夜中に膝の裏がつって目が覚めた。
正座から立ち上がった瞬間に膝の裏がつっぱるように痛んだ
「疲れがたまっているだけだろう」「そのうち治るだろう」と様子を見ていませんか?
膝の裏がつる症状の多くは、筋肉の疲労や血行不良など一時的な要因によるものです。ただし、繰り返し起こる場合や強い痛みを伴う場合は、変形性膝関節症や神経の圧迫など、膝やその周辺の疾患が関わっていることもあります。
本記事では、膝の裏がつる主な症状や原因、見極めるポイント、自宅でできる対処法から治療法まで詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
膝の裏がつるとは?主な症状を解説
膝の裏がつるとは、太もも裏からふくらはぎにかけての筋肉が急にこわばり、つっぱるように痛む感覚を指します。ふくらはぎに起こるこむら返りに似た感覚が膝の裏に現れることもあれば、動作の瞬間にピリッとした痛みとして現れることもあります。
筋肉は本来、収縮と弛緩を繰り返しながら関節を動かしています。疲労や冷え、ミネラルバランスの乱れなどで神経の指令がうまく伝わらなくなると、筋肉が収縮したまま戻らなくなり、つっぱるような痛みとして現れると考えられています。
症状の現れ方には幅があります。数秒でおさまる軽いつっぱり感もあれば、しばらく脚を動かせないほど強い痙攣(けいれん)に至ることもあります。多くは一時的なものですが、繰り返し起こる場合は原因を見極めることが大切です。
膝の裏がつる症状は、特に次のようなタイミングで起こりやすい傾向があります。
- ・就寝中、寝返りを打った拍子に
- ・ウォーキングやランニングなど運動をした後
- ・正座や長時間座った姿勢から立ち上がるとき
なお、つっぱるような感覚ではなく、動作の瞬間に「ピキッ」とした鋭い痛みが膝に走る場合は、靭帯や半月板など組織そのものの損傷が疑われます。この場合はつる症状とは原因が異なるため、以下の記事もあわせてご確認ください。
膝の裏がつるときに考えられる原因
膝の裏がつる背景には、筋肉や血流に関わる一時的な要因が多く関わっています。ここでは、疾患とは直接関係のない生理的な原因を整理します。
原因①:筋肉の疲労・血行不良
長時間の立ち仕事や運動により、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)やふくらはぎの筋肉が疲労すると、血流が滞って膝裏がつりやすくなります。筋肉に疲労物質がたまった状態で急に動いたり伸ばしたりすると、収縮の指令が乱れやすくなるためです。
加齢による筋力低下も、疲労がたまりやすくなる一因と考えられています。運動習慣がない方が急に体を動かした場合も、同様の症状が起こりやすくなります。ウォーキングや軽いジョギングの前後に準備運動やクールダウンを取り入れることも、予防策として役立ちます。
原因②:水分・ミネラル不足
汗をかいたり水分補給が不足したりすると、筋肉の収縮に関わるナトリウムやカリウム、マグネシウムといったミネラルのバランスが崩れやすくなります。この状態が、就寝中の膝裏のつりにつながることがあります。
入浴後の発汗や、飲酒による利尿作用によって水分が失われやすく、症状が出やすくなります。日頃から水分とバランスの良い食事を意識することが予防につながります。
原因③:冷えや同じ姿勢の維持
体が冷えると血管が収縮し、筋肉への血流が悪くなります。デスクワークなどの長時間の座り姿勢で同じ体勢を続けることも血行不良を招き、膝の裏がつりやすい状態をつくります。特に冬場や冷房の効いた室内では、下半身が冷えていることに気づかないまま長時間過ごしてしまうケースも少なくありません。適度に体を動かし、血流を保つことが大切です。
膝裏がつる際に疑われる疾患と見極めるポイント
膝の裏がつる症状を繰り返す場合や、つっぱり感だけでなく腫れ・しびれ・強い痛みを伴う場合は、膝やその周辺の疾患が関わっていることがあります。ここでは代表的な疾患と、見分けるポイントを解説します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)は、膝の軟骨がすり減ることで炎症や痛みが起こる疾患です。正座や階段の昇り降りで膝の内側に違和感やこわばりを覚えることがあります。加齢や体重の負担、O脚などの影響で軟骨がすり減りやすくなると考えられており、中高年に多くみられる疾患です。長期間放置すると徐々に変形が進み、正座がしづらくなるなど日常動作への影響が大きくなることもあります。
▶膝軟骨の「すり減り」は変形性膝関節症【原因と治療法について】
半月板損傷
半月板損傷(はんげつばんそんしょう)は、膝のクッションの役割を果たす半月板が傷つく怪我です。スポーツ中にひねる動作をした後や、正座がしづらくなった場合に疑われます。膝の曲げ伸ばしで引っかかるような感覚(ロッキング)を伴うこともあり、加齢に伴い軟骨がもろくなることで、日常のちょっとした動作で傷つくケースもあります。
ベーカー嚢腫
ベーカー嚢腫(のうしゅ)は、膝の裏側に関節液がたまり、コブのように腫れる状態です。正座やしゃがみ込みの動作でつっぱるように感じやすく、触れるとやわらかい膨らみを確認できることがあります。
神経の圧迫(坐骨神経痛・腰部脊柱管狭窄症など)
腰から伸びる神経が圧迫されることで、腰や太もも、ふくらはぎにかけてしびれや突っ張り感が広がることがあります。坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)や腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)が代表的な原因です。長時間の歩行や立位で症状が強まりやすい場合は、膝そのものではなく神経の圧迫が関わっている可能性があります。
血管の異常(深部静脈血栓症・下肢静脈瘤など)
深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)は、通称「エコノミークラス症候群」とも呼ばれ、足の静脈に血のかたまり(血栓)ができる疾患です。片脚だけが急に腫れる、赤みや熱感を伴うといった変化がある場合は、筋肉や神経の問題とは異なる血管の病気が関わっていることがあります。血栓が飛んで肺の血管に詰まると命に関わることもあるため、急に強い腫れや痛み等の症状が現れた場合は、速やかに循環器内科等の医療機関を受診してください。また、下肢静脈瘤でも血流の滞りから、足がつりやすくなることがあります。
膝裏がつった際の対処法とセルフケア
膝の裏がつったときは、まず無理に動かさず、安静にすることが基本です。ここでは、その場でできる対処法と、再発を防ぐための生活習慣を紹介します。
その場でできる対処
膝の裏がつったときは、慌てずに膝を軽く伸ばした状態でしばらく安静にしましょう。筋肉の筋肉の緊張がやわらいできたら、太もも裏やふくらはぎを無理のない範囲でゆっくりストレッチすると、筋肉の緊張が和らぎやすくなります。あわせて、水分不足が原因として考えられる場合は、常温の水や経口補水液などで水分を補給しましょう。冷えが関係していると感じる場合は、蒸しタオルなどで軽く温めるのもよい方法です。
膝の痛みがある方向けのストレッチは、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
▶膝が痛い方にはストレッチがおすすめ!寝ながら・座りながらの簡単ストレッチ4選
再発を防ぐための生活習慣
再発を防ぐには、以下のような生活習慣が有効です。
- ・入浴やレッグウォーマーなどで下半身を冷やさないようにする
- ・こまめな水分補給とバランスの良い食事でミネラル不足を防ぐ
- ・長時間同じ姿勢が続く場合は、こまめに体勢を変えたり軽く歩いたりする
- ・ウォーキングなど無理のない範囲で筋力を維持する
生活習慣の見直しはすぐに効果が現れるものではありませんが、継続することで筋肉への負担を軽減し、膝裏がつりにくい状態を保つことにつながると考えられます。ただし、これらのセルフケアを行っても膝の裏のつりや痛みが繰り返す場合は、自己判断で様子を見続けず、医療機関の受診を検討しましょう。
すぐに受診が必要なサイン
膝の裏のつりやつっぱり感に、次のような症状が伴う場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
✅ 何度も繰り返し膝の裏がつる
✅ 安静にしていてもつっぱり感や痛みがおさまらない
✅ 膝の裏にしこりのような腫れを触れる
✅ 片脚だけが急に腫れる、赤みや熱っぽさがある
✅ 太ももやふくらはぎにしびれが広がる
疾患が原因で膝がつっている場合の治療法
変形性膝関節症など、膝関節そのものに原因がある場合は、症状の程度に応じた治療が必要です。ここでは代表的な治療法を紹介します。
保存療法
保存療法では、痛みや炎症を抑えるための薬物療法や、ヒアルロン酸注射、筋力トレーニングを中心とした運動療法などが行われます。運動療法や体重管理は、多くのガイドラインで推奨されている有効な方法とされており、症状の程度によっては、保存療法によって痛みの軽減や日常生活の改善が期待できる場合があります。日常生活で膝への負担を減らす工夫と併せて取り組むことが大切です。
手術療法
保存療法で症状の改善が難しい場合は、骨切り術や人工膝関節置換術といった手術療法が検討されることがあります。骨切り術や人工膝関節置換術は、関節の状態に応じて膝の機能改善を目的に行われる治療法です。一方で、入院や数か月にわたるリハビリが必要になる場合があり、身体への負担も考慮する必要があります。仕事や家庭の都合で長期間の入院が難しい方にとっては、踏み切りにくい選択肢と感じられることもあるでしょう。
再生医療
「手術はできるだけ避けたい」「保存療法だけでは改善が難しい」——このような方に、選択肢のひとつとして検討される治療法が再生医療です。自分自身の血液や細胞の力を活用し、炎症の抑制や組織の修復を促すもので、日帰りで治療が完結します。
保存療法・手術療法・再生医療には、それぞれ目的や体への負担、入院の要否に違いがあります。ご自身に合った方法を考えるための整理として、3つの治療法の特徴を比較表にまとめました。
治療選択肢比較表
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| 治療法 | 主な目的・内容 | メリット | デメリット | 入院の有無 |
|---|---|---|---|---|
| 保存療法 | 痛みや炎症を抑える(対症療法が中心) | 手術をせず手軽に始められる。 | 根本的な改善につながらないことがあり、痛みがぶり返すケースもある。 | 不要 |
| 手術療法 | 傷んだ関節の構造的な修復・矯正 | 重症例で根本的な改善が期待できる場合がある。 | 入院や数か月単位のリハビリが必要で、体への負担が大きい。 | 必要 |
| 再生医療 | 炎症の抑制・組織の修復を促す | 日帰りで治療が完結し、ご自身の血液や細胞を用いるため拒絶反応のリスクが低いとされる。 | 自由診療のため費用は医療機関により異なる。 | 不要 |
当院では、自己の血液を用いたPRP-FD(PFC-FD™)治療や、培養幹細胞治療をご提案しています。 ご自身にあっている治療法かわからない場合や、各治療法について詳しく聞きたい場合は、ぜひ当院の無料電話相談をご活用ください。

まとめ|膝の裏がつるときは原因の見極めが大切
膝の裏がつる症状の多くは、筋肉の疲労や血行不良、水分・ミネラル不足など一時的な要因によるものです。安静とセルフケアで改善することも少なくありません。
一方で、繰り返しつる場合や、腫れ・しびれ・強い痛みを伴う場合は、変形性膝関節症や神経の圧迫といった疾患が関わっていることもあります。原因がわからないまま我流の対処を続けていると、かえって回復が遅れてしまうこともあります。諦める必要はありません。まずはご自身の膝の状態を正確に知ることが、適切な対処への第一歩です。
当院では、待ち時間なく膝の詳細な状態がわかる「MRIひざ即日診断」を実施しております。膝の痛みが気になる方は、お気軽にご相談ください。

人工関節以外の新たな選択肢
「再生医療」
変形性膝関節症の方、慢性的なひざの
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