ひざ痛治療のコラム

変形性膝関節症の最新治療 ~再生医療で膝の痛みを改善

変形性膝関節症の最新治療

公開日:
更新日:2022.01.24

膝痛の原因の多くを占める疾患と言われる、変形性膝関節症。国内の潜在的な患者数は約3,000万人と推定されています。治療は保存療法が中心となりますが、症状が進行すると効果が出にくくなり、最終的には手術が必要となっていました。
「できれば手術は避けたい…」「長期の入院やリハビリは不安…」
そんな方に知っていただきたいのが、変形性膝関節症の最新治療である「再生医療」です。今回は再生医療の種類や効果などについて、動画もまじえて詳しく解説します。

情報提供医師

武藤 真隆 医師

武藤 真隆 医師(名古屋ひざ関節症クリニック 院長)

日本整形外科学会認定 専門医

従来の治療法とその問題点

変形性膝関節症は、適切に対処しなければ症状が進行していきます。まず病院で行われるのが、進行の予防を目的とした保存療法です。保存療法とは、「手術ではない治療法」という意味で、鎮痛薬の服用やヒアルロン酸注射、運動、サポーターの着用などが行われます。
保存療法を継続しても症状の改善が見られない場合や、膝関節の変形が進行して痛みに効かなくなってしまった場合に行うのが手術療法です。関節鏡視下手術や骨切り術、人工膝関節置換術が選択肢となります。

従来の治療法では、変形性膝関節症が進行すると、人工膝関節置換術しか治療の手段はないとされていました。人工膝関節置換術は大きな手術のため、体に負担がかかり、入院やリハビリも必要になります。上記のような理由から、年齢的に手術が受けられない、手術を受けようか迷っているという方も少なくなく、このような方々に対しては、手術以外の有効な治療法がないという問題点がありました。

変形性膝関節症の進行と従来治療

変形性膝関節症の最新治療【動画で解説】

そんな状況を変えたのが、保存療法と手術療法のあいだを埋める最新治療「再生医療」です。再生医療とは、失った臓器や組織の再生を目指して研究されている医療分野です。変形性膝関節症に対しては、脂肪や血液を活用する再生医療が注目されており、症状の進行を遅らせる効果が期待されています。
手術療法との大きな違いは、治療が注射で行えるということ。そのため入院は不要、日帰りで体にも低負担な治療を受けていただけます。再生医療が登場したことで、手術が受けられない、手術を迷っている、という方に向けても手術以外の効果的な選択肢の提供が可能になりました。

変形性膝関節症の進行と再生医療

ここからは、再生医療の種類について解説していきます。
ひざの再生医療の解説動画も、ぜひ併せてご覧ください。

自己血液を使うPRP療法

血液中には血小板(けっしょうばん)という成分があり、傷を修復する役割を担っています。この血小板の力に目をつけたのがPRP療法。血液から血小板を豊富に含むPRP(多血小板血漿;たけっしょうばんけっしょう)を抽出し膝へ投与する治療法です。

血小板からは、組織の修復を促す物質(=成長因子)が複数分泌されており、その作用によって膝の損傷した部分の修復や痛みの緩和が期待できます[1]。また、自分の血液成分なので、拒絶反応やアレルギー反応などのリスクが少ないことも特長です。

PRPに含まれる成長因子とその働き

PRPをさらに濃縮したPRP-FD注射

自然治癒の作用を持つ血小板が濃縮されたPRP(多血小板血漿)をさらに高濃度に加工したのがPRP-FDです。傷の修復に働く成長因子が、一般的なPRP療法の2倍以上含まれており、さらなる効果が期待できます[2]

PRP-FDはその治療効果が認められ、最近ではサッカーJリーグの一部チームで、選手のケガに応じたメディカルバックアップとしても採用されています。

PRPとPRP-FDの違い

自己脂肪を使う幹細胞(ASC)治療

腹部などから採取した脂肪を遠心分離にかけ、得られた間質血管細胞群(SVF)という細胞に含まれる、脂肪幹細胞(ASC)を膝の関節に注入する方法です。脂肪幹細胞には、抗炎症や鎮痛の作用が認められています[3]

また、ヒアルロン酸注射のように一時的な効果ではなく、長期的に膝の痛みが改善したという報告もあります[4]

幹細胞(ASC)治療

幹細胞を増やす培養幹細胞治療

幹細胞をたくさん注入するために多くの脂肪を採取してしまうと、そのぶん身体への負担が増えてしまいます。少量の脂肪採取で、より多くの幹細胞注入を可能にしたのが、培養幹細胞治療です。脂肪から幹細胞を取り出すところまでは脂肪幹細胞治療(ASC)と同様ですが、その後に幹細胞を培養することで、同じ脂肪量でもより多くの幹細胞注入をすることが可能となりました。

幹細胞治療と培養幹細胞治療の比較

治療成績【動画で検証】

手術なしで膝の痛み改善が期待できると言っても、本当に治療効果があるのかはみなさん気になるところだと思います。ここでは、整形外科の専門誌『関節外科』2020年9月号に掲載された、当院の臨床結果報告をご紹介します。最新治療の中でもPRP-FD注射と培養幹細胞治療の臨床報告です。
グラフは治療前後のひざの状態をKOOS(クース)※の数値でまとめたものです。数値が高いほど、ひざの状態が良好であることを示します。

PRP-FD注射と培養幹細胞治療はともに、ひざの痛み緩和や機能改善において、有効だったとする結果になりました[5]

治療前後の歩行動画を見ていただくと、その効果がよくわかると思います。
こちらも併せてご覧ください。

※KOOS(クース):42の項目で構成される質問票から、症状、膝の痛み、日常生活動作、運動機能、生活の質という5つの項目について点数をつけて評価する、世界的に用いられる評価基準のこと。それぞれ数値が高いほど良好な状態であることを示す。

PRP-FD注射の治療成績

【対象】

2016年8月以降、変形性膝関節症と診断された患者で、保存療法の効果がなく、
注射後12カ月の経過フォローができた306膝(男性89膝、女性217膝)

【平均治療年齢】

66.6歳(30~91歳)

培養幹細胞治療の治療成績

【対象】

2017年5月以降、変形性膝関節症と診断された患者で、保存療法の効果がなく、
注射後12カ月の経過フォローができた107膝(男性33膝、女性74膝)

【平均治療年齢】

67.2歳(44~92歳)

まとめ:最新治療で痛みのない生活を

現在では、地方の病院でも再生医療を受けられるようになってきており、再生医療を提供するクリニックは年々拡大しています[6]

当院も北海道から九州まで、全国11院(2021年11月時点)で再生医療を提供しております。
一般的な治療と比べると、再生医療は自由診療ということもあり、費用はいずれも高額です。しかし、膝を切開したり、入院したりする必要なく膝の痛みを改善できることは、大きなメリットと言えるでしょう。
変形性膝関節症の治療をしているけど効果が出ず、膝の痛みに困っているという方、手術を勧められたけどなかなか決断ができないという方は、ぜひ一度当院へご相談ください。

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