60代女性です。最近、椅子から立ち上がって歩き出すときの一歩目に右膝の前側がズキッと痛みます。しばらく歩くと和らぐのですが、家事や買い物のたびに繰り返すので不安です。整形外科でレントゲンを撮ったところ大きな異常はなく、湿布と痛み止めを処方されて様子見になっています。階段の昇り降りも怖くなってきました。動き始めだけ強く痛むのは変形性膝関節症の始まりなのでしょうか?
レントゲンだけでは見えにくい原因が隠れているケースもあるため、症状の経過と画像検査を組み合わせて医師に評価してもらうことが大切です。
まず押さえるポイント
動き始めの一歩目だけズキッと痛む状態が続くと、「何か悪い病気では」と気がかりになりますよね。動き始めの痛みは、変形性膝関節症や軟骨・半月板の状態、関節の炎症などさまざまな原因で起こり、自己判断で原因を特定するのは難しいケースが少なくありません。
特にレントゲンで大きな異常が見られなくても、軟骨や半月板の状態は別の検査でないと分かりにくいことがあります。
少しでも気になる症状がございましたら、まずは無料でんわ相談からお気軽にお問い合わせください。
一歩目だけ膝が痛む仕組み(起動時痛)
ご自身の症状を整理する前に、なぜ動き始めの一歩目だけ強く痛むのか、その仕組みを簡単にご紹介します。膝関節は、骨の表面を覆う軟骨と関節内の滑液によって滑らかな動きが保たれています。
じっと座っている間や朝起きた直後は関節がこわばり、滑液の循環も滞りやすい状態とされています。
そこから急に立ち上がって体重をかけると、こわばった関節に大きな負担がかかり、損傷した軟骨や炎症のある部位に痛みが出やすいと考えられます。
動いているうちに関節が温まり滑液が行き渡ると痛みが和らぐ、というのが「一歩目だけ痛い」典型的なパターンです。
動き始めの痛みで考えられる主な原因
動き始めの一歩目に痛みが出やすい代表的な原因としては、下記のような疾患・状態が挙げられます。ご自身の症状と照らし合わせてみてください。
変形性膝関節症(軟骨のすり減り・中高年に多い)
半月板損傷(引っかかり感・ロッキング)
関節水腫・滑膜炎(腫れぼったさ・熱感)
鵞足炎(膝の内側下方を押すと痛む)
中高年で動き始めの痛みが続くケースで最も多いのが変形性膝関節症です。
軟骨がすり減って関節がスムーズに動きにくくなり、立ち上がりや一歩目のような始動の動作で痛みが出やすいとされています。
半月板損傷は中高年では加齢に伴う変性で起こることもあり、引っかかり感やカクッと崩れる感じを伴う場合は注意が必要です。
関節内に水がたまる関節水腫や滑膜炎では、膝のだるさや腫れぼったさを伴うことがあり、動き出しの違和感としても感じられます。
関連:変形性膝関節症の症状とステージ別の治療方針
一歩目の痛みに今すぐできる対処
いきなり負荷の高い動きを始めるのではなく、関節を温めて少しずつ動かす流れを意識すると、一歩目の痛みを和らげやすいとされています。下記を目安に、ご自身のペースで取り入れてみてください。
朝起きてすぐは布団の中で足首をゆっくり動かし、関節を温めてから立ち上がる
立ち上がる前に膝を軽く曲げ伸ばしし、滑液を行き渡らせる
太もも前後(大腿四頭筋・ハムストリングス)の軽いストレッチを習慣にする
体重・体型を見直し、膝にかかる負担を減らす
痛みが出る動作は無理に繰り返さず、温めて様子を見る
特に大腿四頭筋(太ももの前側)の筋力が落ちると膝への衝撃が直接かかりやすくなるため、椅子に座って片足ずつ膝を伸ばす運動などを少しずつ続けると、関節の安定に役立つ可能性があります。
冷えるとこわばりが強くなる方は、入浴や蒸しタオルで温めると動き始めが楽になることがあります。
痛みが強い時期は無理せず、激しい運動は避けてください。
関連:寝ながら・座りながらできる膝のストレッチ4選
受診の目安(緊急サインと3つの区分)
ご自身の状態がどのくらい急ぎなのか、迷われる方も多いと思います。下記の目安に照らしながら、適切なタイミングで医療機関に相談していただくのが安心です。
今すぐ受診: 体重をかけられない/強い腫れ・熱感/膝が引っかかって動かない(ロッキング)/外傷後の強い痛み/発熱を伴う(すぐにお近くの一般の整形外科を受診してください)
近日中に受診: 数日以上痛みが続く/徐々に悪化している/日常生活や仕事に支障が出ている
様子見可: 軽い違和感が短期間で改善傾向にあり、生活への支障がない
整形外科で湿布や痛み止めを処方されて様子を見ているものの、動き始めの痛みが落ち着かない場合も、原因を改めて整理するタイミングといえます。
特に動き始めの痛みが数日以上続いている方や、徐々に悪化している方は、症状の経過を整理し、原因を画像検査で確認しておくと安心です。
受診を検討される方は、下記から診察予約が可能です。
検査で分かること・治療の選択肢
「レントゲンで異常なし」と言われても痛みが続くと、不安が残りますよね。膝の痛みは複数の検査を組み合わせたり、問診触診などの診察を行うことで原因がより詳しく分かることがあります。
レントゲンでは骨の変形や関節の隙間の状態が確認できますが、軟骨・半月板・靭帯など軟部組織の評価にはMRIが役立つとされています。
動き始めの痛みが続いていて原因が特定できていない場合、MRIによる精査が原因特定の助けになります。
治療は、薬物療法・ヒアルロン酸注射・リハビリなどの保存療法が基本です。
これらでコントロールが難しい場合や、手術には踏み切りたくないという方の選択肢として、当院のPRP-FDや培養幹細胞を用いた再生医療が用いられることもあります。
適応や限界には個人差があるため、医師の診察を受けたうえで検討することが大切です。
ご自身の膝の状態をMRIで詳しく確認したい方は、下記から検査の予約が可能です。
関連:レントゲンとMRIの違いと膝の痛みの原因
この相談を見た方におすすめのQ&A
動き始めの膝の痛みについて、より具体的な相談事例もご参考になります。下記のQ&Aでは、変形性膝関節症の初期症状かどうかの判断基準や、歩き始めに膝と股関節が連動して痛むケースの原因について、それぞれ専門医が回答しています。
ご自身の症状と近いものがあれば、あわせてご確認ください。
関連:休むと治る膝の痛みは放置していい?変形性膝関節症の初期症状の見分け方
関連:歩き始めに膝と股関節が同時に痛む原因
まとめ
動き始めの一歩目に膝が痛む背景には、変形性膝関節症の初期症状や軟骨・半月板のトラブル、関節の炎症など、レントゲンだけでは見えにくい原因が隠れていることがあります。数週間以上痛みが続いている方や、整形外科で経過を見ているものの改善しない方、まず治療の選択肢を詳しく知りたい方は、当院でMRIをもとに再生医療を含む治療の適応を一緒にご相談いただけます。
外傷直後で発症1ヶ月未満の方や、膝以外の部位の痛みが中心の方は、まずかかりつけの整形外科にご相談ください。
関連記事:立ち上がるときの膝の痛みの原因と対処法
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