膝裏のしこりはがんの可能性がある?原因と特徴、受診の目安を解説

膝裏のしこりはがんの可能性がある?原因と特徴、受診の目安を解説

更新日:2026.07.15

「膝の裏に丸いしこりがあって、がんではないかと心配……」
「膝裏がぷっくり膨らんでいて、何か悪い病気ではないか不安」
「しこりが少しずつ大きくなっている気がする」
膝裏にしこりを見つけると、「がんではないか」と不安になる方は少なくありません。
膝裏のしこりは良性の嚢胞や腫瘤であることが多いとされていますが、なかには早めの検査や確認が必要なケースもあります。
この記事では、膝裏にしこりができる主な原因、悪性腫瘍が疑われるサイン、受診先の目安を解説します。
しこりに加えて慢性的な膝の痛みがある方に向けて、再生医療という選択肢もあわせて確認していきましょう。

膝裏にできるしこりの正体とは?

膝裏にしこりを感じたときは、まず膝裏の構造と、どのような原因で腫れや膨らみが出るのかを整理しておくことが大切です。

膝裏のしこりは良性のことが多い一方で、急に大きくなる、硬くて動きにくい、安静時や夜間にも痛む場合は、早めに医療機関で相談しましょう。

膝裏の空間「膝窩(しっか)」について

膝の裏側にあるくぼんだ部分は「膝窩」と呼ばれます。

この部位には血管・神経・筋肉・腱などが集まっており、膝関節の動きとも深く関係する場所です。

膝窩の周囲には滑液包と呼ばれる袋状の組織もあり、関節液がたまると膨らみやしこりとして触れることがあります。

変形性膝関節症や半月板損傷などで膝関節内に炎症がある場合、その影響が膝裏に現れることもあります。

しこりの多くは良性の嚢胞や腫瘤

膝裏のしこりとして比較的多く見られるのは、ベーカー嚢胞と呼ばれる良性の嚢胞です。

そのほか、脂肪腫や粉瘤、ガングリオンなどが原因になる場合もあります。

悪性腫瘍が膝裏に発生する可能性はありますが、頻度としてはまれとされています。

ただし、見た目や触った感覚だけで良性か悪性かを判断することは難しいため、気になる変化がある場合は自己判断で放置しないようにしましょう。

膝裏にしこりができる主な原因

膝裏にしこりができる原因としては、次のようなものが考えられます。

・関節液がたまることで生じるベーカー嚢胞
・脂肪組織が限局的に増える脂肪腫
・皮脂などが皮膚の下にたまる粉瘤
・半月板や靭帯周囲に生じるガングリオン
・まれにみられる悪性軟部腫瘍

しこりの原因によって受診先や治療方針が異なるため、大きさや硬さ、痛みの有無、いつ頃から気付いたかなどを確認しておくと、診察の際に役立ちます。

しこりと膝の痛みの関係

しこりがあるからといって、必ず痛みを伴うわけではありません。

小さなベーカー嚢胞や脂肪腫では、無症状のまま経過することもあります。

一方で、しこりが大きくなると周囲の神経や筋肉が圧迫され、膝を曲げ伸ばししたときの違和感や鈍い痛みにつながる場合があります。

ベーカー嚢胞が破裂すると、ふくらはぎに急な痛みや腫れが出ることもあるため、強い痛みや急な腫れを伴う場合は整形外科を受診してください。

膝裏の痛みについては、こちらの記事も参考になります:

▶『膝の裏が痛い・腫れるのはなぜ?原因や治し方・ストレッチ方法を解説』

代表的な膝裏の良性のしこり

膝裏のしこりにはいくつかの種類があります。

ここでは、比較的よく見られる良性のしこりについて確認していきましょう。

ベーカー嚢胞

ベーカー嚢胞は、膝裏の滑液包に関節液がたまり、袋状に膨らんだ状態を指します。

触れると柔らかく弾力があり、膝を伸ばしたときや立っているときに張りを感じることがあります。

膝を曲げると目立ちにくくなることもあり、姿勢によって大きさの感じ方が変わることもあるでしょう。

背景には、変形性膝関節症・関節リウマチ・半月板損傷などが関連することも少なくありません。

項目 ベーカー嚢胞の特徴
触感 柔らかく、弾力を感じることがある
動き 比較的動きやすいことが多い
痛み 無症状から軽い違和感までさまざま
関連する疾患 変形性膝関節症・関節リウマチ・半月板損傷など
対応の考え方 嚢胞だけでなく、背景にある膝関節の状態を確認する

小さなベーカー嚢胞は自然に小さくなることもあります。

ただし、膝関節内の炎症が続いている場合は、しこりが再び目立つこともあるとされています。

膝に水がたまる仕組みについては、こちらの記事も参考になります:

▶『膝に水が溜まる原因は?初期症状チェックと対処法|抜いた方がいい目安』

脂肪腫

脂肪腫は、脂肪組織の一部が限局的に増えた良性の腫瘤です。

触れると柔らかく、皮膚の下でゆっくり動くように感じることがあります。

痛みを伴わないことが多く、数カ月から数年かけて少しずつ大きくなることも珍しくありません。

一般的には良性ですが、脂肪肉腫など見た目が似た悪性腫瘍との区別が難しい場合があります。

大きさが増してきた、硬さが変わった、深い場所にあるように感じる場合は、整形外科などで受診しましょう。

粉瘤

粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に皮脂や角質がたまった状態です。

膝裏に限らず、全身のさまざまな部位に生じることがあります。

中央に黒い点が見えることがあり、感染すると赤み・腫れ・痛みを伴うことも少なくありません。

感染を繰り返す場合や生活に支障がある場合は、皮膚科や形成外科などで処置が検討されることもあります。

膝裏のしこりが悪性腫瘍(がん)である可能性

膝裏のしこりの多くは良性ですが、悪性腫瘍の可能性を完全に否定することはできません。

この章では、注意したいサインと受診の目安を確認します。

悪性軟部腫瘍とは

悪性軟部腫瘍とは、筋肉・脂肪・血管・神経・腱などの軟部組織に発生する悪性腫瘍の総称です。

「軟部肉腫」と呼ばれることもあり、発生頻度は比較的まれとされています。

膝周辺や大腿部など、四肢に発生することもあるため、特徴的なサインを知っておくことが大切です。

受診を急いだ方がよいしこりの特徴

次のような特徴がある場合は、整形外科や軟部腫瘍を扱う医療機関で早めに相談してください。

・短期間でしこりが大きくなっている
・直径5cm以上の大きさがある、または大きくなり続けている
・硬く、皮膚や周囲の組織に固定されているように感じる
・安静時や夜間にも痛みが続く
・しこりの周囲に赤み・熱感・強い腫れがある
・打撲・捻挫・骨折などの外傷後にしこりや腫れが出てきた

これらに当てはまる場合は、まず整形外科や専門医療機関で悪性腫瘍・感染・外傷の有無を確認することが優先されます。

自己判断だけで良性か悪性かを見分けるのは困難です

しこりの硬さや触った感触だけで、良性か悪性かを判断することはできません。

悪性軟部腫瘍の一種である脂肪肉腫は、比較的柔らかく感じられる場合もあります。

また、ベーカー嚢胞でも破裂や炎症によって急な痛みや腫れが出る場合があります。

しこりの変化が続く場合は整形外科などの医療機関で画像検査を含めた診察を受けることが大切です。

医療機関で行われる検査と診断の流れ

膝裏のしこりを診てもらう際は、問診・触診・画像検査を組み合わせて評価することが一般的です。

必要に応じて、専門機関への紹介や組織検査が検討されます。

問診と触診

医療機関では、しこりに気づいた時期、大きさの変化、痛みの有無、日常生活への影響などを確認します。

触診では、しこりの大きさ・形・硬さ・動きやすさ・皮膚との癒着の有無などを確認する流れです。

問診と触診だけで確定診断を行うことは難しいため、必要に応じて画像検査へ進むことがあります。

画像検査

膝裏のしこりの評価では、超音波検査やMRI検査(単純MRI検査、造影MRI検査)が用いられることがあります。

超音波検査は、しこりが液体を含む嚢胞かどうかを確認する際に役立つ場合があります。

MRI検査は、軟部組織の内部構造や周囲組織との関係を確認しやすい検査です。

ベーカー嚢胞だけでなく、半月板損傷や軟骨の状態など、背景にある膝関節の問題を調べるうえでも参考になります。

MRI検査でわかることについては、こちらの記事でも詳しく解説しています:

▶『膝のMRI検査で何がわかる? 知っておきたいMRIとレントゲンの違い』

組織検査や専門機関への紹介

画像検査で悪性腫瘍が疑われる場合は、軟部腫瘍を扱う専門機関でより詳しい検査が行われることがあります。

確定診断には、組織の一部を採取して調べる病理検査が行われる場合もあります。

悪性が疑われるしこりを自己判断で揉む、強く押す、放置し続けることは避けましょう。

ベーカー嚢胞と変形性膝関節症の関係

ベーカー嚢胞は、しこり単独の問題ではなく、膝関節内の炎症や変形と関連して現れることがあります。

とくに慢性的な膝の痛みを伴う場合は、膝関節全体の状態を確認することが大切です。

変形性膝関節症でしこりができやすい理由

変形性膝関節症では、軟骨のすり減りなどにより関節内で炎症が起こり、関節液が増えることがあります。

余分な関節液が膝裏の滑液包にたまると、ベーカー嚢胞として触れる場合があります。

そのため、嚢胞だけを処置しても、背景にある膝関節の炎症や変形が続くと再び膨らみが目立つことも少なくありません。

長期的には、しこりだけでなく膝関節そのものの状態を確認することが重要です。

変形性膝関節症の治療については、こちらの記事も参考になります:

▶『変形性膝関節症の治し方を徹底解説!治療ごとのメリット・デメリットは?』

膝の痛みとしこりが同時にある場合

ベーカー嚢胞に加えて慢性的な膝の痛みがある場合は、膝関節内の炎症や軟骨のすり減りが関係している可能性があります。

整形外科で治療を続けても痛みが十分に軽減しない場合、治療の選択肢を見直すことも一つの方法です。

ただし、しこりだけが気になる場合や悪性腫瘍が疑われる場合は、まず整形外科や専門機関を受診してください。

膝裏のしこりで受診すべき科と注意点

膝裏のしこりは、症状や経過によって適した受診先が異なります。

がん(悪性腫瘍)の可能性が気になる場合や、しこりの正体を確認したい場合は、まず整形外科で相談することをおすすめします。

まず整形外科を受診した方がよいケース

以下のような症状がある場合は、自己判断せず、まずは整形外科などの医療機関で相談しましょう。

・しこりが短期間で大きくなっている
・しこりが硬く、動きにくい
・安静にしていても痛みがある、または夜間に痛む
・膝に強い腫れ・熱感・赤みがある
・打撲・捻挫・骨折などの外傷後にしこりができた

また、痛みがなくても、しこりの原因がわからない場合や、長期間続いている場合は、一度医療機関で確認することをおすすめします。

慢性的な膝痛で再生医療が選択肢となるケース

ひざ関節症クリニックは、慢性的な膝の痛みに対して再生医療をご提案しているクリニックです。

しこりそのものの診断や、がんの精密検査を目的とした医療機関ではありません。

一方で、ベーカー嚢胞の背景に変形性膝関節症などがあり、慢性的な膝の痛みが続いている場合は、再生医療が治療の選択肢となることがあります。症状や膝の状態によって適応は異なるため、気になる方は一度ご相談ください。

膝に痛みがなく、しこりのみが気になる場合は、お近くの整形外科などの医療機関でご相談ください。

当院へご相談いただくケースとしては、主に次のようなものがあります。

・膝に痛みがあり、再生医療について詳しく知りたい方
・整形外科で治療を続けても慢性的な膝の痛みが続いている方
・変形性膝関節症などによる膝の痛みがあり、手術以外の選択肢について知りたい方

慢性的な膝の痛みが続く場合の治療選択肢

整形外科で治療を続けても膝の痛みが続く場合、今後の治療について悩まれる方も少なくありません。そのような場合、手術以外の選択肢の一つとして再生医療を検討するケースがあります。

ここでは、再生医療の概要と、ひざ関節症クリニックでの診察の流れについてご紹介します。

再生医療とは

再生医療とは、患者さまご自身の細胞や血液由来の成分を活用し、損傷した組織の修復過程に働きかけることを目的とした治療法です。

膝の再生医療としては、PRP-FD(PFC-FD™)治療 や培養幹細胞治療などがあります。

当院では、血液由来の成分を活用する治療としてPRP-FD治療 を行っています。

PRP-FD治療 は、患者さまご自身の血液から抽出した血小板由来の成分を加工し、膝関節内へ注射する治療法です。

血小板由来の成長因子が組織の修復過程に働きかけ、炎症の軽減や痛みの緩和に関与する可能性があるとされています。

培養幹細胞治療は、ご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、膝関節へ投与する治療法です。

いずれもすべての方に同じ結果が得られるわけではないため、MRIデータをもとに適応可否や症状の改善が期待できるかどうかを確認することが大切です。

再生医療については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています:

▶『変形性膝関節症の最新治療 ~再生医療で膝の痛みを改善』

再生医療を検討する際の診察の流れ

ひざ関節症クリニックは、北海道から九州まで展開している再生医療に特化したクリニックです。

初診では、まずしっかりと膝の状態を詳しく確認します。

再生医療を検討する場合でも、初診日にすぐ治療を行うわけではありません。

まずはMRI画像などをもとに、医師が膝関節の状態や痛みの原因を確認します。

そのうえで、現在の症状に対して再生医療が選択肢となる可能性があるのか、またどのような治療方針が考えられるのかをご説明します。

「手術を勧められたけれど、ほかの選択肢も知りたい」

「長く膝の痛みが続いていて、原因を詳しく調べたい」

このようなお悩みがある方は、まずは現在の膝の状態を知ることから始めてみることも大切です。

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まとめ

膝裏のしこりは、ベーカー嚢胞・脂肪腫・粉瘤などの良性のしこりであることが多いとされています。

一方で、急に大きくなる、硬くて動きにくい、安静時や夜間にも痛むなどの特徴がある場合は、悪性腫瘍や感染、外傷後の変化も考慮して医療機関で受診することが大切です。

痛みがなくても、しこりが気になる場合や悪性の可能性が心配な場合は、まず整形外科などの医療機関に相談しましょう。

また、膝裏のしこりの原因がベーカー嚢胞で、その背景に変形性膝関節症などによる慢性的な膝の痛みがある場合には、膝の状態に応じた治療選択を考えることが重要です。

整形外科で治療を続けても痛みが続く方や、手術以外の治療選択肢について知りたい方は、再生医療という選択肢について検討することも1つの方法です。

膝のお痛みでお悩みの方は、ひざ関節症クリニックへご相談ください。

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