるメカニズム
あぐらは、股関節を外側へ開きながら膝を深く曲げる姿勢です。この姿勢をとることで、膝関節にはねじれや圧迫のストレスが加わり、膝関節や靭帯、半月板などに回旋ストレスが加わります。
あぐら姿勢で膝にかかる力の方向
あぐらは、股関節を外旋させながら膝をほぼ直角以上に曲げる姿勢です。
この姿勢では、膝の内側にある靭帯や軟骨へ、通常の歩行では生じにくいねじれの力が加わります。
膝関節はもともと前後方向の曲げ伸ばしを得意とする構造のため、横方向の力が繰り返しかかると、周囲の組織にストレスが蓄積しやすくなります。
特に、膝の内側に位置する半月板や膝関節全体に負荷がかかることがあります。
また、変形性膝関節症や半月板損傷がある方では、比較的軽い負荷でも痛みが現れやすい傾向があります。
日常的な姿勢で痛みや違和感が続く場合は、膝関節内に何らかの変化が生じている可能性もあります。症状が続く場合は、整形外科などで状態を確認するとよいでしょう。
股関節と膝の動きの連動性
股関節の動きは、太ももの骨を介して膝関節にも影響します。
股関節周辺の筋肉が硬くなると、あぐらをかく際に必要な股関節の可動域が十分に確保できないことがあります。
その場合、不足した動きを膝関節が補おうとして、膝への負担が増加することがあります。このような動きは「代償動作」と呼ばれ、膝の違和感や痛みにつながる要因の一つと考えられています。
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、股関節周辺の筋肉の柔軟性が低下しやすくなります。その結果、股関節を外側へ開く動きが制限され、膝関節に負担がかかりやすくなる場合があります。
また、骨盤が後ろに傾いた姿勢であぐらをかくと、膝だけでなく腰への負担が増えることもあります。
あぐらで膝に痛みを感じる場合は、膝そのものだけでなく、股関節の柔軟性や姿勢の影響も関係している可能性があります。
膝の軟骨・半月板への影響
膝の関節面を覆う軟骨は、クッションのような役割を担う組織で、加齢や長年の負担によって少しずつすり減ることがあります。軟骨がすり減ると関節への負担が増え、痛みや炎症につながることがあります。
特に変形性膝関節症では、あぐら・正座・しゃがみ込みといった膝を深く曲げる姿勢で痛みが目立つことがあります。
半月板は膝の内側と外側にある~~線維軟骨で~~、衝撃吸収と関節の安定化に関わる組織です。
あぐらのようにねじれを伴う動作では、半月板にせん断力が加わりやすく、損傷がある場合は痛みが出ることがあります。
損傷の程度が軽い場合は症状が目立たないこともありますが、痛みや引っかかり感が続くときは状態の確認が必要になります。
膝の軟骨やすり減りについては、以下の記事も参考にしてください。
▶『膝軟骨の「すり減り」は変形性膝関節症【原因と治療法について】』
あぐらをかくと膝が痛む主な原因と疾患
あぐらで膝が痛む場合、変形性膝関節症・半月板損傷・鵞足炎などが関係していることもあるでしょう。
痛みが続くときは、原因を確認したうえで対処することが大切です。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝の関節軟骨が加齢・過体重・長年の負担によって徐々にすり減り、炎症や骨の変形につながることがある疾患です。
変形性膝関節症は中高年に多く見られ、とくに女性に起こりやすいとされています。
関節軟骨は一度すり減ると自然には戻りにくいとされているため、痛みが続く場合は状態を確認することが大切です。
初期症状のひとつが、動き始めの痛みです。
朝起きた直後や、長時間座った後に立ち上がるときに膝が痛む方もいるでしょう。
あぐら・正座・しゃがみ込みといった膝を深く曲げる姿勢での痛みも、変形性膝関節症で見られることがあるサインです。
進行すると、階段の昇り降りや長距離の歩行がつらくなるケースもあるでしょう。
変形性膝関節症の症状・原因・治療法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶『変形性膝関節症の治し方を徹底解説!治療ごとのメリット・デメリットは?』
整形外科で治療を続けても膝の痛みが残る方や、手術以外の選択肢について知りたい方は、膝関節の状態を確認したうえで治療方針を相談する方法も検討できます。

半月板損傷
半月板は、膝関節内のクッション材として機能しています。~~する線維軟骨です。~~
加齢による変性や、日常動作・スポーツ中のねじれによって損傷することがあります。
若い方では急激な動作による外傷性の断裂が多い一方、中高年では変性を背景とした断裂も起こりやすいとされています。
半月板損傷では、膝を曲げたり伸ばしたりするときの引っかかり感、膝の内側または外側の痛み、膝を曲げにくい感覚などが見られることもあるでしょう。
あぐらは膝を深く曲げながらねじれも加わる姿勢のため、半月板に損傷がある場合は痛みが出やすい体勢のひとつです。
損傷の範囲や深さによって症状の重さは異なります。
痛みや引っかかり感が続く場合は、損傷の状態を確認することが重要です。
膝を曲げるたびに痛みや引っかかりを感じる場合は、整形外科などで半月板や関節の状態を確認するとよいでしょう。
半月板損傷の詳しい内容については、こちらの記事をご覧ください。
▶『半月板損傷とは?原因・症状・治療法・回復期間まで専門医がわかりやすく解説』
鵞足炎
鵞足とは、膝の内側やや下方にある腱の付着部を指します。
縫工筋・薄筋・半腱様筋という3つの筋肉の腱が、脛骨内側にガチョウの足のような形で集まっていることが名前の由来です。
この部位に炎症が生じた状態が鵞足炎です。
中高年のランナーや、変形性膝関節症がある方に見られることがあります。
あぐらをかく姿勢のように股関節を外旋させながら膝に負担をかけると、膝内側への負担が増え、鵞足部に痛みが出ることがあります。
鵞足炎では、膝の内側下部を押したときの痛みや、膝の曲げ伸ばしの際に内側へ走る痛みが特徴です。
太もも内側の内転筋群が硬くなっている方は、鵞足部に負担がかかりやすくなることもあります。
日頃から無理のない範囲でストレッチを行い、柔軟性を保つことが大切です。
鵞足炎は変形性膝関節症と同時に起こることもあるため、膝の内側が広い範囲で痛む場合は、原因を確認しながら対処する必要があります。
鵞足炎の症状・原因・対処法については、こちらの記事をご覧ください。
▶『鵞足炎とは?症状・原因・治し方・回復期間まで専門医がわかりやすく解説』
症状が続く場合は、画像検査などで膝関節の状態を確認することも選択肢のひとつです。

あぐらで股関節の付け根が痛む場合
あぐらをかいた際に股関節の付け根だけに痛みを感じる場合は、膝ではなく股関節に原因がある可能性があります。そのため、整形外科を受診し、股関節の痛みの原因について確認することをおすすめします。
変形性股関節症について
変形性股関節症は、股関節の関節~~硝子~~軟骨がすり減ることで痛みや可動域制限が生じる疾患です。
日本では先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全を背景に発症することがあり、とくに中高年の女性に見られる傾向があります。
あぐらをかく際には、股関節を深く曲げて外側へひねる(屈曲+外旋)動作を伴うため、変形性股関節症がある方にとって負担となる場合があります。
脚を外側に開くと股関節の付け根が痛む、開脚するのがつらいといった症状がある場合は、股関節の状態を確認することが大切です。
痛みが鼠径部や太もも前面の付け根に集中しており、膝自体には痛みがない場合は、股関節症が疑われることもあります。
変形性股関節症は画像検査による確認が基本です。
整形外科で関節の状態を把握したうえで、医師と相談しながら適切な治療方針を決めていきましょう。
股関節周囲の筋肉の硬さと柔軟性の低下
股関節の疾患がなくても、あぐらがかきにくいと感じる場合は、筋肉の柔軟性低下が関係していることもあります。
長時間のデスクワークや運動不足によって、大腰筋・梨状筋・大腿方形筋などの股関節周辺の筋肉や関節包などの柔軟性が低下すると、外旋動作が制限されやすい状態です。
このとき生じる不快感は、関節が詰まる感じや筋肉が引っ張られる感覚として現れることもあるでしょう。
ストレッチや柔軟体操で動かしやすくなる場合もありますが、痛みが強い場合や長く続く場合は、整形外科などで相談しましょう。
股関節の筋肉を無理に伸ばそうとする強いストレッチは、関節や筋肉を傷める原因になることもあります。
痛みのない範囲で行うことが前提です。
骨盤の傾きや姿勢の崩れも、股関節周囲の筋肉の負担を増やす要因のひとつです。
日常的に姿勢を見直し、同じ姿勢を長時間続けないようにするだけでも、筋肉のこわばりを減らしやすくなるでしょう。
膝の痛みと股関節の痛みの見分け方
あぐらで痛む部位が膝なのか、股関節の付け根なのかによって、受診先や確認すべき内容は異なります。
膝の外側・内側・膝蓋骨周囲など、膝関節を中心に痛みが生じている場合は、膝関節の疾患が関係している可能性があります。
一方、太ももの付け根や鼠径部、お尻の深部に痛みを感じている場合は、股関節またはその周辺組織の問題も考えられるでしょう。
痛む場所がどちらか判断しにくい場合や、膝と股関節の両方に痛みがある場合は、整形外科で診察を受けて頂くことをおすすめします。
画像検査を含めて状態を確認することで、痛みの原因に応じた対処を検討しやすくなるでしょう。
あぐらで膝が痛むときにできるセルフケア
セルフケアでは、股関節や太ももの筋肉を無理のない範囲で動かし、膝への負担を減らす工夫が大切です。
ストレッチや筋力トレーニングは、痛みが出ない範囲で行いましょう。
ストレッチで股関節と太ももの柔軟性を保つ
股関節や太もも周辺の筋肉の柔軟性を保つことで、あぐら姿勢で膝にかかる負担を減らしやすくなる場合があります。
太もも前面の大腿四頭筋、後面のハムストリングス、内側の内転筋群を、痛みが出ない範囲で伸ばしましょう。
特に内転筋群は、あぐらで股関節を外旋させる際に関わる筋肉です。
硬くなっていると、膝への負担が増えることもあります。
ストレッチは1回だけ強く行うよりも、短時間でも継続する方が取り入れやすいでしょう。
膝に強い痛みがある時期は無理に行わず、症状を見ながら調整してください。
膝に痛みがある方に向けた具体的なストレッチ方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▶『膝が痛い方にはストレッチがおすすめ!寝ながら・座りながらの簡単ストレッチ4選』
筋力トレーニングで膝関節を支える
膝関節を支える重要な筋肉のひとつが、太もも前面の大腿四頭筋です。この筋肉の筋力が低下すると膝への負担が増え、痛みや動きにくさにつながることがあります。
椅子に座ったまま膝を伸ばす運動や、かかとを上げ下げする運動など、膝を深く曲げずに行える方法から始めると取り組みやすいでしょう。
自宅でも取り入れやすい運動ですが、痛みが出る場合は無理に続けないようにしましょう。
筋力が低下している状態で急に負荷の高い運動を行うと、関節への余分なストレスにつながる場合があります。
まずは軽い負荷から始め、痛みや疲労感を見ながら少しずつ慣らしていきましょう。
継続が難しいと感じた場合は、理学療法士などの専門家に相談しながら進める方法もあるでしょう。
日常生活での膝への負担を減らす工夫
あぐらが痛みのきっかけになっている場合は、当面の間は座り方を見直すことが対策のひとつです。
背もたれのある椅子で座る姿勢は、あぐらや正座と比べて膝を深く曲げる機会を減らしやすくなります。
床に座ることが多い方は、クッションや座椅子を活用し、膝を深く曲げすぎない環境を整えることも有効です。
さらに、長時間同じ姿勢を続けると筋肉や関節がこわばりやすくなります。仕事や家事の合間に適度に体を動かすことで、膝まわりの柔軟性を保ちやすくなるでしょう。
膝の痛みが続くときの受診の目安
あぐら姿勢での膝の痛みが続く場合や、立ち上がり・歩行にも影響が出ている場合は、医療機関で原因を確認するとよいでしょう。
整形外科への受診をおすすめするケース
以下の場合は、まず整形外科への受診を検討してください。
・股関節の付け根・鼠径部・太もも周辺に限定した痛みがある
・転倒や強い衝撃をきっかけに膝の痛みが始まった
・打撲・捻挫・靭帯損傷・骨折などの外傷が疑われる
・発熱を伴う膝の腫れや強い熱感がある
・膝が突然動かせなくなるロッキング症状がある
・膝以外の部位の痛みが主な症状である
・痛みを伴わないしびれのみ・抜け感のみ・音のみの症状がある
これらに該当する場合は、当院ではなく、整形外科での確認が基本です。
保険診療の範囲で検査や処置が必要になることもあります。
慢性的な膝痛で治療選択肢を相談したい場合
ひざ関節症クリニックは、慢性的な膝の痛みに対して再生医療を選択肢の一つとしてご案内するクリニックです。
初診時には診察所見やMRIなどをもとに医師が膝関節の状態を確認し、再生医療の適応可否や、効果の見込みについてご案内します。
再生医療は、関節内の炎症や軟骨の変性に伴う痛みの改善を目的として検討される治療の一つです。
効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。
当グループでは、2015年3月〜2026年3月までに44,900件以上の治療実績があり、全国11院で診療を行っています。医師31名が在籍し、整形外科専門医も含まれています。
なお、当院は再生医療に特化したクリニックのため、保険診療や湿布処方、応急処置などの整形外科で行うような処置は行っておりません。
ヒアルロン酸注射や痛み止めなど、整形外科での治療を続けても膝の痛みが残る方や、手術以外の選択肢について知りたい方は、膝関節の状態を詳しく確認したうえで、再生医療が選択肢になるかを相談する方法もあります。
ただし、怪我や外傷の痛み、膝以外の部位の症状、音のみ・しびれのみ・抜ける感じのみなど痛みを伴わない症状は、当院ではなく整形外科で相談してください。
慢性的な膝の痛みで、現在の治療を続けるべきか、手術以外の選択肢があるのかを知りたい方は、以下よりご相談ください。

まとめ
この記事では、あぐらをかくと膝が痛む原因として、変形性膝関節症や半月板損傷、鵞足炎などの可能性について解説しました。
あぐらは股関節を大きく外側へ開きながら膝を深く曲げる姿勢であり、膝関節には普段の歩行とは異なる負荷がかかることがあります。
また、股関節周辺の柔軟性の低下や姿勢の崩れが、膝への負担につながる場合もあります。
あぐらをかくたびに痛みが出る場合や、日常生活に支障が出ている場合は、無理をせず医療機関で状態を確認することが大切です。
整形外科で治療を続けても慢性的な膝の痛みが残る方や、手術以外の治療法を検討したい方は、関節内の炎症や痛みに対する治療選択肢の一つとして、再生医療について医師に相談してみるのも一つの方法です。

人工関節以外の新たな選択肢
「再生医療」
変形性膝関節症の方、慢性的なひざの
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