60代女性です。半年ほど前から膝の内側に痛みを感じるようになり、整形外科でレントゲンを撮ってもらいましたが、骨に異常はないと言われて湿布で様子を見るよう案内されました。湿布を続けても階段の上り下りや椅子からの立ち上がりで痛みが続き、最近は座っているときの違和感もあって、慢性化してきたようで不安です。骨に異常がないのに膝が痛むのは、どのような原因が考えられるのでしょうか?
これらは見た目や問診だけでは判断が難しいため、症状が続く場合は医療機関の診察で原因を整理することが安心につながります。
骨に異常なしと言われても膝の痛みが残るときにまず押さえたいポイント
整形外科のレントゲンで「骨に異常なし」と言われると、ひとまず安心する一方で、痛みが続いていれば「では何が原因なのか」と余計に不安になりますよね。
ご自身で原因を絞り込むのは難しいため、まずは膝に何が起きているのかを整理しておくことが大切です。
レントゲンは骨の変形や関節の隙間を映すのは得意ですが、軟骨や半月板、滑膜、腱・靭帯などの軟部組織は映らないため、骨に異常がなくても痛みの原因が別の組織にあるケースは珍しくありません。
数週間以上痛みが続く、徐々に強くなる、特定の動作で繰り返し痛む、といった状態であれば、原因の絞り込みを医療機関で行うほうが安心です。
少しでも不安を感じたら、まずは無料でんわ相談からお気軽にお問い合わせください。
関連: 膝関節の痛みの仕組みとレントゲン・MRIの違いの解説
レントゲンで骨に異常なしの膝の痛みで考えられる主な原因
「骨に異常なし」と言われた膝の痛みの背景には、レントゲンには映らない軟部組織のトラブルや慢性的な炎症がひそんでいることがあります。
下記は代表的な原因です。
軟骨のすり減り(変形性膝関節症の初期)
半月板の変性・損傷
滑膜炎・関節水腫(水たまり)
鵞足炎・腸脛靭帯炎などの腱・靭帯の炎症
軟骨下骨の微小な障害(骨髄浮腫様病変や軟骨下脆弱性骨折など)
変形性膝関節症の初期では、軟骨の変化に加えて、滑膜炎や骨髄病変(骨髄浮腫様病変)、半月板変性などが生じ、レントゲンに明らかな変化がなくても痛みが現れることがあります。
半月板はクッションの役割を担う組織で、変性や小さな損傷が起きるとひっかかり感や引き伸ばされるような痛みを生じることがあります。
レントゲンには形が映らないため見逃されやすい原因です。
滑膜炎は関節を包む膜の炎症で、関節内に水がたまったり熱感を伴ったりすることがあります。
鵞足炎・腸脛靭帯炎などの腱付着部の炎症も、繰り返し負荷がかかると慢性化し、特定の動作で痛みが出やすいとされます。
関連: 軟骨・靭帯・腱から生じるひざの痛みの原因解説
骨に異常なしの膝の痛みで自宅でできる対処と避けたい動作
原因の特定には診察が必要ですが、ご自宅でも工夫できることがあります。
一般的な対処法を優先度の高い順に整理しましたので、ご自身の状況に合わせて取り入れてみてください。
腫れ・熱感があるときは保冷材で15分ほど冷やす
慢性的な痛みは入浴で温めて筋肉の緊張をほぐす
太もも前面・後面のストレッチと軽い筋トレを少しずつ
正座・深いしゃがみ込み・急なひねり動作は避ける
湿布や市販の鎮痛薬を漫然と続けすぎない
腫れや熱感がある急性期は、薄手のタオルで包んだ保冷材で15分ほど冷やす方法が一般的にすすめられています。
慢性的にじんわり痛む場合は、温めることで楽になる方もいれば、冷やしたほうが症状が和らぐ方もいます。
ご自身が心地よいと感じる方法を選びましょう。
太もも前面・後面のストレッチや軽い筋力トレーニングは、膝関節への負担を分散させるのに役立つとされています。
痛みの強い時期は無理せず、少しずつ範囲を広げるのがおすすめです。
「骨に異常なしと言われたから様子見でいい」と湿布だけで何ヶ月も粘ると、原因の特定が遅れて慢性化につながることもあります。
改善が見られない場合は、放置せず医療機関に相談しましょう。
骨に異常なしと言われた膝の痛みでも受診を検討すべき目安
「骨に異常なし」と言われたあとでも、痛みが続いている方は、改めて受診を検討するタイミングを知っておくと安心です。
下記のサインを目安に、ご自身の状態と照らし合わせてみてください。
歩けない・荷重困難(緊急受診)
強い腫れ・熱感・ロッキング(緊急受診)
発熱を伴う膝の痛み(緊急受診)
数週間以上痛みが続く・徐々に悪化(近日中の受診)
日常生活や仕事に支障が出ている(近日中の受診)
歩けないほどの強い痛みや荷重困難、強い腫れや熱感、ロッキング(膝が引っかかって動かない状態)、発熱を伴う膝の痛みは、緊急性の高いサインです。
これらに当てはまる場合は、まずはお近くの整形外科や救急対応のある医療機関を早めに受診してください。
明確な緊急サインがなくても、数週間以上改善しない、徐々に悪化している、日常生活や仕事に支障が出ているといった場合は、原因の整理と次の治療方針を立てるために受診を検討する目安となります。
「骨に異常なし」と言われたあとも続く膝の痛みについて、専門医に相談してみたい方は、下記から診察予約が可能です。
骨に異常なしの膝の痛みでMRIなど検査で分かることと治療の選択肢
レントゲンで骨に異常なしと言われた膝の痛みは、軟部組織に原因があるかを確かめることが、治療方針を決めるうえで大切です。
検査と治療の選択肢を整理しておきましょう。
MRIでは軟骨、半月板、靭帯、滑膜、骨髄病変などを詳しく評価でき、レントゲンでは分からなかった異常が見つかることがあります。ただし、画像所見と症状が必ずしも一致するとは限らず、診察所見と合わせて総合的に判断します。
治療は症状や原因に応じて、薬物療法・ヒアルロン酸注射・リハビリ・装具療法などの保存療法が基本となります。
保存療法で十分な改善が得られない場合には、再生医療を含めた治療法が検討されることがあります。
ただし、適応や期待できる効果には個人差があり、標準治療との違いについて十分な説明を受けたうえで選択することが重要です。
関連: 膝のMRI検査で何が分かるか、レントゲンとの違い
この相談を見た方におすすめのQ&A
「骨に異常なし」と言われたあとに続く膝の痛みは、近い経過の相談事例もご参考になります。
下記のQ&Aでは、検査値や見た目では原因が分からないまま続く膝の不調や、レントゲンには映りにくい腫れの相談に、それぞれ専門医が回答しています。
関連: リウマチの数値が出ないのに膝の痛みが続く相談への回答
関連: 夕方に膝のむくみと痛みが出るときの原因の相談
関連: 床掃除で膝をつくとピリッと痛むときの原因の相談
まとめ
「骨に異常なし」と言われた膝の痛みの背景には、軟骨・半月板・滑膜・腱などレントゲンには映りにくい組織のトラブルが隠れていることが少なくありません。
歩けないほどの強い痛みやロッキング、発熱を伴う痛みなど緊急性の高い症状がある場合は、まずお近くの一般整形外科を早めに受診してください。
一般の整形外科で治療を受けても痛みが改善されていない方、まずどのような治療があるのか詳しく知りたい方は、当院でMRIをもとに再生医療を含めた選択肢をご相談いただけます。
関連: 膝軟骨のすり減りの原因と治療法の詳しい解説
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