左膝にだけ痛みや違和感があると、「なぜ左膝だけ?」と不安になりますよね。
はっきりしたケガの記憶がなくても、日常の癖や体の使い方の偏りで片側の膝に負担が集中し痛みが出ることもあります。
今回は、左膝だけ痛む原因や痛む場所ごとに考えられる病気、病院へ行くべきサインなどをわかりやすく解説します。自分でできる左膝の痛みへの対処法も紹介しているので、自身の症状と当てはめながらご覧ください。
目次
左膝だけ痛いのはなぜ?
左膝にだけ痛みが出る場合、左側の膝関節に以下のような要因が集中している可能性があります。
- ・体に歪みがあり重心が偏っている
- ・スポーツで負担が強くかかっている
- ・過去にケガをした経験がある
過去の負担や体の使い方の癖が左側に集中していると、左膝では軟骨の摩耗や炎症が進んでいる場合があります。原因を把握するには、痛みが出る部位や痛みが出やすい動作、痛みのタイミングなどを確認しましょう。
必要に応じてMRI検査で関節内部の状態を確認すると、原因をより正確に特定できます。
痛む場所から分かる左膝の病気チェック
左膝のどの場所が痛むかによって、考えられる原因や疾患が異なります。それぞれの痛み方に多い病気をチェックしてみましょう。
| 左膝の内側の痛み | ・内側半月板損傷 ・内側側副靭帯損傷 ・変形性膝関節症 ・鵞足炎(がそくえん) |
|---|---|
| 左膝の外側の痛み | ・外側半月板損傷 ・外側側副靭帯損傷 ・腸脛靭帯炎(ランナー膝) |
| 膝のお皿周辺の痛み | ・膝蓋大腿痛症候群 ・膝蓋腱炎 ・脂肪体炎 |
| 膝を曲げる時の痛み | ・半月板損傷 ・変形性膝関節症 ・ベーカー嚢腫 |
| 膝を伸ばす時の痛み | ・膝蓋下脂肪体炎症 ・膝蓋腱炎(ジャンパー膝) ・大腿四頭筋腱炎 ・変形性膝関節症 |
左膝の内側の痛み
左膝の内側が痛む場合、膝関節の内側部分に負担がかかっている状態が考えられます。代表的なのは内側半月板の損傷です。
膝をひねったり急に方向転換したりした際に内側半月板を傷めると、膝の内側に鋭い痛みや引っかかる感じが生じます。
また内側側副靱帯の損傷も内側の痛みの原因です。
スポーツなどで膝を内側にひねる外力が加わったときに起こりやすく、内側の靭帯に部分断裂が生じると歩行時や膝を曲げる動作で内側が痛みます。
中高年の方であれば、変形性膝関節症による痛みも少なくありません。
加齢や長年の酷使で膝の内側軟骨がすり減ると、歩行や立ち上がりで内側が痛み、進行すると安静時にも痛むようになります。
さらに膝の少し下の内側にある鵞足(がそく)部の炎症(鵞足滑液包炎)でも、膝の内側下に押すと痛む箇所が生じます。
関連記事:膝の内側が痛いのはなぜ?原因となる鵞足炎や変形性膝関節症を解説
左膝の外側の痛み
左膝の外側が痛む場合、外側半月板や外側側副靭帯の損傷が考えられます。
外側半月板損傷は、内側に比べて検査しないと気づきにくい場合もありますが、痛みや引っかかる感じ、可動域制限などの症状が報告されています。
外側側副靱帯の損傷とは、膝の外側を強打したり内側に押し込まれたりするような外力で起こり、外側の痛みと不安定感が生じやすいです。
一方、スポーツ障害で多いのが腸脛靭帯炎(ランナー膝)です。
腸脛靭帯炎では、太もも外側の腸脛靭帯が膝の外側で擦れて炎症を起こし、走った後や階段の下りで膝外側に痛みが出ます。
特に長距離ランナーや自転車競技者に多くみられる障害で、膝外側の痛みの原因としてよくみられます。
関連記事:半月板損傷の症状とは?痛みの原因や治療法について解説
膝のお皿周辺の痛み
膝のお皿(膝蓋骨)周辺が痛むケースには、膝蓋大腿痛症候群(しつがいだいたいつうしょうこうぐん)が考えられます。
特に40歳未満の世代やスポーツをしている方に多い障害で、膝の構造に異常がなくてもお皿と大腿骨の間で摩擦や炎症が生じて痛みます。
また、お皿の下にある膝蓋腱に炎症や障害が生じる膝蓋腱炎(ジャンパー膝) も少なくありません。
ジャンプの着地や階段を降りる動作、しゃがみ込みなどでお皿の下に鋭い痛みが特徴で、同じ場所を押すと圧痛がみられます。
さらに、お皿下にある脂肪組織が挟み込まれる脂肪体炎も前膝に痛みが出る原因です。膝蓋下脂肪体と呼ばれる組織に炎症が起こると、膝の曲げ伸ばしに伴って痛みを感じやすくなります。
関連記事:膝の皿の上が痛い原因は?セルフケアや治療法を全解説
膝を曲げる時の痛み
膝内部の半月板に損傷があると、膝を深く曲げたときに引っかかり感とともに痛みが生じることがあります。
半月板損傷では、膝の曲げ伸ばしの途中で「コリッ」と何かが引っかかるような症状(ロッキング)が現れ、最後まで曲げきれなくなるのが特徴です。
また、中高年に多い変形性膝関節症では、正座や深く膝を曲げる動作が困難になることがあります。
初期の段階では動作開始時のみ痛みがあり、休めば治まります。
しかし、変形が進行すると正座や階段昇降など、膝を大きく曲げる動作で強い痛みが出やすくなります。
さらに、膝裏の滑液包に関節液が溜まるベーカー嚢腫でも、膝を深く曲げた際に膝裏の張り感や圧迫感、痛みなどが生じやすいです。
嚢腫が大きくなると、膝裏が突っ張るような違和感が出たり、膝を曲げにくくなったりする場合もあります。
膝を伸ばす時の痛み
膝を伸ばす場面で痛みが出る原因のひとつに、膝蓋下脂肪体の炎症があります。膝蓋下脂肪体は膝のお皿の下にある脂肪組織で、膝のクッションが主な役割です。この部分が繰り返しの刺激や外傷によって炎症を起こすと、膝を伸ばしきる動作の際に脂肪体が骨に挟まれ、痛みが生じやすくなります。
また、膝を伸ばす動作に関与する大腿四頭筋腱や膝蓋腱の炎症も痛みの原因です。ジャンプの着地や急なダッシュで、膝のお皿周辺に負担がかかった際に大腿四頭筋腱炎や、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)を起こします。
さらに、変形性膝関節症が進行すると膝がまっすぐ伸びにくくなり、無理に伸ばそうとすると痛みが出ることがあります。膝の痛みが続く場合は、無理に力を入れず休息を取り、必要に応じて整形外科で診断を受けましょう。
左膝が痛いとき病院へ行くべき危険なサイン
左膝の痛みの中には、早めに医療機関で診てもらった方が良いサインが含まれていることもあります。
次のような症状がみられる場合は、我慢せず整形外科などの医療機関を受診し、必要に応じてMRI検査などの精密検査を受けることが大切です。
- ・安静にしていても痛みがある
- ・腫脹や熱感が続く
- ・歩く時に痛みがある
痛みの原因をはっきりさせることで、今後どのように対処すればよいのかが明確になります。「この程度で受診していいのかな?」と迷う場合でも、まずは無料でんわ相談をご利用ください。
安静にしていても痛みがある
何もせず安静にしている状態でも膝がズキズキ痛む場合、関節の炎症や軟骨の損傷に注意が必要です。一般的に、変形性膝関節症の痛みは動作時に強く現れ、初期の段階では休むと治まることが多いとされています。
しかし、病状が進行すると、安静にしていても痛みが引かなくなることがあります。
また、関節リウマチなど炎症性疾患や、骨壊死(大腿骨内顆骨壊死)のように骨への血流障害が起きる疾患でも安静時に激しい痛みが持続します。
特に、夜間や横になって休んでいるときにも膝がズキズキ痛む場合は注意が必要です。
腫脹や熱感が続く
左膝が腫れていたり、触ってみて熱を持っていたりする状態が続く場合、関節に炎症が起きているサインかもしれません。
転倒などのはっきりとしたケガがないにもかかわらず、膝関節が腫れて熱感を伴う場合は、化膿性関節炎(細菌感染による関節炎)の可能性もあるでしょう。
また、明らかな熱感はなくとも膝の腫れ(関節水腫)が長引く場合も、関節内部で出血や滑膜炎(関節を包む膜の炎症)が続いている可能性があります。
関節水腫を繰り返すと、軟骨への負担が増し、症状が悪化する悪循環に陥りやすくなります。膝に何度も水が溜まる、腫れが長引くといった場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と処置を受けることが望ましいです。
歩く時に痛みがある
歩行時に膝が痛み、普通に歩けないほどの場合も受診のサインです。
膝は体重を支える重要な関節なので、歩けないほどの痛みや跛行(かばって引きずるような歩き方)がみられたりする場合は、症状が進行している可能性があります。
変形性膝関節症が悪化すると、軟骨のすり減りで関節の変形が進み、歩行や階段昇降など日常動作が困難になることがあります。また、痛みを避けるために無意識にかばって歩いていると、反対の足や腰にも負担がかかり二次的な障害を招きかねません。
歩くときの痛みが続く、あるいは悪化している場合は、我慢せず整形外科を受診し、必要な治療や装具の相談をしましょう。
自分でできる左膝の痛みへの対処法
軽度の左膝痛であれば、日常生活の中でできるセルフケアによって症状を和らげられる場合があります。
ここでは、自分でできる以下の膝痛の対処法を紹介します。
- ・腫れている場合は冷やす
- ・ストレッチ・マッサージをする
- ・サポーターを使用する
ただし自己ケアを行っても改善しない場合や痛みが強くなる場合は、無理をせず医師の診察を受けましょう。
腫れている場合は冷やす
痛みとともに膝に腫れがある場合は、冷やす処置(アイシング)が有効です。氷や冷却パックで膝周辺を冷やすと、血管が収縮して炎症による腫れと痛みを抑える効果があります。
応急処置としては、ビニール袋に氷を入れてタオルで包んだ即席の氷嚢を痛む箇所に当て、1回15〜20分程度冷却しましょう。痛みが強い初期は1〜2時間おきに繰り返すと効果的です。
ただし長時間の冷やしすぎは凍傷を起こす恐れがあるため、感覚が鈍くなるほど冷やし続けないように注意しましょう。
ストレッチ・マッサージをする
痛みが和らいできたら、膝周りのストレッチや軽いマッサージも有効です。膝関節を支える太ももの前後の筋肉(大腿四頭筋やハムストリングス)をゆっくり伸ばすストレッチは、関節の可動域を広げて血流を改善し、膝のこわばり感を軽減できます。
また、太ももやふくらはぎを手で軽くマッサージすると筋肉の緊張がほぐれて膝への負担を和らげる助けになります。膝の痛み予防・改善には大腿四頭筋の筋力強化が重要であることが医学的にも示されており、痛みのない範囲で膝周りの筋トレを行うことは再発予防にも効果的です。
例えば椅子に座った状態で足を前方にまっすぐ伸ばし、太ももの前側に力を入れて数秒キープするといった簡単な運動でも膝周囲の筋力維持に役立ちます。マッサージやストレッチの際は、痛みが悪化しないよう無理のない範囲で行いましょう。
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サポーターを使用する
膝痛の対策として、市販の膝サポーターや医療用膝装具を活用するのもひとつの方法です。サポーターは膝関節を適度に圧迫し支えることで、膝のグラつきを抑えて痛みを軽減する効果があります。
実際、膝の装具(ブレース)は関節にかかる過度な負荷を和らげ、痛みや機能障害を改善することが報告されています。
当院では、ひざ関節専門医が監修したオリジナルの「ひざサポーター」の提供を行っています。診察時に医師が症状を確認したうえで、必要と判断した場合にご案内しています。
関連記事:ひざ関節症クリニック医師監修のひざサポーターが提供開始されました
なお、ドラッグストアでもサポーターは手軽に購入できますが、自分の症状に合ったタイプを選ぶことが大切です。
なお、強い圧迫力のあるものは長時間装着すると血行不良を招く恐れがあるため、適度な締め付けで痛みが楽になるものを選びましょう。
必要に応じて医師や理学療法士に相談に相談しながら、自分の左膝の症状に合ったサポーターを取り入れてみてください。
よくある質問
なぜ左膝だけ痛むの?
左膝だけ痛い場合、なんらかの理由で左膝により強い負担や障害が集中していると考えられます。
例えば利き脚として日常的によく使う側の膝だけ軟骨が擦り減っていたり、過去の足や膝のケガがあったりすると、後遺症で左膝だけ変形が進んでいるケースもあります。
また、姿勢の癖や体の歪みにより片方の膝に負担がかかり続けることも原因のひとつです。
左右どちらか一方だけの痛みであっても、「そのうち治るだろう」と放置せず、検査を受けて原因を突き止めることが大切です。
湿布や痛み止めは使ってもいいですか?
湿布や痛み止めで痛みを和らげること自体は、基本的に問題ありません。膝の痛みに対しては、消炎鎮痛成分が含まれた湿布や、飲み薬の痛み止めが、痛みや炎症を抑える目的で用いられることがあります。
実際に、症状が軽い変形性膝関節症の治療では、痛み止めの内服薬や外用薬(湿布)を使いながら経過をみるケースも少なくありません。
ただし、湿布や鎮痛剤は対症療法であり、痛みを一時的に和らげるための方法です。
そのため、長期間にわたって毎日のように痛み止めが必要な状態が続く場合は、原因を確認するためにも医療機関で診断を受けましょう。
日常生活で気をつけることは?
膝への負担を減らし痛みを予防するには、日常生活で以下の点に気をつけましょう。
・太ももの筋肉を鍛える
・膝に負担のかかる姿勢を避ける
・適正体重を意識する
・クーラーの冷風などで膝を冷やしすぎない
・深く膝を曲げる動作を繰り返さない
これらを日常的に意識することで左膝への負担を減らし、痛みの予防や症状軽減につながります。痛みがない時期でも日常のケアを続けることが大切です。
左膝が痛いときは無理をせずに病院へ受診しよう
左膝の痛みが続く場合や、少しでも異変を感じたら、我慢しすぎず専門の医療機関を受診しましょう。整形外科ではレントゲンやMRIなどで膝関節の状態を詳しく調べ、痛みの原因を特定してくれます。
当院はひざ専門医による、MRI診断が可能です。そのうえで、症状や生活状況を丁寧に伺いながら、時間をかけて膝の状態を総合的に診察します。
片膝の痛みを抱えたまま無理をして悪化させてしまう前に、専門医による診断とアドバイスを受け、最適な対処法で痛みの改善を目指しましょう。
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