クーリーフ(Coolief)治療とは?ラジオ波焼灼療法で膝の痛みを軽減する仕組みと注意点を解説

クーリーフ(Coolief)治療とは?ラジオ波焼灼療法で膝の痛みを軽減する仕組みと注意点を解説

更新日:2026.06.24

「ヒアルロン酸注射を続けているのに、膝の痛みが思うように軽くならない」
「手術は体への負担が大きそうで、できれば別の方法も知りたい」
「クーリーフという治療法を聞いたけれど、どのような仕組みなのか知りたい」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
変形性膝関節症をはじめとする慢性的な膝の痛みに対しては、薬物療法・注射療法・手術療法など、複数の治療選択肢があります。
なかでも、手術以外の選択肢のひとつとして検討されるのが、クーリーフ(Coolief)治療と呼ばれるラジオ波焼灼療法です。 この記事では、クーリーフ治療の仕組み・対象・注意点・治療後の経過を解説し、あわせて慢性的な膝の痛みに対して検討される再生医療についても紹介します。
膝の痛みが続いている方は、まず整形外科などで原因を確認し、必要に応じて専門的な治療について相談することが大切です。

クーリーフ(Coolief)治療とは

クーリーフ治療は、膝の痛みに関係する神経へ高周波、いわゆるラジオ波のエネルギーを加える「ラジオ波焼灼療法」の一種です。

変形性膝関節症などによる慢性的な膝の痛みに対し、痛みの軽減を目的として検討されることがあります。

ラジオ波焼灼療法とはどのような治療か

ラジオ波焼灼療法(RFA:Radiofrequency Ablation)とは、高周波電流から生じる熱エネルギーを利用し、痛みに関係する神経へアプローチする治療法です。

もともとはがん治療や不整脈治療などの分野で応用されてきた技術ですが、整形外科領域でも膝関節の慢性的な痛みに対して用いられることがあります。

膝関節には「膝関節枝神経」と呼ばれる複数の感覚神経が走っており、関節の炎症や変性による刺激を痛みとして脳へ伝えています。

ラジオ波焼灼療法では、これらの神経を標的とし、痛みの信号が伝わりにくい状態を目指す治療です。

この治療は痛みに関係する感覚神経を対象とするもので、膝を動かすための運動神経への影響は少ないとされています。

ただし、処置後に処置部位周辺の感覚が変化する場合があります。

担当医師から事前に十分な説明を受け、期待できる変化と考えられるリスクを理解したうえで治療方針を検討することが重要です。

クーリーフと従来のラジオ波焼灼療法の違い

クーリーフ(COOLIEF)は、冷却機構を備えたラジオ波焼灼システムです。

従来のラジオ波焼灼療法との違いは、電極先端を内部から冷却しながら高周波エネルギーを加えられる点にあります。

具体的には、電極内部に生理食塩水を循環させることで先端温度を調整し、過剰な熱による組織の炭化を抑える仕組みです。

従来のラジオ波では、電極周囲の組織が過度に熱せられると炭化が起こり、エネルギーが伝わりにくくなることがあります。

クーリーフでは冷却機構により、従来のラジオ波焼灼療法よりも広い範囲に熱を加えられると報告されています。

この特徴から、変形性膝関節症に伴う慢性的な膝の痛みに対して、クーリーフ治療による痛みの軽減を検討した臨床研究も行われている状況です。

ただし、すべての方に同じ変化が得られるわけではなく、治療結果には個人差があります。

膝の痛みとクーリーフ治療の関係

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減り、関節が変形することで痛みや動かしにくさにつながる疾患です。

加齢・体重・関節への負荷などが関係するとされており、日本でも多くの方が悩む疾患のひとつです。

痛みの程度は重症度によって異なりますが、歩行・階段の昇降・立ち座りなど、日常生活の動作に支障が出る場合もあります。

クーリーフ治療は、膝の痛みに関係する神経へアプローチし、痛みの軽減を目指す方法です。

一方で、関節の変形や軟骨の状態そのものを改善する治療ではありません。

この点を理解したうえで、保存療法・手術療法・再生医療など、ほかの治療法と比較しながら検討することが大切です。

▶『変形性膝関節症の重症度(ステージ分類)はどう決まるか』

クーリーフ治療の対象となる方

クーリーフ治療の適応は、症状の内容・経過・画像所見・全身状態・テストブロック(診断的ブロック注射)の結果などを総合的に評価して判断されます。

まずは整形外科などで診察を受け、症状や検査結果を踏まえながら治療方針を検討するとよいでしょう。

クーリーフ治療が検討されることがあるケース

クーリーフ治療の候補として考慮されやすいのは、主に変形性膝関節症による慢性的な膝の痛みが続いているケースです。

薬物療法・ヒアルロン酸注射・理学療法などの保存療法を一定期間試しても、十分な痛みの軽減が感じられない方が検討対象になりやすい治療です。

手術を希望しない方や、年齢・持病などの理由で手術リスクを慎重に考える必要がある方に対して、選択肢のひとつとして提示される場合もあるでしょう。

保存療法では痛みが続く一方で、手術には踏み切りづらい状況では、中間的な選択肢として扱われることがあります。また実際の治療に進む前には、狙う神経に一時的な麻酔を打って除痛効果を確かめる「テストブロック(診断的ブロック注射)」を行い、効果が期待できるかを確認するのが一般的です。

ただし、治療の適応基準は医療機関によって異なる点に注意が必要です。

画像所見・症状の程度・全身状態などを担当医師が確認したうえで、最終的な治療方針を検討します。

再生医療という選択肢

一方で、慢性的な膝の痛みに対する治療法はクーリーフ治療だけではありません。

整形外科で治療を続けても痛みが改善しない方や、手術以外の選択肢について知りたい方は、関節内の炎症や痛みに対する治療選択肢として再生医療について相談する方法もあります。

ひざ関節症クリニックでは、クーリーフ治療そのものではなく、慢性的な膝痛に対する再生医療の相談・診察を行っています。

一般の整形外科への受診をおすすめするケース

以下に当てはまる場合は、一般の整形外科で原因を確認しましょう。

・打撲・捻挫・靭帯損傷・骨折など、外傷による痛みがある

・膝以外の部位に痛みや違和感がある

・膝に痛みはなく、音のみ・しびれのみ・抜け感のみがある

・腫れ・熱感・ロッキング症状などが急に現れた

・他院で膝の手術を受け、現在経過観察中である

・未成年である

これらのケースでは、保険診療を含む一般の整形外科で診察や必要な処置を受けることが大切です。

クーリーフ治療の流れと処置内容

クーリーフ治療は局所麻酔下で行われる外来処置で、入院を必要としないことが多いです。

治療を検討する際は、事前に膝の状態を詳しく確認することが重要です。

診察・適応評価のステップ

クーリーフ治療を検討する場合には、まず問診と身体診察が行われます。

そのうえで、レントゲンやMRIなどの画像検査により、膝関節の状態を評価する流れが一般的です。

変形性膝関節症の進行度や、痛みに関係する神経の位置を把握することは、治療方針を検討するうえで重要とされています。

画像診断のなかでも、MRIは軟骨・半月板・靭帯など関節内部の構造を詳しく確認できる検査です。

また、これらの画像検査に加えて、狙う神経に一時的な麻酔を打って実際の除痛効果を確認する「テストブロック(診断的ブロック注射)」を行います。クーリーフは痛みの原因となっている神経を直接狙う治療法であるため、この事前の検査でしっかりと痛みが軽減することを確かめます。

クーリーフ治療の適応は、実施している医療機関での診察や画像検査、テストブロックの結果をもとに判断されるものです。

▶『膝のMRI検査で何がわかる? 知っておきたいMRIとレントゲンの違い』

処置当日の流れ

クーリーフ治療は、透視(X線)や超音波による画像ガイド下で行われるのが一般的です。

まず処置部位に局所麻酔を行い、細い電極を皮膚から膝関節周囲の標的神経へ向けて挿入します。電極の位置を画像で確認したうえで、冷却されたラジオ波エネルギーを加え、痛みの伝達に関わる神経へアプローチします。

所要時間は対象となる神経の数や医療機関によって異なりますが、おおむね30〜60分程度が目安です。

日帰りで実施されることが多く、一定時間の安静と経過観察の後に帰宅できます。

処置後の過ごし方や活動範囲については、症状や処置内容によって異なるため、担当医師の指示に従うことが大切です。

治療後の経過と日常生活上の注意点

クーリーフ治療の後は、処置部位に一時的な痛みや腫れ、内出血などがみられることがあります。

こうした症状は時間の経過とともに軽減することが多いものの、回復の過程には個人差があります。

また、治療による変化を実感するまでには一定の期間を要する場合があります。処置直後に大きな変化がみられなくても、自己判断せず担当医師の指示に従って経過を確認することが大切です。

治療後は、膝への負担を減らす生活習慣を意識しながら、必要に応じてリハビリテーションなどを継続します。

なお、クーリーフ治療は関節の変形や損傷そのものを元の状態に戻すことを目的とした治療ではありません。長期的な膝の状態を考えるうえでは、日常生活の見直しや運動療法などを含めた総合的な管理が重要です。

クーリーフ治療の痛みの軽減と持続期間

クーリーフ治療による痛みの軽減については複数の臨床研究で報告されていますが、変化の程度や持続期間には個人差があります。

神経は時間をかけて再生するため、一定期間後に痛みが戻り、再治療が検討される場合があることも理解しておく必要があります。

臨床研究で報告されている内容

クーリーフ治療については、変形性膝関節症の方を対象とした研究が複数行われています。 従来の神経ブロック注射と比較して、痛みのスコアに一定期間の変化が見られたとする報告もあります。

ただし、研究の対象者・追跡期間・評価方法はさまざまであり、すべての方に同様の変化が期待できるとは限りません。

また、日本国内では医療機関や診療形態によって提供状況や費用が異なる場合があります。

▶『変形性膝関節症の治し方を徹底解説!治療ごとのメリット・デメリットは?』

痛みの軽減が続く期間と再治療の可能性

クーリーフ治療後の経過には個人差がありますが、臨床研究では約1~2年間にわたって痛みの軽減が報告されているものがあります。一方で、時間の経過とともに神経が再生し、痛みが再び現れる場合もあります。

痛みが再発した場合には、同じ部位への再治療が検討されるケースもありますが、適応については症状や膝の状態を踏まえて担当医師が判断します。

また、繰り返し処置を受ける場合のメリットや注意点についても、事前に十分な説明を受けたうえで治療方針を検討することが大切です。

ヒアルロン酸注射・手術との比較で知っておきたいこと

変形性膝関節症の治療にはさまざまな選択肢があり、クーリーフ治療もその一つです。

ヒアルロン酸注射は、関節内の潤滑性を補うことを目的として行われる治療です。ただし、症状や関節の状態によっては十分な効果を感じにくい場合もあり、治療方針の見直しが検討されることがあります。

▶『膝にヒアルロン酸を打ち続けるとどうなる?効果・限界・やめ時を医師が解説』

手術療法は痛みの軽減や関節機能の改善を目指して行われます。

一方で、入院や術後のリハビリテーションが必要になるため、手術に伴うリスクも含めて検討する必要があります。そのため、年齢や持病、生活状況などを踏まえ、担当医師と相談しながら治療法を選択することが大切です。

クーリーフ治療は、変形性膝関節症に伴う痛みに対する治療選択肢の一つとして検討されることがあります。

ただし、関節の変形や損傷そのものを改善することを目的とした治療ではないため、中長期的な治療方針については担当医師と相談しながら検討することが重要です。

クーリーフ治療の合併症と注意事項

クーリーフ治療には処置に伴う一定のリスクがあります。

担当医師から十分な説明を受け、内容を理解したうえで治療を検討することが大切です。

処置に伴う主な合併症

クーリーフ治療で報告されている合併症・副作用には、以下のようなものがあります。

・処置部位の一時的な痛み・腫れ・内出血

・処置部位周辺の皮膚感覚の変化

・感染・血腫形成・神経損傷

・局所麻酔薬によるアレルギー反応

多くの場合、一時的な痛みや腫れは数日〜数週間で落ち着くとされています。

ただし、合併症の発生頻度や程度は、状況によって異なる点にも注意が必要です。

事前に担当医師から詳細な説明を受け、疑問点を確認したうえで治療を検討しましょう。万が一の合併症が生じた場合の対応についても、事前に確認しておくと安心です。

治療を受けるにあたっての留意事項

クーリーフ治療を検討する際には、まず膝の痛みの原因を適切に評価することが重要です。

膝の痛みにはさまざまな原因があるため、画像検査などで状態を確認したうえで、治療方針を検討することが大切です。

また、抗凝固薬を服用している方や、ペースメーカーなどの医療機器が体内に植え込まれている方は、治療の適応について個別の判断が必要となる場合があります。

既往歴・服用中の薬・アレルギー歴については、事前に担当医師へ漏れなく伝えることが大切です。

さらに、糖尿病などにより感染リスクが高い方や、血液凝固機能に異常がある方についても、治療の可否や注意点について担当医師と十分に相談する必要があります。

慢性的な膝痛で検討される再生医療という選択肢

膝の再生医療は、患者さまご自身の血液成分や細胞を活用し、膝関節内の炎症や痛みの軽減を目指す治療法です。

クーリーフ治療とは目的やアプローチが異なりますが、慢性的な膝の痛みが続く場合に、治療選択肢の一つとして検討されることがあります。

再生医療の仕組みと目指す変化

膝の再生医療等としては、PRP-FD療法や幹細胞治療などが挙げられます。

PRP-FD療法は、患者さまご自身の血液から抽出した血小板由来の成分を加工し、膝関節内へ注射する治療法です。血小板由来の成分が関節内の炎症の抑制に関与するとされ、痛みの改善を目指す治療として検討されます。

幹細胞治療では、患者さまの体内から採取した幹細胞を培養したうえで、膝関節内へ投与する方法があります。

いずれもご自身の細胞や血液由来の成分を使用するため、拒絶反応のリスクは比較的低いとされています。

ただし、再生医療の結果には個人差があり、すべての方に同じ変化が得られるわけではありません。

再生医療の効果の見込みについても初診時に膝の状態を丁寧に確認したうえでお伝え致します。

▶『変形性膝関節症の治療選択肢|再生医療で目指す膝の痛みの軽減』

手術以外の治療選択肢を相談したい場合

ひざ関節症クリニックは、全国11院で診療を行う再生医療専門クリニックです。

当グループには医師31名が在籍しており、整形外科専門医も在籍する体制です。

当グループでは、2015年3月〜2026年3月までに44,900件以上の治療実績があります。

当院では、MRIデータをもとに医師が膝関節の状態を確認し、再生医療の適応可否や、効果の見込みについてご説明します。

なお、当院は再生医療専門クリニックのため、クーリーフ治療や保険診療による湿布処方・応急処置は行っておりません。クーリーフ治療の適応確認や実施を希望される場合は、対応している医療機関へご相談ください。 クーリーフ治療と再生医療は目的やアプローチが異なります。

それぞれの特徴を理解したうえで、整形外科で治療を続けても膝の痛みが残る方や、手術以外の選択肢を知りたい方は、ご自身の膝の状態に再生医療が適しているか、丁寧に診察いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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よくあるご質問

クーリーフ治療に関してよく寄せられる疑問について、一般的な考え方を整理します。

事前に疑問点をまとめておくことで、医師との相談をより有効に活用しやすくなります。

ただし状況によって異なる点にも注意が必要です。

クーリーフ治療でどのくらい痛みが軽くなりますか?

変化の程度は患者さまによって異なるため、「何%改善する」と断定することはできません。

変形性膝関節症の進行度・生活習慣・体質など、さまざまな要因が関係します。

臨床研究では痛みの軽減が報告されているものがありますが、変化をあまり実感できないケースもあるでしょう。

処置後すぐに変化を感じるとは限らず、数週間後から痛みの軽減を感じる場合もあるとされています。

どの程度の痛みの軽減を目指せるかについては、担当医師から事前に説明を受けることが重要です。

治療後に気をつけるべきことはありますか?

処置直後は、処置部位への強い刺激や過度な運動を避けることが一般的に推奨されます。

具体的な日常生活上の注意点については、担当医師の指示に従うことが最優先です。

治療後も膝への適切なケアを続けることが大切です。

体重管理や膝周囲の筋力維持は、膝への負担を減らし、関節機能を保つうえで役立ちます。

日常的な体の使い方を見直すことも、膝の痛みを管理するうえで重要です。

再生医療とクーリーフ治療のどちらを選べばよいかわかりません

どちらの治療が合っているかは、膝関節の状態・変形性膝関節症の進行度・症状の特性・年齢・全身状態・治療の目的などによって異なります。

情報収集をしながら迷う方もいますが、自己判断だけで治療を選ぶのは難しい場合があります。

まずは医師による診察と画像診断を受けることが、治療方針を検討する第一歩です。

再生医療について詳しく知りたい方は、MRIデータをもとに膝関節の状態を確認し、適応可否や症状の軽減を目指せるかどうかについて説明を受けることができます。

まとめ

クーリーフ(Coolief)治療は、変形性膝関節症などによる慢性的な膝の痛みに対して、膝関節枝神経へラジオ波のエネルギーを加えるラジオ波焼灼療法の一種です。

局所麻酔下で行われる外来処置であり、保存療法では痛みの軽減を十分に感じにくく、手術にも踏み切りづらい方の選択肢として検討されることがあります。

ただし、あくまでも痛みに関係する神経へのアプローチであり、関節の変形そのものを改善する治療ではありません。

痛みの軽減が続く期間には個人差があり、中長期的な治療計画を担当医師とともに立てることが大切です。

膝の慢性的な痛みに対しては、保存療法・クーリーフ治療・手術療法・再生医療など、複数の治療選択肢があります。

当院では、整形外科で治療を続けても膝の痛みが続く方や、手術以外の選択肢について知りたい方に向けて、MRIのデータを元に膝関節の状態をしっかり確認しながら、お一人おひとりに適した治療の選択肢や、再生医療をご提案できるかどうかを丁寧にご説明いたします。

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