変形性膝関節症はどのくらいで治る?進行度別の改善期間と治療の選択肢を解説

変形性膝関節症はどのくらいで治る?進行度別の改善期間と治療の選択肢を解説

更新日:2026.08.13

変形性膝関節症と診断され、「この痛みは、どのくらいで治るのだろう」と気になっていませんか。
湿布や痛み止めを続けても、なかなか痛みがおさまらない日が続くと不安になるものです。
結論からお伝えすると、変形性膝関節症は軟骨が少しずつすり減っていく進行性の疾患で、完全に元の状態へ戻すことは難しいとされています。治療でめざすのは、症状をやわらげ進行をゆるやかにすることです。症状が落ち着くまでの期間は、進行の程度選ぶ治療法によって大きく変わります。発症初期であれば数週間から数か月で痛みが和らぐ方もいれば、症状が進行し、長く付き合っていかなくてはならない方もいます。
この記事では、変形性膝関節症の進行度ごとの改善期間の目安と、痛みをやわらげるための治療やセルフケアを整理します。

情報提供医師

服部 明典 医師

服部 明典 医師(名古屋ひざ関節症クリニック 院長)

日本整形外科学会認定 専門医

変形性膝関節症の痛みはどのくらいで治る?

冒頭でも記載しましたが、変形性膝関節症は進行性の疾患のため、完全に治すことは難しいです。

その前提で、変形性膝関節症による膝の痛みがどのくらいで和らぐ可能性があるのかは、多くの方が最初に気にされる点です。まずは見通しの全体像からお伝えします。

結論:症状がやわらぐ期間は「変形性膝関節症の進行度」で変わる

変形性膝関節症は、膝の関節にある軟骨が少しずつすり減り、痛みや動かしにくさが出てくる疾患です。すり減った軟骨は自然に元の状態まで回復しにくいため、治療では痛みをやわらげ、進行をゆるやかにすることが目的とします。

そのうえで、痛みが落ち着くまでにかかる期間は人によってさまざまです。同じ「変形性膝関節症」という診断でも、初期の方と進行した方とでは、見込まれる期間が大きく変わってきます。

期間を左右するのは、主に2つの要素です。1つは変形性膝関節症の進行の程度で、軟骨のすり減りや炎症が軽いほど、痛みは早く落ち着きやすくなります。もう1つは、どの治療を選ぶかです。保存療法・手術・再生医療では、効果のあらわれ方や体への負担が異なり、改善までの道のりも変わってきます。

そのため、「何か月で症状が落ち着くか」と一律にお答えすることは難しいのが正直なところです。ただ、ご自身がどの段階にあり、どの治療を選ぶのかがわかれば、おおよその見通しは立てやすくなります。次の章から、その目安を順に見ていきます。

変形性膝関節症の進行度とは

改善までの期間を考えるうえで、まずはご自身の変形性膝関節症がどの段階にあるかを知っておくと良いでしょう。

進行度の3段階(初期・中期・末期)

変形性膝関節症の進行は、大きく次の3つの段階に分けて考えられます。

  • 初期:立ち上がりや歩き始めなど、動作の開始時に痛む段階。休むと痛みがやわらぐことが多い
  • 中期:階段の昇り降りや正座がつらくなり、痛む時間が長くなる段階。膝に水がたまることもある
  • 末期:安静にしていても痛みが出たり、膝が変形して曲げ伸ばしがしづらくなる段階

初期は、痛みが出ても休めば落ち着くため、つい見過ごされがちです。中期になると痛む場面が増え、日常の動作にも不便を感じはじめます。末期では、痛みが強く歩くのもつらくなり、生活への影響が大きくなっていきます。

どの段階にあるかによって、痛みのやわらぎ方も、治療法も変わってきます。ご自身の感覚だけで段階を見極めるのは難しいため、気になるときは早めに医療機関を受診しましょう。

放置するとどのくらい進む?

変形性膝関節症が進む速さには個人差があり、数年をかけてゆっくり進む方が多いとされています。一方で、急に強くなったように感じる時期があるなど、進み方は一律ではありません。

進行を早めやすいのが、体重の増加と、痛みをかばった歩き方です。膝にかかる負担が積み重なると、軟骨のすり減りや炎症が進みやすくなります。

また、痛みを我慢して受診を先延ばしにすると、その間に進んでしまい、選べる治療法が狭まることも少なくありません。軽い痛みでも、繰り返したり長引いたりするなら、早めに医療機関を受診することが大切です。

進行度別|変形性膝関節症の痛みはどのくらいで治る(改善する)?

ここからは、変形性膝関節症の進行度ごとに痛みがやわらぐまでの期間の目安と、治療法を見ていきます。あくまで一般的な目安で、実際の経過には個人差がある点をふまえてお読みください。

初期:数週間〜数か月で和らぐことも

初期の段階では、痛み止めやヒアルロン酸注射といった治療が中心になります。あわせて太ももの筋肉を鍛える運動療法や、体重を適正に保つ工夫を続けることで、数週間から数か月のうちに痛みが軽くなっていく方も少なくありません。

この時期は、痛みのもとになっている負担を減らせるかどうかが鍵になります。早めに対処を始められた方ほど、日常の動作が楽になるまでの期間も短くなりやすい傾向があります。逆に放置すると、症状が軽いうちに改善できる時期を逃してしまう可能性が高いです。

中期:症状に合わせて対処を続ける段階

中期になると、痛みが出たり落ち着いたりを繰り返しながら、月単位から年単位で付き合っていくことが多くなります。運動療法や注射などを組み合わせ、痛みの波をやわらげながら、進行をゆるやかにしていくことが目標になります。

すぐに痛みがゼロになるわけではありません。それでも、対処を続けることで、つらさを抱える時間を減らしていける可能性があります。痛みが強い時期と落ち着いた時期で治療法を見直しながら、無理なく続けていくことが大切です。

末期:手術も含めて検討する段階

末期まで進み、痛みが強く歩くのもつらいなど日常生活に支障が出てくると、人工膝関節置換術などの手術が選択肢に入ってきます。手術を受けた場合は、入院に加えてリハビリに数か月ほどかかるのが一般的です。日常生活に戻るまでには、一定の期間を見込んでおく必要があります。

手術をすると、進行した膝の痛みに対して改善が期待できる場合があります。一方で、できるだけ手術を避けたいと考える方も少なくありません。そうした場合には、後ほど紹介する再生医療を検討する方もいます。

治療法ごとの特徴をくわしく知りたい方は、こちらの記事も参考になります。

変形性膝関節症の治し方を徹底解説|保存療法・手術・再生医療の違い

症状を早く和らげるコツとNG行動

同じ進行度でも、日々の過ごし方によって、痛みの感じ方や症状の経過は変わることがあります。ここでは、症状をやわらげるためにできる工夫と、避けたい行動を整理します。

痛みをやわらげるセルフケア

膝への負担を抑え、痛みをやわらげるために、ご自身で取り組めることがあります。

  • 太もも前側の筋肉を鍛える:膝を支える筋力を保ち、膝への負担を抑えることにつながる
  • 体重を適正に保つ:体重による膝への負担を抑えることにつながる
  • 膝を冷やさず温める:冷えによって膝のこわばりを感じる場合は、温めることで楽になることがある

なかでも、太ももの筋力を保つことと体重を適正に保つことは、痛みの軽減と進行の予防の両面で役立ちます。無理のない範囲で続けることが大切で、運動の強さや量は、医療機関の指示のもとで調整すると良いでしょう。具体的なやり方は、こちらの記事でも紹介しています。

寝ながらできる膝のストレッチ|痛みをやわらげる方法

膝のセルフマッサージのやり方|自宅でできるケア

回復を遅らせるNG行動

  • ・痛むのを我慢して、膝に負担のかかる動作を続ける
  • ・体重が増えたまま、膝への負担を放置する
  • ・自己判断で運動をやめてしまい、膝を支える筋力が落ちる

痛みがあるからと動かさずにいると、かえって筋力が落ちて悪循環になることもあります。痛みと相談しながら、できる範囲で体を動かしていくことが回復への近道です。軽い痛みでも、繰り返したり長引いたりする場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

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手術を避けたい方へ|当院の再生医療という選択肢

変形性膝関節症の治療は、まず痛み止めやヒアルロン酸注射、運動療法といった保存療法から始めるのが一般的です。ただ、変形性膝関節症が進行すると手術が必要になってくる場合もあります。

一方で「手術はできるだけ避けたい」「保存療法だけでは物足りない」こうした方に、選択肢のひとつとして検討されるのが再生医療です。

PRP-FD(PFC-FD™)注射とは

当院は再生医療を専門とするクリニックです。PRP-FD(PFC-FD™)治療とは、ご自身の血液から取り出した成分を活用し、膝の関節へ直接注射する治療です。関節内で起きている炎症やダメージに伴う痛みの改善を目的とし、含まれる成長因子のはたらきで、炎症の抑制や組織の修復を促します。

自分自身の血液を用いるため、拒絶反応のリスクは低いとされています。日帰りで治療が完結するため、入院の時間を取りにくい方にも検討しやすい治療です。

培養幹細胞治療とは

培養幹細胞治療は、脂肪に含まれる幹細胞を取り出して培養し、数を増やしてから膝の関節内に投与する治療です。炎症を抑え、組織の修復を促すはたらきにより、関節内の環境を整えながら、痛みの改善を目指します。

こちらも日帰りで受けられ、ご自身の細胞を用いる治療です。効果のあらわれ方や経過には個人差があり、どの治療が向いているかは、医師の診断のうえで相談しながら検討していくことになります。

保存療法・手術療法・再生医療には、それぞれ目的や体への負担、入院の要否に違いがあります。ご自身に合った方法を考えるための整理として、3つの治療法の特徴を比較表にまとめました。

治療選択肢比較表 ※スクロールできます

治療法 主な目的・内容 メリット デメリット 入院の有無
保存療法(理学療法・薬・ヒアルロン酸注射など) 痛みや炎症を抑える(対症療法が中心) 手術をせず手軽に始められる。 根本的な改善につながらないことがあり、痛みがぶり返すケースもある。 不要
手術療法(骨切り術・人工膝関節置換術など) 傷んだ関節の状態を改善したり、アライメント(骨の配列)を矯正する。 重症例で根本的な改善が期待できる場合がある。 入院や数か月単位のリハビリが必要で、体への負担が大きい。 必要
再生医療(PRP-FD(PFC-FD™)治療・培養幹細胞治療など) 炎症の抑制・組織の修復を促す 日帰りで治療が完結し、ご自身の血液や細胞を用いる。 自由診療のため費用は医療機関により異なる。 不要

再生医療の仕組みをもう少しくわしく知りたい方は、こちらもご覧ください。

ひざの再生医療とは?治療の仕組みと特徴をわかりやすく解説

まとめ|早期対処が改善のカギ

変形性膝関節症は進行性の疾患で、すり減った軟骨そのものを完全に治すことは難しいとされています。痛みなどの症状がどのくらいでやわらぐかは、進行の程度と選ぶ治療によって変わります。初期のうちに対処できれば、数週間から数か月で痛みが和らぐ方も少なくありません。反対に、痛みを我慢して受診を先延ばしにすると、その間に進行し、選べる治療法が狭まってしまうこともあります。

「もう歳だから」「手術しかないと言われた」と諦める必要はありません。大切なのは、いまの膝の状態を正しく知り、医師と相談しながら自分に合った治療法を選んでいくことです。

膝の状態を正しく知ることが、適切な治療への第一歩です。当院では、完全予約制で待ち時間なく膝の状態を詳しく調べられる「MRIひざ即日診断」をご用意しています。手術を避けたい方のご相談にも、再生医療を専門とする立場から親身にお応えします。

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