「歩き始めや階段で膝関節に痛みや違和感がある」
「原因がわからず不安だが、病院へ行くべきレベルなのか迷っている」
こうした膝の不調は日常生活への影響が大きいため、多くの方が悩まれています。
この記事では、整形外科専門医の視点から、痛みを引き起こす「主な原因」・「疑われる病気」、そして最新の治療法を解説します。
結論からお伝えすると、膝関節の痛みや違和感は、軟骨のすり減りや半月板の損傷が始まっているサインの可能性が高く、自己判断での「放置はNG」です
症状ごとに原因やアプローチが全く異なるため、まずは痛みの原因を正しく知り、必要に応じてMRI検査などで関節内部を正確に把握することが、痛みを根本から解決する第一歩となります。
目次
- 膝関節の「仕組み」と「構造」を知ろう
- 膝関節を構成する4つの主要な組織とその役割
- 膝関節に「痛み」や「違和感」が生じる3つの原因
- 原因①加齢による「軟骨のすり減り」や筋力低下
- 原因②スポーツや日常生活での「使いすぎ(オーバーユース)」
- 原因③事故やスポーツでの「ケガ(外傷)」
- 【症状別】膝関節の痛みが知らせるサインと疑われる病気
- 症状別の疑われる疾患リスト
- 立ち上がりや階段で痛む:「変形性膝関節症」の可能性
- 引っかかり・ポキポキ音・動かなくなる:「半月板損傷」の可能性
- 膝が腫れる・水が溜まる:関節内で強い「炎症」が起きているサイン
- 膝の裏・内側・外側の痛み:その他の疾患(鵞足炎、ランナー膝など)
- 膝関節の異常を見逃さない!「レントゲン」と「MRI」の違い
- レントゲン検査の限界(骨の隙間しか見えない)
- 軟骨や靭帯の異常を直接発見できる「MRI検査」の重要性
- 膝関節の痛みを改善する主な治療法と「再生医療」
- 湿布やヒアルロン酸などの「保存療法」とその限界
- 手術療法(人工関節・骨切り術)のメリット・デメリット
- 第3の選択肢「再生医療(PRP療法・幹細胞治療)」
- 膝関節の痛みは放置していい?整形外科を受診するサイン
- 家庭で様子を見ても良いケース
- 一度専門医(整形外科)の診察・MRIを検討すべき危険サイン
- まとめ:膝関節の痛みは放置せずまずは原因の特定を
膝関節の「仕組み」と「構造」を知ろう
膝の痛みや違和感の正体を知るためには、まず「ご自身の膝関節がどのような仕組みで動いているのか」を理解することが大切です。
結論、膝関節は「骨」「軟骨」「半月板」「靭帯」の4つの組織が連携して、体重を支えながらスムーズな動きを実現しています。
私たちの膝は、単なるドアの蝶番(ちょうつがい)のような単純な構造ではありません。
複数の組織が絶妙なバランスで助け合うことで、歩く・走る・しゃがむといった複雑で負担の大きい動作を可能にしています。
膝関節を構成する4つの主要な組織とその役割
膝関節は、主に以下の4つの組織から成り立っています。
難解な解剖学用語はなるべく使わず、それぞれの働きをわかりやすく整理してみましょう。
- ・骨(体を支える土台)
膝関節は、太ももの骨である「大腿骨(だいたいこつ)」、すねの骨である「脛骨(けいこつ)」、そして膝のお皿と呼ばれる「膝蓋骨(しつがいこつ)」の3つの骨で構成されています。これらが組み合わさり、私たちの全体重を支える強固な土台として機能しています。 - ・軟骨(摩擦を減らすカバー)
骨と骨が直接ぶつからないよう、骨の先端表面を覆っている厚さ数ミリのツルツルとした組織が「関節軟骨」です。氷の上を滑るよりも摩擦が少ないとされており、膝をスムーズに曲げ伸ばしするための潤滑機能を持っています。 - ・半月板(衝撃を吸収するクッション)
大腿骨と脛骨の隙間にある、三日月型をした軟骨組織が「半月板(はんげつばん)」です。歩行時やジャンプ時に膝にかかる強い衝撃を吸収・分散させる、非常に重要なクッションの役割を担っています。 - ・靭帯(ぐらつきを防ぐバンド)
骨と骨をしっかりと繋ぎ止めている、丈夫なスジのような組織です。前後左右に走る複数の靭帯が強力なバンドの役割を果たすことで、膝関節が不安定にぐらつくのを防いでいます。
膝の痛みは「連携の崩れ」から始まります。膝関節は、これら4つの組織のどれか一つでもダメージを受けると、途端に全体のバランスが崩れてしまいます。
例えば、加齢や長年の負荷で「軟骨」がすり減ったり、「半月板」が傷ついたりすると、その摩擦や炎症が周囲の組織(関節を包む滑膜など)を刺激し、辛い「痛み」や「腫れ」を引き起こすと考えられています。
膝関節に「痛み」や「違和感」が生じる3つの原因
これほど精巧な仕組みを持つ膝関節に、なぜ痛みが生じてしまうのでしょうか。
膝関節の不調は主に「加齢による軟骨のすり減り」「スポーツ等での使いすぎ」「ケガなどの外傷」の3つが原因で起こります。
ご自身のこれまでの生活や思い当たる出来事と照らし合わせてみてください。
原因①加齢による「軟骨のすり減り」や筋力低下
私たちの膝には、ただ歩くだけでも体重の約3倍、階段の昇り降りでは約4倍もの大きな負荷がかかるとされています。
長年にわたりこの重みを支え続けることで、骨の表面を覆っているクッション(関節軟骨)は少しずつ摩耗し、すり減っていきます。
さらに、30代、40代と年齢を重ねるにつれて、運動習慣がないと膝を周囲から支えている太ももの筋肉(大腿四頭筋など)が衰えやすくなります。
筋力が低下すると、本来筋肉が吸収してくれていた衝撃が直接関節の内部に伝わるようになり、より一層軟骨のすり減りを加速させてしまうのです。
この「軟骨の摩耗」と「筋力低下」の悪循環こそが、中高年の方に最も多い膝の病気である「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」の根本的な原因と考えられています。
原因②スポーツや日常生活での「使いすぎ(オーバーユース)」
2つ目の原因は、スポーツや長時間の肉体労働などによる「膝の使いすぎ(オーバーユース)」です。
例えば、バレーボールやバスケットボールなどでの繰り返しのジャンプ動作、ランニングでの長距離の走り込み、あるいは仕事で重い荷物を何度も持ち運ぶ、何度も深くしゃがみ込むといった動作がこれに当たります。
人間の体には自己修復能力がありますが、十分な休息をとる間もなく特定の関節に同じ負荷がかかり続けると、修復が追いつかなくなります。
その結果、膝を安定させる「靭帯」や、筋肉と骨を繋ぐ「腱(けん)」、衝撃を吸収する「半月板」などに目に見えない小さなダメージが蓄積し、やがて強い炎症を起こして痛みに変わります。
レントゲン検査で「骨に異常なし」と診断されても痛みが続く場合、その多くは軟骨や靭帯などの「軟部組織」に原因があります。酷使によってこれらの組織に負荷がかかり、炎症や損傷が起きていることは決して少なくありません。
原因③事故やスポーツでの「ケガ(外傷)」
3つ目の原因は、スポーツ中の接触事故や転倒、日常生活での予期せぬケガ(外傷)です。
「ジャンプの着地で膝が内側にガクッと入った」「急に方向転換しようとして膝を強くひねった」といった不自然で強い力が瞬間的に関節に加わると、骨を繋ぎ止めている靭帯が切れてしまったり(靭帯損傷・断裂)、クッションである半月板が裂けてしまったり(半月板損傷)することがあります。
ケガをした直後は、膝が大きく腫れたり、激しい痛みで歩けなくなったりするため、すぐに病院を受診する方が多いでしょう。
しかし注意が必要なのは、「痛みが引いたから治った」と自己判断して放置してしまうケースです。
靭帯や半月板が傷ついたまま放置すると、膝のぐらつき(不安定感)が残り、数年後、数十年後に軟骨のすり減りを急速に早める原因になることが分かっています。
昔のケガが、今の膝の痛みの引き金になっていることも珍しくないのです。
【症状別】膝関節の痛みが知らせるサインと疑われる病気
痛むタイミングや場所、音などの「症状」によって、変形性膝関節症や半月板損傷など、疑われる疾患が大きく異なります。
「自分の膝の痛みはどの病気なんだろう?」
「このまま放置していいのか、それとも病院へ行くべきなのか」
と不安に思う方は多いはずです。膝関節の疾患は、症状が現れるタイミングや痛む場所、そして「音」などにそれぞれ特有のサインがあります。
ご自身の症状と以下のリストを照らし合わせてみましょう。
症状別の疑われる疾患リスト
まずは、ご自身の現在の症状に最も近いものを、以下の表から見つけてみてください。
▶膝関節の症状と疑われる疾患早見表
| 主な症状・痛むタイミング | 疑われる代表的な疾患 | 主な原因・状態 |
|---|---|---|
| 朝の歩き始めや、階段の昇り降りで痛む | 変形性膝関節症 | 軟骨のすり減りによる炎症 |
| 膝を曲げるとポキポキ鳴る、引っかかって動かない | 半月板損傷 | クッション(半月板)の亀裂・断裂 |
| 膝全体が腫れて熱を持っている、曲げづらい | 関節内の強い炎症 (水が溜まっている状態) | すり減った軟骨の削れカス等による滑膜の炎症 |
| 膝の内側・外側・お皿の下など、特定の場所だけが痛む | 鵞足炎、ランナー膝、靭帯損傷など | 使いすぎやフォーム不良によるスジ(腱・靭帯)の炎症 |
それぞれの疾患について、さらに詳しく解説していきます。
立ち上がりや階段で痛む:「変形性膝関節症」の可能性
中高年の方に最も多く、加齢とともに進行していくのが「変形性膝関節症」です。
初期の段階では、朝起きてベッドから立ち上がる瞬間や、歩き始めの最初の数歩に「なんとなく膝がこわばる」「重だるい違和感がある」といった症状から始まります。少し歩くと痛みが和らぐため「年のせいだろう」と放置されがちです。
しかし進行すると、階段の昇り降り(特に降りる時)に明確な痛みを感じるようになり、末期になると、軟骨が完全にすり減って骨同士が直接ぶつかるため、安静にしていてもズキズキと痛むようになります。
「最近、立ち上がるのがおっくうになってきた」という方は、すでに軟骨の摩耗が始まっているサインかもしれません。
引っかかり・ポキポキ音・動かなくなる:「半月板損傷」の可能性
「しゃがもうとすると膝からポキポキと異音がする」
「歩いていると突然、膝の中で何かが引っかかったようにガクッとなる」
といった症状がある場合、「半月板損傷」が疑われます。
半月板は膝の中でクッションの役割を果たしていますが、加齢による組織の劣化や、スポーツでの急なひねりによって、亀裂が入ったり裂けたりすることがあります。
特に注意が必要なのが、裂けた半月板の破片が関節の隙間に挟まり、急に膝が伸びも曲がりもしなくなる「ロッキング現象」です。激痛を伴い、自力ではどうにもならなくなることもあるため、引っかかり感やクリック音(ポキッという音)を放置するのは非常に危険とされています。
半月板損傷の詳しい治し方や、急に膝が動かなくなるロッキング現象については、以下の記事をご参照ください。
▷『半月板損傷とは?原因・症状・治療法・回復期間まで専門医がわかりやすく解説』
▷『半月板損傷でよくある膝のロッキングとは【原因・繰り返す時の対処法】』
膝が腫れる・水が溜まる:関節内で強い「炎症」が起きているサイン
「膝全体がパンパンに腫れて正座ができない」
「膝に水が溜まっているような重だるさがある」
という場合は、膝関節の内部で強い「炎症」が起きている明確なサインです。
膝関節は「滑膜(かつまく)」という袋状の組織で包まれており、通常は少量の関節液(潤滑油)で満たされています。
しかし、すり減った軟骨の削れカスなどがこの滑膜を刺激すると、体を守ろうとする免疫反応として、滑膜が過剰に関節液を分泌し始めます。これが「膝に水が溜まる(関節水腫)」という状態のメカニズムです。
水を抜いても、根本的な原因である関節内の炎症(軟骨のすり減りなど)を抑えない限り、再び水は溜まってしまいます。
膝に水が溜まる原因や自分でできる対処法については、こちらで詳しく解説しています。
▷『膝に水が溜まる原因は?初期症状チェックと対処法|抜いた方がいい目安』
膝の裏・内側・外側の痛み:その他の疾患(鵞足炎、ランナー膝など)
痛む「場所」がはっきりしている場合、骨や軟骨ではなく、膝を支えるスジ(腱や靭帯)が炎症を起こしている可能性があります。
例えば、膝の「内側」が痛む場合は、スポーツのやりすぎ等で内側の腱が炎症を起こす「鵞足炎(がそくえん)」が疑われます。
一方で、膝の「外側」が痛む場合は、ランニングなどで腸脛靭帯が骨と擦れて炎症を起こす「ランナー膝(腸脛靭帯炎)」の可能性が高いと考えられます。
また、膝の「裏側」がポッコリと腫れて痛む場合は、関節液が膝の裏の袋に溜まる「ベーカー嚢腫(のうしゅ)」などの疾患も考えられます。
場所によってアプローチが全く異なるため、どこが痛むのかを正確に把握することが重要です。
膝関節の異常を見逃さない!「レントゲン」と「MRI」の違い
膝が痛くて整形外科を受診した際、まず初めに行われるのがレントゲン(X線)検査です。
しかし、「レントゲンを撮って『骨には異常ありません』と言われたのに、どうしても痛みが引かない」と不安を抱えて当院へご相談にいらっしゃる患者様は後を絶ちません。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
結論、レントゲン検査では骨の異常しか分からず、膝関節の痛みの原因となる「軟骨」や「半月板」の状態を正確に知るにはMRI検査が必要だからです。
レントゲン検査の限界(骨の隙間しか見えない)
レントゲン検査は、骨折や脱臼といった「骨の異常」や、骨の変形の度合いを全体的に把握するのには非常に優れた検査です。
しかし、レントゲン(X線)はカルシウムを多く含む「骨」は白く写し出せますが、水分を多く含む「軟骨」「半月板」「靭帯」「筋肉」といった柔らかい組織(軟部組織)は透けてしまって、画像には写りません。
軟骨がすり減っているかどうかは、「骨と骨の間の隙間がどれくらい狭くなっているか」を見て間接的に推測することしかできないのです。
そのため、レントゲン検査で「異常なし」と診断されても、決して「膝に問題がない」わけではありません。
「レントゲンには写らない軟骨や半月板、靭帯などの部分に、痛みの本当の原因が隠れている可能性が高い」というのが正確な解釈となります。
この事実を知らずに痛みを我慢し続けると、知らず知らずのうちに症状を悪化させてしまうケースが多いため注意が必要です。
軟骨や靭帯の異常を直接発見できる「MRI検査」の重要性
そこで、膝関節の痛みの原因を根本から突き止めるために欠かせないのが「MRI(磁気共鳴画像)検査」です。MRIは強力な磁石と電波を利用して、体の断面をあらゆる角度から画像化する検査です。
レントゲンでは透けてしまっていた「関節軟骨のわずかなすり減り」「半月板の微小な亀裂」「靭帯のダメージ」「滑膜の炎症」さらには「骨の内部に生じた炎症(骨髄浮腫:こつずいふしゅ)」や「水が溜まっている状態」まで、非常に鮮明に映し出すことができます。
痛みの原因がはっきりと目で見えるようになるため、「ただ湿布を貼って様子を見る」といった手探りの対応ではなく、ご自身の今の膝の状態に適した、的確な治療方針を立てることが可能になります。
「原因がわからず不安」というお悩みを解消するためにも、痛みが続く場合は早期にMRI検査を受けることが推奨されます。
MRI検査で具体的にどのような画像が見えるのか、レントゲンとの詳しい違いについては、以下の記事で解説しています。
▷『膝のMRI検査で何がわかる?知っておきたいMRIとレントゲンの違い』

膝関節の痛みを改善する主な治療法と「再生医療」
MRI検査などで膝関節の痛みの原因(病気)が特定できたら、次はその状態に合わせた治療を選択することになります。
治療には一般的なお薬やリハビリといった「保存療法」と「手術」がありますが、近年は手術を避ける第3の選択肢「再生医療」も注目されています。
「自分の膝はどのように治していくのだろう?」「どうしても手術は避けたい」と不安に思われる方も多いでしょう。ここでは、膝関節治療の3つの大きな選択肢について解説します。
湿布やヒアルロン酸などの「保存療法」とその限界
膝の痛みで整形外科を受診した際、まず第一選択となるのが「保存療法」です。
具体的には、痛みを和らげるための湿布や飲み薬(消炎鎮痛剤)の処方、関節の滑りを良くして炎症を抑える「ヒアルロン酸注射」、そして膝を支える太ももの筋肉を鍛えるリハビリテーション(運動療法)などが行われます。
これらは初期から中期の症状に対して、痛みを緩和し日常生活を過ごしやすくするために非常に有効とされています。
しかし、患者様ご自身に知っておいていただきたい「保存療法の限界」もあります。それは、湿布やヒアルロン酸注射はあくまで「今ある痛みや炎症を抑えるための対症療法」であり、「すり減ってしまった軟骨を元通りに再生させるわけではない」ということです。
そのため、「何ヶ月もヒアルロン酸を打ち続けているのに、すぐに痛みがぶり返す」という場合は、すでに軟骨のすり減りや組織の破壊が、保存療法でコントロールできる限界を超えている(改善しないケースである)可能性があります。
こちらの記事では、ヒアルロン酸注射の具体的な効果や限界、そして「やめ時」の目安について医師が詳しく解説しています。
▷『膝にヒアルロン酸を打ち続けるとどうなる?効果・限界・やめ時を医師が解説』
手術療法(人工関節・骨切り術)のメリット・デメリット
保存療法を長く続けても痛みが改善せず、歩行や階段の昇り降りなど日常生活に大きな支障が出ている重症例では、最終的な手段として「手術療法」が検討されます。
代表的なものとして、傷んだ関節の表面を削り取って金属やプラスチックの人工物に置き換える「人工膝関節置換術」や、すねの骨を切って角度を調整し、軟骨が残っている部分に体重がかかるようにする「高位脛骨骨切り術」などがあります。
手術の最大のメリットは、痛みの原因となっている骨や関節の変形そのものを物理的に直すため、痛みの根本的な改善が期待できる点です。
一方でデメリットも存在します。
体にメスを入れるため身体的な負担が大きく、術後の感染症などの合併症リスクもゼロではありません。
また、数週間程度の入院と、退院後も長期間にわたる過酷なリハビリが必要になるため、「痛いのは辛いけれど、長期入院はできない」「どうしても手術は怖い」とためらってしまう方が多いのも事実です。
こちらの記事では、人工関節の手術を検討する際に必ず知っておきたいメリット・デメリットやリスクについて客観的に解説しています。
▷『人工膝関節置換術の注意点【禁忌、メリット・デメリット】』
第3の選択肢「再生医療(PRP療法・幹細胞治療)」
「いつ終わるかわからない通院(保存療法)をやめたい」「でも、手術で体にメスを入れるのは避けたい」と悩む患者様への新たな選択肢として、近年注目を集めているのが「再生医療」です。
▶治療選択肢比較表
| 治療法 | 主な目的・アプローチ | メリット | デメリット | 入院の有無 |
|---|---|---|---|---|
| 保存療法 (投薬・注射・リハビリ) | 痛みの緩和 (対症療法) | 手軽に始められる。体への負担が最も少ない。 | 根本的な解決にはならず、重症化すると効果が薄い。 | 不要(通院) |
| 手術療法 (人工関節・骨切り術等) | 関節の物理的修復 | 痛みの根本的な改善・劇的な効果が期待できる。 | 入院・長期間のリハビリが必要。体への負担(メス)が大きい。 | 必要 (数週間〜) |
| 再生医療 (PRP・ASC等) | 組織の修復促進・抗炎症 | 日帰りで可能。ご自身の組織を使うため拒絶反応リスクが低い。 | 自由診療(保険適用外)のため、費用が高額になるケースがある。 | 不要(日帰り) |
膝関節に対する再生医療には、患者様ご自身の血液から修復成分だけを抽出して膝に注射する「PRP療法」や、ご自身の脂肪から幹細胞を取り出して培養し投与する「培養脂肪由来幹細胞(ASC)治療」などがあります。
これらは、ご自身が本来持っている「治す力(自己治癒力)」を最大限に引き出して、関節内の長引く炎症を抑えたり、痛みを改善したりする治療法です。
人工物(異物)ではなくご自身の血液や脂肪を使用するため、アレルギーや拒絶反応のリスクが極めて低いと考えられています。また、手術のように体にメスを入れる必要がないため、日帰りで治療が完了し、翌日から通常の生活に戻れる点が最大のメリットです。
すべての痛みが必ず治るという魔法の治療ではありませんが、国の認可を受けた施設でのみ提供される、科学的根拠に基づいた治療の一つです。
「もう手術しかない」と諦める前に、こうした新しい治療の適応があるかどうか、一度専門の医師に相談してみるのも良いでしょう。
症状の進行度やライフスタイルによって適切な治療法は異なります。まずは専門医にご自身の状態を正しく診断してもらい、納得のいく治療方針を一緒に見つけていくことが大切です。

膝関節の痛みは放置していい?整形外科を受診するサイン
「この程度の痛みで病院に行ってもいいのだろうか」「少し休めば治るかもしれないし…」と、受診をためらってしまうお気持ちはよくわかります。
しかし、膝関節の痛みには「様子を見てもいいケース」と「放っておくと危険なケース」があります。ご自身の状態を客観的に判断するための基準をお伝えします。
結論、数日で治る軽い違和感なら様子を見ても良いですが、痛みが長引く場合や日常生活に支障が出る場合は、早めに整形外科を受診してください。
家庭で様子を見ても良いケース
もし、現在の膝の痛みが以下のような状態であれば、慌てて病院を受診する必要性は低く、ご家庭でのセルフケアで様子を見ていただいても問題ないと考えられます。
- ・たくさん歩いた後など、一時的に太ももやふくらはぎの筋肉が張って痛い
- ・痛みや違和感が出ても、一晩しっかり休めば翌日には治まっている
- ・歩行や階段の昇り降りなど、日常生活の動作には全く支障がない
このような場合は、お風呂で温めて血行を良くしたり、無理のない範囲でストレッチを行ったりして、関節への負担を減らしてあげることで自然な改善が期待できます。
一度専門医(整形外科)の診察・MRIを検討すべき危険サイン
一方で、膝の痛みが長引いていたり、以下のような症状が現れている場合は、すでに膝関節の内部(軟骨や半月板など)で損傷や強い炎症が起きている可能性が高いです。
自己判断での放置は避け、早急に専門医の診察を受けることを検討してください。
▶受診判断チェックリスト
- ・膝全体が腫れている、熱を持っている
- ・階段の昇り降り(特に降りる時)が辛く、手すりがないと不安だ
- ・安静にしていても痛みが引かず、2週間以上続いている
- ・膝を曲げ伸ばしするとポキポキと音が鳴り、引っかかりを感じる
これらのサインは、膝関節からのSOSです。
痛みを放置して軟骨がすり減りきってしまう前に、ご自身の膝関節の現状を正しく把握することが何よりも大切です。
「レントゲンだけでなくMRIで正確な状態を把握すること」が、根本的な改善を目指す第一歩となります。
もし受診すべきか迷った場合や、長引く痛みに不安を感じている場合は、当院の無料電話相談をお気軽にご利用ください。

まとめ:膝関節の痛みは放置せずまずは原因の特定を
本記事で解説してきた通り、膝関節は骨や軟骨、半月板、靭帯などが複雑に連携して動く構造をしています。
そのため、ひとくちに「膝の痛みや違和感」と言っても、その背後には「変形性膝関節症」や「半月板損傷」など、様々な疾患が隠れている可能性があります。
「たかが違和感だから」と自己判断して放置してしまうと、軟骨のすり減りや組織の破壊が進行し、取り返しのつかない状態になりかねません。
「痛み=放置NG」ということをぜひ覚えておいてください。
膝関節の痛みは、原因を正しく知ることが改善の第一歩です。「病院で手術しかないと言われたから」「もう年のせいだから」と諦める必要はありません。
まずはご自身の軟骨や半月板がどうなっているか、レントゲンだけでなくMRIで正確な状態を把握することが、適性な治療(再生医療などの新たな選択肢)を見つけるカギとなります。
当院では、待ち時間なく膝の詳細な状態がわかる「MRIひざ即日診断」を実施しております。
「私の膝の痛みはどの病気?」「手術をせずに治す方法はないの?」とお悩みでしたら、お一人で抱え込まず、まずは無料の電話相談でお気軽にお悩みをお聞かせください。

人工関節以外の新たな選択肢
「再生医療」
変形性膝関節症の方、慢性的なひざの
痛みにお悩みの方は是非ご検討ください。
電話から
電話受付時間 9:00 〜18:00/土日もOK
ネットから