何もしていないのに膝がズキズキ痛む。夜になると膝の奥がうずいて眠れない。こうした拍動するような痛みに不安を感じていませんか。
ズキズキとした膝の痛みは、年齢や体質を問わず起こります。原因は一つではなく、軟骨のすり減りから神経の障害まで、痛みの出方によって疑われる病気が変わってきます。だからこそ、痛みの質やタイミングから手がかりをつかむことが大切です。
この記事では、膝がズキズキ痛む主な原因を症状の特徴から整理し、自宅でできる対処法から、手術を避けたい方に向けた治療の選択肢までをわかりやすく解説します。
目次
膝がズキズキ痛む原因は?症状から見分ける
膝がズキズキと痛むとき、その背景にはいくつかの原因が考えられます。痛みが出る場面や痛み方によって、疑われる病気の傾向が変わります。
- ・動き始めにうずく
- ・ひねった後に痛む
- ・運動で繰り返し痛む
- ・安静にしていてもうずく
- ・急な激痛と腫れを伴う
- ・しびれを伴う
ここからは、それぞれの痛み方の特徴と、考えられる原因を順に見ていきます。当てはまる項目が多いものから確認すると、見当をつけやすくなります。
動き始めにズキズキとうずく|変形性膝関節症
歩き始めや立ち上がりにズキッとうずき、動いているうちに落ち着く。こうした痛み方は、変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)でよく見られる傾向があります。
変形性膝関節症は、加齢や負担の蓄積で膝の軟骨がすり減り、関節に炎症が起きて痛む疾患です。初期は動き始めの違和感程度ですが、進行すると階段の下りや安静時にもうずくようになるとされています。日本人はO脚傾向の方が多く、膝の内側に痛みが出やすい点も特徴です。
ズキズキとした拍動性の痛みは、関節内で炎症が強まっているときに感じやすくなります。痛みをかばって動かさずにいると筋力が落ち、かえって膝への負担が増えることもあります。早めに状態を確認し、進行の段階に合った対処を選ぶことが大切です。
変形性膝関節症の治療や向き合い方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
ひねった後にズキズキ痛む|半月板損傷
スポーツや日常動作で膝をひねった後にズキズキ痛む場合は、半月板損傷(はんげつばんそんしょう)が疑われます。
半月板は、太ももの骨とすねの骨の間にあるC字形の軟骨で、膝のクッションの役割を担います。若い世代ではスポーツでのひねりが原因になりやすい部分です。中高年では加齢で半月板が変性し、しゃがむ動作などでも傷つくことがあります。曲げ伸ばしで鋭い痛みが走ったり、引っかかり感やロッキング(膝が急に動かせなくなる症状)を伴ったりするのが特徴です。
損傷した部位や程度によっては、動かすたびにズキッと痛みが繰り返されることもあります。放置すると軟骨を傷める一因になることもあるため、引っかかり感が続くときは早めに整形外科を受診しましょう。
運動で繰り返し痛む|腸脛靭帯炎
ランニングなどの運動で膝の外側がズキズキと繰り返し痛むときは、腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)が考えられます。別名ランナー膝とも呼ばれます。
腸脛靭帯は、太ももの外側を膝の下まで走る丈夫な組織です。膝の曲げ伸ばしを繰り返すと、靭帯と骨がこすれて炎症が起こります。練習量を急に増やした方や、硬い路面を長く走る方に多く見られます。走り始めに痛み、休むと落ち着くことが多いとされていますが、悪化すると歩行時にも痛むようになります。
下り坂やスピードを上げたときに痛みが強まるのも、腸脛靭帯炎の特徴とされています。痛みを我慢して運動を続けると炎症が長引きやすいため、痛みが出た時期はいったん運動量を見直すことが回復への近道です。
膝の内側下方が痛む場合は、鵞足炎(がそくえん)という別の炎症のこともあります。
安静時もズキズキとうずく|関節リウマチ
動いていないときにも膝がズキズキとうずき、朝に強くこわばる場合は、関節リウマチが疑われます。
関節リウマチは、免疫の異常で自分の関節を攻撃し、炎症や腫れ、痛みを起こす病気です。膝だけでなく手足の指など複数の関節に、左右対称に症状が出やすい点が特徴です。起床時に30分以上続くこわばりを伴うこともよく見られます。膝以外の関節にも同じような症状があるときは、整形外科や内科を受診しましょう。
急な激痛と腫れ|痛風・偽痛風
ある日突然、膝が赤く腫れて激しくズキズキ痛む場合は、痛風や偽痛風(ぎつうふう)が考えられます。
痛風は、体内で尿酸が過剰になり、関節で結晶化して急な激痛を引き起こす病気です。アルコールや高カロリーな食事が多い方に起こりやすい傾向があります。偽痛風は、ピロリン酸カルシウムという別の結晶が関節にたまって炎症を起こすもので、高齢の方の膝に多く見られます。どちらも発作的に強い痛みと腫れ、熱感を伴います。歩けないほど痛むときは、無理に動かさず早めに医療機関を受診してください。
これらは尿酸値を下げる薬での治療が必要になることもあり、整形外科だけでなく内科とも関わる病気です。繰り返す膝のズキズキした激痛がある場合は、食事やお酒など生活習慣もあわせて見直すことが、再発の予防につながります。
しびれを伴う|坐骨神経痛
膝のズキズキした痛みにしびれが混じる場合は、坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)が関係していることがあります。
坐骨神経痛は、腰から足にかけて伸びる神経が圧迫され、痛みやしびれが出る状態です。原因が膝そのものではなく、腰にあることも少なくありません。膝から下にかけてビリビリと走る痛みや、感覚の鈍さを伴うのが特徴です。膝の検査で異常が見つからないときは、腰からの神経の影響も考えて調べる必要があります。
椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)が背景にあることもあります。膝のズキズキした痛みにしびれや力の入りにくさが混じるときは、膝だけを見ていても原因にたどり着けないことがあります。症状を医師に伝え、腰を含めて調べてもらうとよいでしょう。
膝がズキズキ痛むときの対処法と受診の目安
膝がズキズキ痛むときは、まず痛みの強さや腫れの有無を確認し、状況に応じて対処することが大切です。ここでは、自宅でできる応急処置と日常のセルフケア、受診の目安を整理します。
自宅でできる応急処置とセルフケア
膝に強い痛みや腫れ、熱感があるときは、炎症が起きている可能性があります。この段階では、まず安静と冷却を心がけてください。
- ・痛む動作を避けて膝を休める
- ・腫れや熱感があるときは氷嚢(ひょうのう)等などで冷やす
- ・包帯やサポーターで軽く圧迫して安静を保つ
膝の痛みやこわばりを和らげるセルフケアには、次のような方法があります。痛みの段階や状態に合わせて取り入れてみてください。
- ・冷却:腫れや熱感があるときは氷嚢などで冷やし、炎症の広がりを抑える
- ・温熱:こわばりが中心のときは蒸しタオルや入浴で温め、血行を促す
- ・テーピング:テーピングやサポーターで膝を支え、日常動作の負担を減らす
- ・体重管理:適正体重を保ち、膝にかかる負担をできるだけ軽くする
冷却と温熱は、急性の炎症があるか、慢性的なこわばりかで使い分けるのが基本です。膝に水がたまったように感じる場合や、応急処置を続けても痛みが引かない場合も、自己判断で放置せず、医療機関を受診することをおすすめします。
すぐ受診したい危険なサイン
次のような症状があるときは、無理をせず早めに整形外科を受診してください。膝の痛みで受診すべきか迷ったときの目安になります。
✅ 体重をかけられず、歩くのがつらいほど痛む
✅ 強い腫れ・熱感・赤みがある
✅ 膝が伸びない、引っかかってロックする
✅ 安静にしていてもうずき、夜に痛くて眠れない
✅ しびれを伴う、痛みが急に強くなってきた
こうした症状があるときは、自己判断で様子をうかがわず、早めに整形外科を受診してください。原因を正しく見極めたうえで、適切な対処につなげることが大切です。
膝の痛みは何科を受診するか
膝がズキズキ痛むとき、まず受診するのは整形外科が基本です。半月板や靭帯、関節内の炎症など、膝の痛みは原因が幅広いため、診察と必要に応じた検査で原因を切り分けることが改善への近道になります。
ただし、痛風が疑われる場合は内科、しびれが強く腰が原因と考えられる場合は脊椎を扱う診療科が適していることもあります。どの科に行けばよいか迷うときも、まずは整形外科で相談し、必要に応じて適した科を紹介してもらうとよいでしょう。
慢性的に膝がズキズキ痛むものの、何が原因か分からず不安を感じる方は少なくありません。「まずは相談だけでも」という方に向けて、無料電話相談をご用意しています。気になる症状や受診の目安について、お気軽にお問い合わせください。

膝のズキズキとした痛みに対する治療法
痛みの原因がわかったら、症状や原因に応じて治療法を検討します。ここでは、変形性膝関節症など、関節の炎症や摩耗による膝の痛みを中心に、主な治療法をご紹介します。なお、痛風や坐骨神経痛など別の病気が原因の場合は、それぞれの病気に応じた治療が必要です。
変形性膝関節症では、まず保存療法から始めるのが一般的です。一方で、痛み止めやヒアルロン酸注射などの保存療法で十分な改善が得られず、手術は避けたいと考える方も少なくありません。
保存療法(薬・注射・リハビリ)
保存療法は、薬や注射、リハビリで痛みや炎症を抑える治療です。多くの膝の痛みで、まず選ばれる基本的な方法になります。
痛みや炎症には内服薬や湿布を用い、膝の動きを滑らかにするためにヒアルロン酸注射を行うこともあります。あわせて、太ももの筋肉を鍛える運動療法や、体重管理に取り組みます。運動療法や体重管理は、診療ガイドラインでも推奨される有効な基本治療です。膝を支える筋力を保つことは、痛みの予防や再発の抑制にも役立つと考えられています。
一方で、保存療法は痛みをやわらげる対症療法が中心となります。そのため進行した状態では十分な改善が得られにくいこともあります。それでも、多くの膝の痛みでまず取り組む価値のある基本的な治療です。どの方法が合うかは、症状や生活に応じて医師と相談しながら選んでいくことになります。
改善しない場合の手術療法
保存療法で痛みをコントロールできない場合や、関節の傷みが進行している場合には、手術が検討されます。
代表的なものに、すねの骨の角度を整える骨切り術と、傷んだ関節を人工関節に置き換える人工膝関節置換術があります。関節の状態によっては根本的な改善が期待できる場合があります。ただし、いずれもメスを入れる手術であり、入院と数か月単位のリハビリが必要です。仕事や家事を長く休む必要があるため、体への負担は小さくありません。
再生医療という選択肢
手術はできるだけ避けたい。保存療法だけでは改善が難しい。このような方に、選択肢の一つとして検討されるのが再生医療です。
再生医療は、関節内で起きている炎症やダメージに伴う痛みの改善を目的に、膝の関節へ直接注射を行う治療です。ご自身の血液や細胞の力を活用し、炎症の抑制や組織の修復を促すもので、日帰りで治療が完結します。
3つの治療法には、目的や体への負担、入院の要否に違いがあります。整理のために特徴を比較表にまとめました。
治療選択肢の比較表 ※スクロールできます
| 治療法 | 主な目的・内容 | メリット | デメリット | 入院の有無 |
|---|---|---|---|---|
| 保存療法 (理学療法・薬・ヒアルロン酸注射など) | 痛みや炎症を抑える (対症療法が中心) | 手術をせず手軽に始められる。 | 根本的な改善につながらないことがあり、痛みがぶり返すケースもある。 | 不要 |
| 手術療法 (骨切り術・人工膝関節置換術など) | 傷んだ関節の状態を改善したり、アライメント(骨の配列)を矯正する。 | 重症例で根本的な改善が期待できる場合がある。 | 入院や数か月単位のリハビリが必要で、体への負担が大きい。 | 必要 |
| 再生医療 (PRP-FD(PFC-FD™)治療・培養幹細胞治療など) | 炎症の抑制・組織の修復を促す | 日帰りで治療が完結し、ご自身の血液や細胞を用いる。 | 自由診療のため費用は医療機関により異なる。 | 不要 |
再生医療には、ご自身の血液を用いるPRP-FD(PFC-FD™)治療や、脂肪由来の培養幹細胞治療といった種類があります。いずれも、変形性膝関節症などに伴う慢性的な膝の痛みを対象とした治療法です。
治療効果には個人差があり、すべての方に同様の効果が得られるわけではありません。治療が適しているかどうかや期待される効果については、医師がしっかりと症状や膝の状態などを総合的に評価したうえで判断します。
こうした治療が適しているかを見極めるには、現在の膝の状態を医師が診察・評価することが重要です。当院の「MRIひざ即日診断」では、MRI画像をもとに、膝を専門とする医師が現在の膝の状態を確認し、再生医療の適応について判断します。

まとめ|膝のズキズキした痛みは早めの相談を
膝がズキズキ痛む原因は、変形性膝関節症や半月板損傷から、痛風、坐骨神経痛まで多岐にわたります。痛みの出る場面や痛み方が、見分ける手がかりになります。どの病気かによって適した治療は異なるため、まずは何によるものかをはっきりさせることが大切です。
変形性膝関節症などで「もう歳だから」「手術しかないと言われた」と諦める必要はありません。大切なのは、ご自身の膝の状態を正確に知ることと、医師と相談しながら自分に合った治療法を検討することです。
なお、痛風や坐骨神経痛、関節リウマチは、内科や脊椎の専門など適した診療科での治療が必要です。当院の再生医療は、変形性膝関節症など膝関節の炎症や摩耗による慢性的な痛みを対象としています。痛み止めやヒアルロン酸で改善せず手術を避けたい方のご相談にも、再生医療を専門とする立場から親身にお応えしています。
ご自身の膝の状態を正確に知ることが、適切な治療への第一歩です。当院の「MRIひざ即日診断」では、MRI画像をもとに、医師が膝の状態を確認し説明します。まずはお気軽にご相談ください。

人工関節以外の新たな選択肢
「再生医療」
変形性膝関節症の方、慢性的なひざの
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