しゃがんで膝からポキポキ音が鳴る原因は? 見逃せない変形性膝関節症の兆候

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変形性膝関節症の症状は”膝の痛み”だけと思ってはいませんか? 膝からポキポキ音が鳴る、水が溜まる、曲げ伸ばししづらい…。こんな症状に心当たりがある方も変形性膝関節症の可能性があります。
この記事では、変形性膝関節症の様々な症状を解説した上で、早めに知っておきたいこの病気の特徴についても、併せて掲載しています。病院を受診する前、治療を始める前の予備知識としてお役立てください。

情報提供医師

尾辻 正樹 医師

尾辻 正樹 医師(ひざ関節症クリニック 理事長)

日本整形外科学会認定 専門医

受診のきっかけとして最も多い症状は痛み

膝の痛みイメージ

変形性膝関節症と診断を受けるきっかけとして多いのが、膝の痛みです。この病気のシグナルとも換言できるでしょう。痛みが気になったためインターネットで検索し、初めてこの病気を知ったという方もいらっしゃるかもしれません。
中でも、初期の変形性膝関節症に特有なのが、スターティングペイン
これは動作開始時に感じる痛みのことで、筋肉や関節内の組織のこわばりが原因と考えられます。起き上がるとき、立ち上がるとき、歩き出すときなどに痛みを訴える方が多く、動いているうちに消失するのが特徴です。

ここで注意が必要なのが、変形性膝関節症の初期には「病院に行く必要がある」と感じさせるほどの痛みが生じにくいことです。当院でも膝の痛みで受診したところ、すでに進行期に差しかかっていたという患者さまも少なくありません。
変形性膝関節症は、このような痛みの他にも様々な症状を引き起こし、最終的には膝の変形に繋がります。膝がポキポキ鳴るなど、痛み以外ではどんな症状が兆候とされるのか、解説します。

膝からポキポキ音が鳴る

「ポキポキ」「パキパキ」「ゴリゴリ」など、気になる膝の音が鳴る現象について解説します。音の種類や頻度によって原因や危険度が異なりますので要チェックです。

膝を曲げると音が鳴る原因|ポキポキ・ミシミシ音の正体

膝を曲げたときに「ポキポキ」「ミシミシ」と音が鳴る場合、原因はひとつではありません。
膝の音の正体は、大きく分けると、①関節内で起こる自然な現象、②関節や周囲組織に負担がかかって生じる変化、の2つのパターンに分けて考えられます。

たとえば、「ポキポキ」「パキパキ」といったクリック音は、関節内の関節液に生じた気泡が弾けることで発生する音と考えられています。
関節は関節液によって満たされ、軟骨の保護や動きを滑らかにする役割を担っていますが、急に膝を曲げ伸ばしした際に気泡が生じ、圧力が加わることで音が鳴ることがあります。
指の関節が鳴るのと同じ原理で、痛みを伴わず一時的に鳴るだけであれば、過度に心配する必要はないケースもあります。

一方で、「ミシミシ」「ギシギシ」といった擦れるような音が続く場合は、膝関節に負担がかかり、関節内の構造に変化が起きている可能性があります。
膝関節は、大腿骨・脛骨・膝蓋骨から構成され、これらの骨の表面は軟骨で覆われています。
軟骨がすり減ってくると、骨同士の動きがスムーズにいかなくなり、曲げ伸ばしの際に摩擦音が生じることがあります。
さらに進行すると、「ゴリゴリ」「ガリガリ」といった強い音が出ることもあり、この場合は軟骨の損耗が進んでいる可能性があります。

また、膝の音は「どんな音が鳴るか」よりも、音と一緒にどのような症状が出ているかが重要です。

・音だけが鳴り、痛みや違和感はない
・音に加えて、引っかかり感や動かしづらさがある
・音とともに、痛みや腫れが出てくる

このように状態によって考えられる原因や必要な対処は異なります。
特に、音が日常的に鳴るようになった場合や、違和感・痛みを伴う場合は、膝関節への負担が増えているサインとして、早めに状態を確認することが大切です。

屈伸・スクワットで膝が鳴る原因と対処法

屈伸やスクワットなど、膝を深く曲げ伸ばしする動作で音が鳴るのは、よくある訴えのひとつです。
こうした動きでは膝への負担が増えやすく、膝のお皿まわりや関節内の摩擦が強くなることで、音が目立つことがあります。
特に、フォームが崩れて膝が内側に入る、勢いよくしゃがむ、深く曲げすぎるといった状況では、違和感が出やすくなります。

対処の基本は、「音を消すこと」よりも、膝への負担を減らし、悪化を防ぐことです。
まずは、次の点を目安に調整してみてください。

・屈伸やスクワットで音が鳴る場合は、深さを浅くする/回数を減らすなど、負荷を一段下げて様子を見る
・膝が内側に入るなどフォームが崩れやすい人は、ゆっくり動作し、無理に回数をこなさない
・運動後に違和感が残る場合は、数日間だけでも運動量を調整し、膝を休ませる
・音と一緒に痛みが出る場合は、無理に続けず、原因を確認する

なお、屈伸やスクワットで音が鳴るだけでなく、痛み・腫れ・熱感がある、動かすたびに痛む、日常生活にも支障が出ているといった場合は、負担の調整だけでは改善しにくいことがあります。
このような状態が続く場合は、早めに整形外科で原因を確認し、必要に応じて治療やリハビリを検討することが安心です。

日常的に音が鳴る人は要注意

ちなみに、まだ診断を受けていないという人も、膝から鳴る音が変形性膝関節症のヒントになるかもしれません。
アメリカ・テキサス州のベイラー医科大学が発表した研究結果によると、膝のポキポキ音がまったくないという人に対し、まれにある人は1.5倍、いつも膝が鳴る人は3.0倍もこの病気の発症リスクが高い、というデータが出ています[1]
研究グループは「膝でポキポキと音がする症状は、変形性膝関節症のリスクを持つ人の識別や、発症の予測に有用」と結論づけています。
変形性膝関節症かもしれないと疑っている段階で膝の音が頻発していたら、整形外科に行って医師に相談してみるのも一つの手段です。

痛みや違和感が続く場合は早めに受診を

膝の音が鳴る以外に痛みが続いているような場合は、軟骨が損傷している可能性があります。
すり減った軟骨が関節を覆う滑膜を刺激することで、炎症が起こるからです。
その際、関節液が過剰に分泌されるため膝が腫れたり水がたまったり、すり減った欠片が邪魔して膝の曲げ伸ばしに引っかかり感を覚えたりすることもあり、そうした症状にも注意が必要です。
膝の音とこうした症状は、変形性膝関節症以外にも、関節リウマチや靭帯損傷、半月板損傷などでも起こり得ます。

膝関節の状態を悪化させないためには、原因をはっきりさせて適切に治療することが重要なので、きちんと診断しておくことをおすすめします。

膝を曲げ伸ばししづらい

変形性膝関節症は、起床時や起立時に膝の違和感、こわばりが生じるのが特徴的な症状です。はっきりとした痛みはなくても「何だかおかしい」といった感覚を覚えることが多いようです。
主な原因として考えられているのは、膝周辺の筋肉が固まる拘縮や、関節内の組織のトラブル。
これらはスターティングペインとも近しい症状で、しばらく動いているうちに気にならなくなる場合も多いでしょう。
ただ、違和感やこわばりに加えて他の症状も出てきたら、膝の曲げ伸ばしができる範囲が狭まる可動域制限に至る可能性も。
例えば関節内の強い炎症によって水がたまり、膝を曲げ伸ばししづらくなることが考えられます。

日常生活では、膝を曲げる動作が頻繁に行われます。
例えば歩行には60度、しゃがむには100度、正座には150度、膝を曲げることが必要です。これらの動作も困難になってしまうと、じっとしたままの不活動状態になり、変形性膝関節症の悪化も招きかねません。
実際、変形性膝関節症の症状がある程度進むと、膝を曲げられる角度が小さくなっていくことが報告されています[2]

膝に水がたまり、腫れる

膝の仕組み

変形性膝関節症が疑われる患者さまの訴えとして、痛みの次に多いと感じるのが、膝に水がたまる症状(関節水腫:すいしゅ)です。
水の量が多い場合、膝のお皿(膝蓋骨)周囲が腫れぼったくなり、お皿の輪郭が分かりにくくなることがあります。
この水は関節液と呼ばれ、健康な人の膝にも一定量は存在しています。
膝関節は関節包という袋状の組織で囲われていて、その中を満たしているのが関節液。本来は骨同士の摩擦を軽減させ、膝がスムーズに動くように助ける重要な役割を果たしています。
この関節液を作り出すのは、関節包の内側にある滑膜(かつまく)という組織。この滑膜が何らかの原因で炎症を起こしてしまった場合、関節液が異常に分泌され、水が溜まってしまうのです。
すり減った軟骨片が滑膜を刺激することが炎症の原因と考えられており、炎症が強ければ膝に熱感を伴うこともあります。

膝がO脚変形する

O脚変形

変形性膝関節症という病名の通り、外見上の膝の変形が起こります。初期には目立ちませんが、進行に伴ってO脚やX脚が悪化。末期になると、見た目にも変形が顕著になってしまいます。

日本人では、膝の内側の軟骨がすり減る内側型(ないそくがた)の変形性膝関節症が9割を占める[3]とされ、その場合はO脚変形を呈します。外側の軟骨がすり減ることによるX脚変形は少数ですが、当クリニックの日々の診療において、X脚に変形している患者さまが来院されるケースも少なくありません。
O脚、X脚のいずれも、変形が顕著であればあるほど病気が進行している印となります。

症状の程度にかかわらず、早めの受診を

膝がポキポキ鳴る、曲げ伸ばししづらい、水が溜まるなど痛み以外の症状でも、変形性膝関節症の疑いがあるということはお分かりいただけたでしょうか?
変形性膝関節症に関しては、ある程度の目安こそあれ、変形という見た目にも分かるもの以外には、様々な症状を伴う疾患です。というのも、患者さまそれぞれで、症状の出方が全く異なるためです。
例えば、膝の腫れだけが気になり受診したところ、変形性膝関節症と診断された方がいらっしゃいました。また、これは前述しましたが、痛みが気になって病院を受診したところ、すでに変形性膝関節症が進行期に差しかかっていた、というケースも少なくありません。
変形性膝関節症は進行すると、歩くことすらままならなくなる疾患です。痛みを感じたときはもちろん、膝の音や日々の動作などで違和感を感じた時点で、早めに整形外科を受診するのが望ましいでしょう。
この記事を読んで、1つでも心当たりがある方は、下記の「はじめてのご来院予約」より、ぜひお気軽にお問い合わせください。

はじめてのご来院

コラムのポイント

  • ひざからミシミシ、ギシギシという音が鳴ったら、危険信号
  • ひざの違和感や腫れ、O脚も変形性膝関節症の兆候
  • 症状が現れたら早めに整形外科へ受診を

よくある質問

膝を曲げると音が鳴るのはなぜ?

膝を曲げると音が鳴る理由は、大きく分けて2つあります。

ひとつは、関節の動きに伴う一時的な状態変化で、痛みがなく「たまに鳴る」程度なら心配のいらないケースもあります。もうひとつは、膝関節やお皿まわりに負担がかかり、摩擦や引っかかりが起きて音が出ているケースです。
特に、音が日常的に続く、以前より鳴りやすくなった、違和感や引っかかり感がある場合は、膝への負担が増えているサインとして捉えたほうが安心です。

痛みや腫れを伴うときは、変形性膝関節症などの兆候が隠れている可能性もあるため、早めに整形外科で相談するのがおすすめです。

屈伸すると膝が鳴るのは異常?

屈伸で膝が鳴ること自体は珍しくなく、痛みがなく一時的に鳴るだけであれば、すぐに異常とは限りません。
屈伸やスクワットは膝を繰り返し曲げ伸ばしするため、音が目立ちやすい動作でもあります。
ただし、次のような場合は「様子見」よりも原因の確認を優先したほうが安心です。

✅屈伸のたびに鳴り、頻度が増えている
✅鳴るときに痛みがある/運動後に痛みが残る
✅腫れ・熱感がある
✅引っかかる感じ、膝が抜ける感じ、動かしづらさがある

また、屈伸で鳴る場合は、膝が内側に入るなどフォームの癖で負担が増えていることもあるため、深くしゃがみすぎない・回数を減らす・ゆっくり動作するなど、負荷を一段下げて様子を見るのも有効です。
それでも改善しない、症状が続く場合は整形外科で相談してください。

膝関節が軋むように鳴るのですが病院に行くべきですか?

一度ご相談してみてもいいかもしれません。
膝の「ポキポキ」「パキッ」というのは関節内で気泡が弾けている音のことが多くそれほど心配ありませんが、「ミシミシ」「ギシギシ」などの軋むような音の場合は、膝関節がダメージを追っている可能性が考えられる音です。軟骨がすり減ったときに膝関節がこすれる音に似ているため、関節内で変形が始まっているかもしれません。この音に加え、痛みや違和感がしばらく続いているという場合、もしくは「ゴリゴリ」「ガリッ」などさらに進行した音が聞こえる場合は、すぐにでも病院を受診することをおすすめします。
変形性膝関節症は放置すると、痛みも変形も強くなり、歩けなくなってしまうことが少なくありません。すり減った軟骨を元通りに治すことはできないので、痛みを覚えたときにできる限り早く対応することが重要です。
当院での診察をご希望の方は、下記よりご予約いただけます。

▶はじめてのご来院予約

膝がミシミシと鳴りますが、治す方法はありますか?

膝関節を筋力でサポートすることが有効です。
ミシミシという音がなっているということは、膝の軟骨がすり減っている可能性が考えられます。進行させないためには、膝関節への負担を軽減する必要があります。そのためには体重を落とし、太ももやふくらはぎなど膝周りの筋力トレーニングやストレッチを行うことが有効でしょう。
ただし、実際に診察したり検査してみないと、本当に軟骨のすり減りによる音かどうかはわかりません。また、筋力トレーニングなどの運動も、患者さま一人ひとりの膝の状態に適した方法で行わなければなりません。悪化させないためには、音だけで自己診断してしまうのではなく、病院を受診して確定診断を仰ぐ必要があります。
当院でもMRI画像を用いて詳しく診断し、どう治療していくのかなどを患者さまのライフスタイルに合わせてご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。
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膝がジャリジャリ、またはミシミシと音が鳴るのですが痛くはありません。放置しても大丈夫でしょうか?

膝関節の軟骨がすり減ったことにより骨同士がぶつかって擦れて発生している音かもしれないので、早めに医療機関への受診をおすすめします。

膝のお痛みがない場合でも、膝から音が鳴る症状は変形性膝関節症の兆候として挙げられます。
パキパキやポキポキといったクリック音は、関節が急に引っ張られることで関節液の中にできた気泡が弾ける音と言われているため、膝に痛みがない場合は様子見で良いとされます。
一方で、膝からミシミシ”や”ジャリジャリ”などの音が1回でも鳴るようであれば、ひざ関節内部の軟骨や半月板がすり減っていたり、変形性膝関節症の状態となっている可能性が高いです。
音の鳴っている状態の膝をそのままにしておくと、今後痛みが生じてきたり、動かしたときに曲げ伸ばししにくくなる(しゃがみづらい・正座しづらい)など生活に悪影響が出ます。さらには、進行が進み症状がひどくなると歩行困難や寝たきりの状態になる危険性もあります。
現時点での膝の状態(症状の進行度)をきちんと把握するためには、医療機関にて画像検査や触診などによる正確な診断が必要となります。

関節が鳴りやすい人の特徴はありますか?

特徴というものはないですが、頻回に鳴る場合は病的な音である可能性があります。

関節音には生理的な音と病的な音があり[4]、後者の場合は特に注意が必要です。病的な音は、痛み、水腫(水たまり)、腫れを伴うことが多いです。あるいは外傷の後から音がするようになった場合も要注意です。
膝の音に違和感を感じた際は、早めに整形外科を受診することをおすすめします。
当院では、膝の専門医が症状に応じて最適な治療法をご提案します。お気軽にご相談ください。
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人工関節以外の新たな選択肢
「再生医療」

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