40代男性です。趣味で週に数回ランニングをしているのですが、走った後や階段を下りる時に右膝の痛みを感じるようになりました。2週間ほど前から症状が続いています。近所の整形外科を受診してレントゲンを撮りましたが骨に異常はなく、とりあえず湿布を処方されました。
今は痛い時に冷感湿布を貼って様子を見ていますが、なかなか痛みが引きません。来月マラソン大会を控えており、早く練習を再開したいと焦っています。ランニングによる膝の痛みには、冷感湿布と温感湿布のどちらを貼るのが効果的なのでしょうか?
レントゲンで骨に異常がなくても、半月板(膝のクッション)や軟骨のダメージはレントゲン画像には写らないため、自己判断で対処を続けるのはおすすめできません。
膝の痛みの応急処置と自己判断の限界
湿布はあくまで一時的に痛みを和らげるための対症療法であり、傷ついた組織自体を治すものではありません。特に軟骨や靭帯の細かな損傷はレントゲン検査だけでは見つけにくく、原因が分からないまま無理をして練習を再開すると、状態を悪化させる恐れがあります。少しでも不安を感じたら、まずは無料でんわ相談からお気軽にお問い合わせください。
考えられる痛みの原因
ランニングをよく行う方に多く見られる症状の一つに、ランナー膝(腸脛靭帯炎)があります。ランニングの繰り返しにより、太ももの外側にある靭帯と膝の骨がこすれて炎症を起こす状態で、階段を下りる際や走った後に痛みが出やすいという特徴があります。また、ランナーで見落とされやすい疾患として「鵞足炎」も挙げられます。
膝の内側下方にある鵞足部(縫工筋・薄筋・半腱様筋の腱が集まる部位)に過剰な負荷が繰り返しかかることで炎症が起こり、膝の内側の限局した痛みや階段昇降時の痛みが特徴とされます。レントゲンには映らないため気づかれにくい点に注意が必要です。
さらに、着地の衝撃によって膝のクッションである半月板が傷つくことも考えられます。40代になると組織の変性も進むため、比較的軽い負担でも損傷しやすくなります。長期間の負担によって膝の軟骨がすり減り、周辺組織を刺激して炎症を引き起こしている可能性もあります。
今すぐできる対処
まずはランニングを休止し、患部への負担を減らして膝を休ませることを最優先にしてください。痛みが強く熱を持っている急性期には、氷のうなどを使ったアイシングでしっかり冷やすのが基本です。
冷感湿布と温感湿布は、冷感湿布に冷たさを感じさせるメントール、温感湿布に皮膚刺激で熱を感じさせるトウガラシエキスなどが含まれており、成分によって区別されています。
湿布に含まれる水分量で貼ってすぐはどちらも冷たく感じますが、実のところ患部を冷やしたり温めたりする効能はほとんどないと言われています。
一般的に、患部が腫れて熱をもっている場合や、外傷・筋肉痛・ぎっくり腰など急性の痛みには冷感湿布が、慢性的な肩こり・腰痛・神経痛など長引く痛みには温感湿布がすすめられ、温感湿布は温感による血流の改善により関節や筋肉への鎮痛効果が期待できるとされています。湿布の貼り方のポイントとして、関節の動きを妨げないよう、膝のお皿を避けて周囲の痛む部分に貼ると剥がれにくくなります。
痛みのない範囲で太ももの前側の筋肉の軽いストレッチを行い、緊張をほぐしましょう。
受診の目安
膝に体重をかけられないほどの激痛、強い腫れや熱感がある、半月板や関節内の遊離体が間にはさまり、動きを妨げてしまい膝の曲げ伸ばしも出来なくなる「ロッキング」(単なる引っかかり感とは別物の強い症状)といったサインがあれば、早めの受診をおすすめします。湿布を貼って安静にしていても痛みが2週間以上引かない場合は、近日中の早めの受診をおすすめします。走るのをやめて数日で痛みが消え、日常生活に支障がない場合は、少しずつ様子を見ながら動かしてもよいでしょう。
検査で分かること・治療の選択肢
痛みが長引く場合、レントゲンでは確認が難しい半月板や軟骨、靭帯の状態をMRIで詳しく調べることが重要です。MRI検査により、痛みの原因や損傷の程度をより正確に把握することができます。近年では、ご自身の血液や皮下脂肪由来の成分を用い、入院や手術を伴わない再生医療(外来での関節内注射)という選択肢も増えてきており、膝の状態に応じた治療の幅が広がっています。当院では事前にMRI検査を行い、膝の状態をしっかりと確認し、適応を見極めたうえで治療をご提案しています。
次の一歩
大会が近いからと無理をすると、今後のランニングライフに支障をきたす可能性もあります。痛みが続く場合は、MRIや診察で膝の状態を把握し、原因に合った治療方針を検討することをおすすめします。当院は土日祝診療している院も多くありますので、スケジュールに合わせてご相談いただけます。
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