「ランニングを始めたら膝が痛むようになった」
「走るたびに膝がうずく」
ランニングで生じる膝の不調は、その多くに使いすぎ(オーバーユース)が関わっています。そして、痛む場所によって考えられる原因も変わってきます。
特に初心者が自己流で走り続けると、症状が慢性化してしまうことも少なくありません。本記事では、ランニングで膝が痛くなる原因や痛む場所ごとの傾向、対処や治療の方法、初心者が痛めやすい理由、受診の目安までわかりやすく解説します。
目次
- ランニングで膝が痛くなる主な原因は「使いすぎ」
- 走行距離・頻度・スピードを急に上げることが負担を生む
- フォームの乱れや筋力不足、シューズが合っていないことも引き金に
- ランニング中に痛む場所でわかる膝のトラブル
- 膝の痛む場所から考えられる主な疾患とは
- なぜ初心者ほどランニングで膝を痛めやすいのか
- 体がランニングに慣れる前に距離・頻度を増やしてしまう
- ランニングで膝が痛いときの対処法
- 膝に痛みが出てもランニングして良い?休む日数の考え方
- ランニング後にできるセルフケアの考え方
- 膝を痛めないためのランニング方法・練習の組み方
- 膝の負担を減らすランニング方法
- 距離・頻度の上げ方とウォームアップ・シューズ選び
- ランニング中の膝の痛みが続く・繰り返すときの治療法
- 保存療法・手術
- 改善しない場合の選択肢(再生医療)
- こんな膝の痛みは早めに受診を
- まとめ|ランニングによる膝痛は原因に合った対策を
- よくある質問
- ランニングで膝が痛いのはどうしたら治りますか?
- 膝が痛い時はランニングしない方がいいですか?
- ランニングで膝が痛くなったら何日休めばいいですか?
- ランニングで膝を痛めない走り方は?
ランニングで膝が痛くなる主な原因は「使いすぎ」
ランニングで膝に痛みが出るとき、その背景としてよく見られるのが使いすぎによる負担の蓄積です。膝はランニング中に体重の何倍もの衝撃を繰り返し受け止めており、無理が重なると炎症や痛みが生じやすくなります。原因を知ることが、対策の第一歩になります。
走行距離・頻度・スピードを急に上げることが負担を生む
膝への負担が積み重なる典型的なきっかけが、ランニング量を一気に増やすことです。距離を急に伸ばしたり、ランニングの頻度やスピードを短期間で上げたりすると、組織が回復する間もなく負担がかかり続けます。
特に大会や目標に向けて練習量を増やした時期に、膝の不調が出やすくなる傾向があります。体が適応するペースを超えて負荷をかけると、痛みが現れることが少なくありません。
ランニング量を増やす際は、週ごとの走行距離を一気に増やすのではなく、少しずつ積み重ねていくことが大切です。そうすることで、筋肉や腱などの組織が回復する時間を確保しやすくなります。意欲が高いときほど、無理に走行距離やペースを上げすぎないことを意識するとケガの予防や長く走り続けることにつながるでしょう。
フォームの乱れや筋力不足、シューズが合っていないことも引き金に
使いすぎ以外にも、走り方そのものが負担を大きくしているケースがあります。着地の衝撃を吸収しきれないフォームや、お尻・太もものまわりの筋力不足があると、膝関節に余分なストレスが集中しやすくなります。
加えて、足に合わないシューズやすり減ったシューズも見逃せない要素です。クッション性が低下した靴で長距離ランニングを行うと、衝撃が直接膝へ伝わりやすくなります。走る路面の影響もあり、硬いアスファルトや下り坂が続くコースでは、関節への負担が増しやすいと考えられています。
こうした要因はひとつとは限らず、複数が重なって不調につながることも多いです。たとえば、筋力が不安定なままフォームが崩れ、さらに合わないシューズで走れば、負担はいっそう集中しやすくなります。
ランニング中に痛む場所でわかる膝のトラブル
ランニングで起こりやすい膝の不調は、痛む場所によっておおまかな傾向が分かれます。痛む場所と原因の対応は年齢を問わず共通するため、まずはどこが痛むのかを手がかりに見当をつけてみましょう。
膝の痛む場所から考えられる主な疾患とは
ランニングで起こりやすい代表的な膝の痛みを、痛む場所ごとに整理しました。あくまで傾向であり、自己診断で決めつけず、当てはまる場合は医療機関で確認することが大切です。
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| 痛む場所 | 考えられる主な疾患 | 特徴 |
|---|---|---|
| 膝の外側 | 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん:ランナー膝) | 膝の外側に痛みが出やすい |
| 膝の内側 | 鵞足炎(がそくえん) | 膝の内側に痛みが出やすい |
| お皿(膝蓋骨)の下 | 膝蓋腱炎(しつがいけんえん:ジャンパー膝) | お皿の下に痛みが出やすい |
このように、同じ「ランニングによる膝の痛み」でも、外側・内側・お皿の下で考えられる原因は異なります。痛む場所が違えば、負担がかかっている組織や、見直すべきポイントも変わってきます。それぞれの詳しい見分け方や対処は、部位ごとの解説記事もあわせてご確認ください。
▶ランナー膝とは
▶鵞足炎とは?症状・原因・治し方・回復期間まで専門医がわかりやすく解説
▶膝の痛みの場所【外側や内側など】から分かる!原因と痛い時の対処法
なぜ初心者ほどランニングで膝を痛めやすいのか
ランニングを始めて間もない方ほど、膝の痛みを経験しやすい傾向があります。これは年齢や運動神経の問題ではなく、体がまだランニングに慣れていないことが関わっています。健康のためにと走り始めた方が、かえって膝を痛めてしまうのは珍しいことではありません。
体がランニングに慣れる前に距離・頻度を増やしてしまう
ランニングを始めたての時期は、つい意欲が先行して、距離や頻度を早く伸ばしたくなりがちです。しかし筋肉や腱、関節まわりの組織は、走る刺激に適応するまでに一定の時間を必要とします。適応が追いつかないうちに負荷を上げると、膝への負担が集中しやすくなります。
心肺機能は比較的早く向上する一方で、関節や腱が慣れるには、より時間がかかるとされています。そのため「息は上がらないのに走れる」と感じても、膝は増えた運動量や負荷への適応が追いついていないことがあります。
また、ランニングに必要な筋力やフォームが安定していないことも、初心者に膝の痛みが出やすい理由のひとつです。衝撃を吸収する力が十分でない段階で長く走ると、膝に負担がかかります。
ランニングで膝が痛いときの対処法
ランニング中に膝に痛みを感じたら、まず大切なのは無理を重ねないことです。痛みを我慢して走り続けると、回復が遅れたり症状が長引いたりすることがあります。ここでは、ランニングする方が迷いやすい判断のポイントを整理します。
膝に痛みが出てもランニングして良い?休む日数の考え方
結論からお伝えすると、膝に痛みがあるうちは無理に走らず、負荷を下げて様子をみることが基本です。「ランニングしたら治りますか」と聞かれることもありますが、炎症が起きている状態で走り続けると、かえって膝の回復を妨げてしまうことがあります。
「何日休めばよいか」は、痛みの程度や原因によって幅があり、一律に何日と言い切れるものではありません。痛みが引くまで走る距離や強度を落とし、違和感が残るあいだは無理をしない、という考え方が安全です。
ランニング後にできるセルフケアの考え方
ランニング後のケアも、膝の負担をやわらげる助けになります。腫れや熱感があるときは、冷やして炎症を落ち着かせましょう。あわせて、太ももやお尻まわりの柔軟性を保つストレッチも、負担の軽減につながると考えられています。
ただし、痛みが強いときに無理なストレッチを行うと悪化を招くことがあるため注意が必要です。具体的な手順や応急処置の進め方は、自宅での対処をまとめた記事もあわせてご確認ください。
▶膝の痛みの場所【外側や内側など】から分かる!原因と痛い時の対処法
膝の痛みに関して「まずは相談だけでもしてみたい」という方には、無料電話相談をご用意しています。お気軽にお問い合わせください。

膝を痛めないためのランニング方法・練習の組み方
膝の痛みを防ぐうえで効果的なのは、痛めてから対処することではなく、膝に負担をかけにくいランニングフォームや、走る量・強度を無理なく調整しながらトレーニングを進めることが大切です。
膝の負担を減らすランニング方法
ランニング方法を少し見直すだけでも、膝の痛みは変わってきます。着地の際に足を体の真下付近で受けるよう意識すると、衝撃が分散されやすくなります。
逆に、かかとから強く突っ込むように着地すると、ブレーキがかかって膝に負担が集中しやすいため、足裏全体でやわらかく接地する感覚を持つとよいでしょう。背すじを伸ばし、骨盤から脚を運ぶような姿勢も、関節への負担を抑える助けになります。
歩幅を無理に広げず、リズムよく足を回す走り方も、一歩あたりの衝撃をやわらげます。フォームの細かな調整は自己流では難しいため、必要に応じて専門家に確認しながら整えていくとよいでしょう。
距離・頻度の上げ方とウォームアップ・シューズ選び
練習量は、一度に大きく増やさず、少しずつ積み上げていくことが基本です。前の週から急に距離を伸ばすのではなく、体の様子をみながら無理のない範囲で調整していきましょう。ランニング前のウォームアップで筋肉や関節をほぐしておくことも、負担の軽減に役立ちます。
シューズ選びも見直したいポイントです。クッション性が保たれた、足に合った靴を選び、すり減ってきたら早めに替えることが大切です。
ランニング中の膝の痛みが続く・繰り返すときの治療法
ランニング中の膝の痛みが長引いたり繰り返したりする場合は、医療機関での治療が必要になることがあります。膝の痛みに対しては、いくつかの選択肢があります。
保存療法・手術
膝の痛みに対してまず検討されるのが保存療法です。なかでも運動療法による筋力強化や体重管理は、ガイドラインでも推奨される第一選択であり、症状の軽減や進行の抑制に有効とされています。ランナーの場合は、お尻や太もものまわりを支える筋力を整えることが、再発予防の観点からも重要になります。状態に応じて、内服薬や装具などが組み合わされることもあります。
保存療法は手軽に始められる一方で、効果が現れるまでに時間がかかったり、痛みがぶり返したりすることもあります。
また、手術が選択肢になる場合もありますが、入院やリハビリなど体への負担が大きくなりやすい面があります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合う方法を医師と相談しながら検討することが大切です。
改善しない場合の選択肢(再生医療)
「手術はできるだけ避けたい」「保存療法だけでは改善が難しい」という方に、選択肢のひとつとして検討される治療法が再生医療です。再生医療は、関節内で起きている炎症やダメージに伴う痛みの改善を目的に、膝の関節へ直接注射を行う治療です。ご自身の血液や細胞の力を活用し、炎症の抑制や組織の修復を促します。
当院で行う血小板系の再生医療はPRP-FD(PFC-FD™)治療と呼ばれ、このほかに脂肪由来の培養幹細胞もあります。日帰りで治療が完結し、ご自身の組織を用いるため拒絶反応のリスクが低いとされています。効果には個人差があり、自由診療のため費用は医療機関によって異なります。検討する際は、特徴をよく理解したうえで医師と相談しながら進めましょう。
保存療法・手術療法・再生医療には、それぞれ目的や体への負担、入院の要否に違いがあります。ご自身に合った方法を考えるための整理として、3つの治療法の特徴を比較表にまとめました。
治療選択肢比較表
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| 治療法 | 主な目的・内容 | メリット | デメリット | 入院の有無 |
|---|---|---|---|---|
| 保存療法 (理学療法・薬・ヒアルロン酸注射など) | 痛みや炎症を抑える (対症療法が中心) | 手術をせず手軽に始められる。 | 根本的な改善につながらないことがあり、痛みがぶり返すケースもある。 | 不要 |
| 手術療法 (骨切り術・人工膝関節置換術など) | 傷んだ関節の状態を改善したり、アライメント(骨の配列)を矯正する。 | 重症例で根本的な改善が期待できる場合がある。 | 入院や数か月単位のリハビリが必要で、体への負担が大きい。 | 必要 |
| 再生医療 (PRP-FD(PFC-FD™)治療・培養幹細胞治療など) | 炎症の抑制・組織の修復を促す | 日帰りで治療が完結し、ご自身の血液や細胞を用いる。 | 自由診療のため費用は医療機関により異なる。 | 不要 |
こんな膝の痛みは早めに受診を
ランニングで生じる膝の痛みの多くは、適切なケアと休養で落ち着いていきます。ただし、なかには早めの受診が望ましいケースもあります。次のような症状があるときは、無理をせず医療機関を受診しましょう。
- ・体重をかけられないほど痛く、歩くのがつらい
- ・強い腫れや熱感、はっきりとした赤みがある
- ・膝が引っかかる、曲げ伸ばしがしづらい
- ・軽い痛みでも、繰り返したり長引いたりしている
急に強い痛みが出た場合や歩けないほどの状態は、整形外科を受診することをおすすめします。そこで、はっきりした原因がわからないまま痛みが長引く、あるいは繰り返すといったお悩みもあるでしょう。そのような場合には、慢性的な膝の痛みについて相談できる医療機関として、当院のような膝の再生医療を提供する医療機関に相談することも選択肢の一つです。
当院でも、膝の違和感や痛みの原因がわからないと、ご相談をいただくことが多々あります。そうしたときには、MRI画像などを用いて何が原因か、どうすればよいかをわかりやすくご説明しています。症状によっては、さらに詳しい検査をすることになる可能性もございます。気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ|ランニングによる膝痛は原因に合った対策を
ランニングで生じる膝の痛みは、使いすぎを背景に、痛む場所ごとに考えられる疾患が分かれます。練習量の調整やランニングフォームの見直し、適切なセルフケアによって、症状の改善が期待できる場合もあります。「もう歳だから」「初心者だから」と決めつける必要はありません。原因を正しく理解し、自分に合った対策を継続することで、膝への負担に配慮しながらランニングを続けられる可能性があります。
大切なのは、ご自身の膝の状態を正確に知ることです。当院では、待ち時間なく膝の詳細な状態がわかる「MRIひざ即日診断」を実施しております。症状が気になる方は、原因を確かめる第一歩として、お気軽にご相談ください。

よくある質問
ランニングで膝が痛いのはどうしたら治りますか?
まずは無理に走らず、痛みが引くまで走る距離や強度を落とすことが基本です。腫れや熱感があるときは冷やして炎症を落ち着かせます。痛みが長引く場合は、原因を正しく確かめることが回復への近道になりますので、早めに整形外科を受診しましょう。
膝が痛い時はランニングしない方がいいですか?
痛みがあるうちは、無理に走らず負荷を下げることをおすすめします。炎症が起きている状態で走り続けると、回復が遅れたり症状が長引いたりすることがあります。
ランニングで膝が痛くなったら何日休めばいいですか?
休む日数は、痛みの程度や原因によって幅があり、一律に何日とは言い切れません。痛みが引くまで負荷を下げ、違和感がなくなってから徐々に戻すのが基本です。
ランニングで膝を痛めない走り方は?
着地を体の真下付近で受け、歩幅を広げすぎずリズムよく走ることが、膝への衝撃をやわらげる助けになります。背すじを伸ばした姿勢や、足に合ったシューズ選びも大切です。フォームの調整は自己流では難しい場合もある為、必要に応じて専門家に確認しながら整えていきましょう。
人工関節以外の新たな選択肢
「再生医療」
変形性膝関節症の方、慢性的なひざの
痛みにお悩みの方は是非ご検討ください。
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