数年前に膝の手術を受けたのに、最近また痛みが出てきたのはなぜでしょうか?

情報提供医師

黒木 健文 医師(福岡ひざ関節症クリニック 院長)日本整形外科学会認定 専門医

50代女性です。5年ほど前に右膝の半月板を傷めて関節鏡の手術を受け、その後しばらくは痛みもなく過ごしてきました。ところが半年ほど前から、階段の下りや長く歩いたあとに手術をした膝が重く痛むようになってきました。当時通っていた整形外科は引っ越しで足が遠のき、今は様子を見ています。数年たってから手術した膝がまた痛むのは、軟骨のすり減りや変形性膝関節症が進んでいるのでしょうか。どう考えればよいか教えてください。

数年前の手術後に再び痛みが出る背景には、関節の軟骨のすり減りや変形性膝関節症の進行など、いくつかの可能性が考えられます。
ご自身で痛みの原因を見極めるのは難しいものです。
痛みが続くようでしたら、医療機関で診察を受けて状態を確認しておくと安心です。

膝の手術から数年後に痛みが出たときにまず押さえたいポイント


数年前に受けた手術のあとで再び膝が痛むと、「またどこか悪くなったのでは」と不安になりますよね。
まずは落ち着いて、痛みの状況を整理することから始めましょう。
痛む部位:手術した部位と今回の痛みの原因が同じとは限らない
数年後の痛み:関節の老化や使い方の変化が関わることがある
原因の判断:痛みの強さや場所だけでは特定しにくい

膝の手術には半月板や靭帯の手術、人工関節の手術などさまざまな種類があり、その後の経過もそれぞれ異なります。
数年たってからの痛みは、手術そのものの不具合というより、加齢とともに進む軟骨のすり減りや、膝の使い方の変化が関わっている場合もあります。
ご自身だけで原因を判断するのは難しいため、痛みが続くときは早めに医療機関で相談することが安心につながります。
少しでも気になることがあれば、まずは無料でんわ相談からお気軽にお問い合わせください。
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膝の手術後、数年経ってから痛みが出る主な原因


痛みの原因は一つとは限らず、複数の要素が重なっていることもあります。
下記を目安に、ご自身の状態と照らし合わせてみてください。
軟骨のすり減りや変形性膝関節症の進行
半月板や靭帯など、手術した部位以外の組織の変化
太ももの筋力低下や反対側の膝への負担
天候や冷えなどによる一時的な痛みの増減

膝の手術は傷んだ部分を治す処置ですが、関節全体の老化を止めるものではありません。
そのため、数年が経つうちに軟骨が少しずつすり減り、変形性膝関節症として痛みが現れてくることもあります。
また、痛む膝をかばう生活が続くと、太ももの筋力が落ちたり反対側の膝に負担がかかったりして、新たな痛みにつながることもあります。
どの要素が大きいかは人によって異なります。
関連: 膝軟骨のすり減りと変形性膝関節症の関係

手術後の膝の痛みに自宅でできる対処と避けたい行動


強い痛みがないときは、膝に負担をかけすぎない範囲で日常のケアを続けることが大切です。
日々の小さな工夫の積み重ねが、膝の負担を減らすことにつながります。
保温:膝を冷やさず、入浴などで温めて血行を保つ
筋力維持:太ももの前側の筋肉を維持するための軽い運動を取り入れる
負担の大きい姿勢:正座や深くしゃがむ動作を控える
体重管理:体重が増えないようにする
安静:痛みが強い日は無理に動かず休む

運動の内容や強さは、痛みの程度や手術の種類によって適したものが異なります。
自己流で続けると負担になることもあるため、医療機関の指示のもとで、痛みの程度に合わせて段階的に進めると安心です。
急に痛みが強まったときや腫れが出たときは、運動を控えて膝を休ませ、無理に動かさないようにしてください。

膝の手術後に出た痛みで受診を考える目安


痛みの程度や続く期間によって、受診を急ぐべきか様子をみてよいかは変わります。
次のサインを参考にしてください。
今すぐ受診: 強い腫れや熱感、膝が引っかかって動かせない、発熱を伴う、外傷後の強い痛み
近いうちに受診: 数週間以上痛みが続く、歩行や階段で支障が出てきた
様子見でよい: 動かし始めだけ軽く痛むが、安静で和らぐ

とくに、膝が急に動かなくなる、強く腫れる、発熱を伴うといった場合は、早めに整形外科を受診してください。
転倒など外傷のあとの強い痛みも同様です。
また、はっきりした原因が思い当たらないまま痛みが数週間以上続くときは、一度医療機関で状態を確認しておくと安心です。
手術を受けた経緯がある膝の場合、当時の状況を踏まえて相談できると、その後の見通しも立てやすくなります。
受診を検討される際は、下記からご相談いただけます。

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数年後の膝の痛みで行う検査と治療の選択肢


痛みの原因をはっきりさせるために、診察では問診や触診、レントゲンなどを組み合わせて膝の状態を確認します。
レントゲン:骨の変形や関節のすき間の状態を確認
MRI:半月板・軟骨など軟らかい組織の状態を確認(必要に応じて)
保存療法:痛み止め・ヒアルロン酸注射・リハビリ
再生医療:手術や入院を避けたい場合の選択肢

治療は、痛み止めやヒアルロン酸注射、リハビリなどの保存療法が基本になります。
保存療法で十分な改善が得られない場合の選択肢の一つとして、当院ではPRP-FDや培養幹細胞による再生医療を提供しています。
ただし、人工関節を入れている膝など、再生医療の対象とならない場合もあります。
まずは膝の状態を診察で確認したうえで、適した方法を相談していくことが大切です。
レントゲンだけでは確認が難しい半月板や軟骨の状態は、症状によってはMRIで詳しく評価できる場合もあります。
関連: 変形性膝関節症の保存療法・手術・再生医療の違い

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この相談を見た方におすすめのQ&A


手術や過去のけがのあとに、時間がたってから膝が痛み出すというご相談は少なくありません。
原因の考え方や治療の選択肢は状況によって異なります。
ご自身の状況と近いものがあれば、あわせて参考にしてみてください。
関連: 昔の膝のけがが今になって痛むケースの考え方
関連: 人工膝関節手術と術後の痛みについて
関連: リハビリを終えても膝の痛みが続くケース

まとめ


数年前の膝の手術後に再び痛みが出る背景には、軟骨のすり減りや変形性膝関節症の進行など、さまざまな原因が考えられます。
痛みが続くときは自己判断せず、医療機関で膝の状態を確認しておくことをお勧めします。
なお、手術後で経過観察を続けている方や人工関節を入れている方は、まずかかりつけの整形外科にご相談ください。
一般の整形外科で治療を受けても痛みが改善されない方、まずどんな治療があるのか詳しく知りたい方は、当院でMRIをもとに再生医療を含めた選択肢をご相談いただけます。
関連記事: 人工膝関節置換術の術後についての解説

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